猫はアルミホイルが好き? 気をつけたいボール遊びや誤飲

猫はアルミホイルが好き? 気をつけたいボール遊びや誤飲

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猫はアルミホイルが嫌いなのでしょうか? アルミホイルを床に敷くことによって、その場所に猫が来られないようにすることができるという話をときどき聞きます。アルミホイルを使って猫をしつけすることは可能なのでしょうか。また、アルミホイルは猫にとって危険ではないのでしょうか。

猫はアルミホイルがむしろ好き

子猫

アルミホイルを使って猫のしつけをするという話は、「猫はアルミホイルを嫌うから」という理由によるもののようです。しかし、筆者が一緒に暮らしている猫たちは、アルミホイルを苦手な子はほぼいません。むしろ猫たちはアルミホイルを気に入って遊んでしまうようです。

音が好き

アルミホイルはカシャカシャという音がしますね。猫はビニールのカサカサという音や、紙がグシャグシャになる音がとても好きです。この音は猫の獲物となる小動物が動く音に似ているからではないかと考えられます。

現在では人間と一緒に暮らし、ほぼ自分で狩りをすることはなくなりましたが、猫はもともとは小動物を狩って暮らす肉食獣でした。

現在、世界中に暮らすイエネコは砂漠地帯に住むリビアヤマネコを祖先に持つということがDNAの解析で分かっています。

リビアヤマネコは日本でもよく見かけるキジトラ猫に外見や大きさがそっくりです。リビアヤマネコは小型の肉食獣であるため、虫やネズミ、鳥などの小動物を獲物にして暮らしています。

ペットとなった猫も狩りに対する欲求は強いため、小動物が立てるカサカサ、コソコソという音に猫はとても惹かれてしまいます。

ビニール袋などのガサガサする音に夢中になって飛びかかってしまうのは、狩猟本能が刺激されているからなのです。それと同じようにアルミホイルがたてるカサカサする音は、猫のテンションを上げて、じゃれつきたくなってしまうのです。

実際、筆者の愛猫たちはアルミホイルを怖がりませんし、かえって触ったり噛んだりしたがります。

アルミホイルのボールに夢中

アルミホイルは容易に形を変えることができるので、ボールのように丸めることができます。このアルミホイルで作ったボールは転がって動くので猫の好奇心を刺激します。

猫は動くものが大好きですから、自分でアルミホイルのボールに猫パンチをして転がし、追いかけるといった遊びを飽きずに繰り返します。

また硬いスーパーボールなどと違って、猫がアルミホイルのボールを噛むと牙がめり込みます。猫がボールで遊ぶのは、ボールを獲物と見立てじゃれたり、追いかけたりして遊んでいるので噛みたくもなってしまいます。

アルミホイルは柔らかいので、猫は獲物を噛んでいるような感触を得ることができますね。噛み付いて楽しむこともできるため、猫はアルミホイルのボールが大好きです。

このように猫が楽しく遊べる、好きになるポイントがたくさんあるのでアルミホイルで作ったボールが好きな猫ちゃんは多いのではないでしょうか。

アルミホイルは猫にとって危険

アルミ

アルミホイルをガサガサして遊んだり、ボール状にしたアルミホイルを追いかけたりして遊ぶ猫ちゃんは多いでしょう。しかしアルミホイルを使って猫を遊ばせることはおすすめできません。

手軽に作れて猫が喜んでくれるおもちゃをアルミホイルで作ることができますが、アルミホイルは猫にとって危険です。アルミホイルは柔らかいので簡単に噛みちぎることができるため、猫が誤飲してしまうことが珍しくないのです。

実際に猫がアルミホイルを飲み込んでしまったという事故は珍しいものではなく、吐き出したり、便と一緒に出したりすることができない場合は、最悪の場合は開腹手術をしなければなりません。命に関わることもありますから、アルミホイルで猫を遊ばせるのはやめた方が良いでしょう。

猫はアルミホイルが嫌い?

アルミホイル

ここまで、猫はアルミホイルが好きであるということを解説してきましたが、「猫はアルミホイルが苦手である」として「しつけに使用できる」という説があるようです。

ここでは、なぜそのような説があるのか、そう言われる所以を解説します。

見慣れないものにびっくりする

猫がアルミホイルを嫌いだといわれる理由に挙げられているのが、アルミホイルは自然界にはないものなので、アルミホイルのピカピカする見た目に驚いて怖がるから、というものです。

確かに怖がりの子などは初めて見るアルミホイルには警戒する可能性が高いです。しかし猫は理解力も優れているため、少し触ってみたり、観察したりしてみればアルミホイルは無害なことはすぐに理解できます。

ビニール袋も自然界にはないものですが猫たちは恐れたりしませんよね。最初はアルミホイルにびっくりしても、すぐに慣れてしまうことでしょう。

音が嫌い

猫は臆病な性質なので初めて聞く音は警戒心を持ちますし、すぐには近寄ったりはしないかもしれません。しかしアルミホイルの音はどちらかといえば猫の好奇心をくすぐる音であり、筆者が観察した限りでは嫌いな音とはいえないと思います。

感触が嫌い

アルミホイルはツルツルしていますし、くしゃくしゃにすればチクチクした感触にもなりますね。その感触が嫌いなのでしつけに使えるという説があるようです。

しかし筆者が観察した限りでは、初めて見るアルミホイルに猫パンチをすることはあっても、アルミホイルは反撃してきたりしませんし、パンチをしたときに音が出るため猫はかえって楽しくなってしまうようです。慣れてしまえば、特に感触が嫌いという様子も見られません。

アルミホイルでしつけができる?

猫

猫が粗相をする場所の床にアルミホイルを貼っておき、猫がその場所に来ないようにできるといわれていますが、筆者が実際に見た限りにおいて、効果はごくごく限定的でしょう。

方法としては「少しクシャクシャにした状態のアルミホイルを床に敷いておく」というものです。そうするとその感触やアルミホイルが波打つ様子や音にびっくりして猫が近づかないということのようです。

確かにアルミホイルに接触するのが初めての猫ちゃんであれば、警戒したり驚いたりすることはあるでしょう。しかしそれもはじめの数回のみの効果です。慣れてしまえば何とも思いませんし、かえって遊んでしまう可能性が高いでしょう。

筆者も試してみましたが、筆者の愛猫たちには全く効果がありませんでした。また筆者の知人の猫はマーキングをしてしまうので、マーキングをする場所にアルミホイルを敷くという方法を試したようですが、やはり全く効果がなかったということです。猫に入って欲しくない場所をアルミホイルを使って制限するというのは、ほとんど無理だと思います。

猫に来てほしくない場所がある場合は、ガードを設置するなどして物理的に入って来られないようにするなどの対策をとりましょう。

また、マーキングの防止は難しいのですが、去勢をする、猫のストレスをなくすようにするなどの対策の方が効果があるでしょう。


アルミホイルで猫のしつけはできません

ねこ


ここまで解説してきましたとおり、アルミホイルで猫のしつけをするのはほぼ無理でしょう。もちろん個体差がありますので、効果がある猫ちゃんもいるかもしれません。

しかし筆者の愛猫たちにはまったく効果がありませんし、周囲の人に聞いても「効果があった」という話は聞いたことがありません。

むしろ猫ちゃんたちはアルミホイルが好きです。アルミホイルは猫が楽しく遊ぶことができるのですが、万が一誤飲してしまうと命に関わることがあるため、猫をアルミホイルで遊ばせることはやめた方が良いでしょう。