キジトラ(キジ猫)ってどんな性格?特徴・歴史・寿命・サバトラとの違いなどを解説

キジトラ(キジ猫)は、猫の中でもよく見かけることが多い毛色だと思います。ありふれた猫だと思う方が多いかもしれませんが、キジトラは実はその体の中に祖先からの血を色濃く引き継いでいるのです。キジトラの歴史・特徴などをご紹介します。

キジトラは猫の基本

キジトラ(キジ猫)
キジトラ柄の猫は、猫の中でも多い毛色です。筆者は保護活動をしていますが、キジトラ、キジ白の保護数は他の毛色より多めです。またキジトラは世界中に存在していますが、それはキジトラが猫の基本色だからです。

キジトラの歴史

現在ペットして飼われている猫の祖先は「リビアヤマネコ」であると考えられています。英語ではAfrican Wildcat(アフリカン・ワイルドキャット)ですが、中東の砂漠地帯に生息していました。リビアヤマネコはもともと野生の猫ですが、農耕で生活していた人たちが穀物を荒らすネズミなどを捕食してくれるため、大切にしたことから人間との関係が築かれていったようです。
リビアヤマネコ
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イエネコとしての最古の記録は約9500年前にさかのぼります。イエネコとして確立したのが紀元前3000年ごろのエジプトであるとされ、壁画などにも残されています。エジプトでは猫は神の使いとされ、「バステト」という猫の女神もいますね。エジプトではミイラ文化が栄えていましたが、猫のミイラも残されており、これを分析した結果、キジトラであることが判明しました。当時のエジプトに存在していた猫のほとんどはキジトラだったようです。

エジプトでイエネコとして固定された種が世界中に広まり、現在のペットとしての猫となっているのです。つまりキジトラは、祖先の血を色濃く残している猫ということになりますね。その後の突然変異や交配などによって、茶トラや白黒猫などのほかの柄が誕生したと考えられています。

キジトラは英語では

キジトラは英語では「brown mackerel tabby (ブラウン・マッカレル・タビー)」と言います。「茶色のサバ柄のトラ猫」という意味ですが、タビーは縞模様を持つ猫の総称です。

キジトラは日本での飼育頭数で第1位

キジトラは猫の基本ですから数も多いです。アイリスオーヤマでは毎年「猫の国勢調査」を行っているのですが、「猫柄ベストテン」で2018年も飼育頭数が第1位でした。

キジトラの性格

キジトラ(キジ猫)
猫の基本形で、祖先の姿を引き継いでいるキジトラはどのような性格なのでしょうか。

ツンとデレを使い分ける甘えっこ

キジトラはイエネコの祖先の姿に近く野生的な外見なので、警戒心が強いのでなかなか心を許さないと言われています。しかし多くのキジトラを保護してきた筆者が感じるキジトラの性格は、「ツンデレ甘えっ子」です。

猫の性格は種類によるというよりは、育った環境や個性によるところが大きいので一概には言えませんが、筆者が保護したキジトラは総じて甘えっ子が多いです。いつもべたべたするタイプの甘えっ子ではなく、甘えるときは思いっきり甘えますが、その気が無いときは完全に冷たい態度をとられるのですが、そのギャップがまたかわいらしいのです。

甘えていても突然、嫌になることがあり、そうなると今まで気持ち良さそうにしていた顔が一変し、ガブリと噛んできたりします(もちろん手加減しています)。気まぐれなお嬢様タイプかもしれませんね。まさに「猫の性格」を体現しているのではないでしょうか。

キジトラの特徴

猫の代表ともいえるキジトラの特徴を解説します。

キジトラの毛色

茶色の毛に黒い縞模様があるのが特徴です。地色の茶色がキジの色(メス)に似ているのでキジトラと呼ばれるようになりました。微妙に濃淡のある茶色の地毛はキジの羽の色にそっくりです。キジトラの毛色である茶色と黒の縞模様は自然界では見つけにくい保護色なのですが、その点も地味なキジ(メス)に似ているかもしれません。
キジ(メス)
キジ(メス)

キジトラの目の色

キジトラは野生であった頃の遺伝子を強く引き継ぐ猫なので、目の色はゴールドが多いとされています。ライオンやトラなどのネコ科の野生動物の目の色はほとんどゴールドですね。しかし現存しているキジトラは、人間との生活も長くなっているのでかなり混血も進み、必ずしもゴールドであると限りません。緑色や緑がかったゴールドの瞳の子も多く見かけます。
ライオン

キジトラの肉球

キジトラの肉球の色は黒です。キジトラの毛色の地色は茶色で縞模様の部分は黒く、白い毛はほぼありません。これはメラニン色素が多いためです。そのため肉球も黒いのです。キジ白の子(地色が白で部分的にキジトラ模様)は、肉球がピンクや白とピンクの混合です。ぷにぷにの黒い肉球は光を反射している様子がよくわかるので、つるんと光って美しいですよ。
キジトラの肉球は黒い


キジトラは美猫が多い

キジトラは猫祖先の血を色濃く継いでいるせいか、猫らしい顔立ちの子が多いようです。目は大きくアーモンド形でつり上がり気味でこれぞ猫の目という感じです。丸い頭に大きな目で、キジトラには美猫ちゃんが多い印象があります。

筆者はこれまでも何匹もキジトラを保護してきましたが、オスでもメスでもきりっとした顔立ちの子が多く、ほかのボランティアさんも同意見なので実際にきれいな顔立ちの子が多いのだと思います。顔立ちが整っているので、性格がきつく見られがちですが(特に黒っぽい色の子はそう見えます)、性格は外見と相反して甘えっ子の場合が多いです。
キジトラ(キジ猫)

キジトラはオスもメスも多数いる

猫の毛色によっては、発現率がオスとメスでは違う場合があります。三毛猫はほとんどメスしか存在せず、茶トラはオスが多いです。しかし、キジトラにはどちらかが多いという傾向はなく、オスもメスも同じくらい存在します。
三毛猫
三毛猫


キジトラは長毛の子もいる

キジトラ(キジ猫)

キジトラは一般的には短毛の子が多いですが、なかには長毛の子もいます。筆者が2年前に保護した子は長毛のキジトラでした。これは母猫の血を多く引き継いだ結果と思われます。母猫は長毛の三毛猫で、顔立ちから洋猫の血が入っていると推測されました。洋猫の血が入っていると長毛になることがときどきあります。海外から持ち込まれた猫と交配した結果、さまざまな毛色の長毛の子が誕生するようになったと考えられます。姉弟のうち1匹だけがキジトラ長毛で、もう1匹が長毛キジ白でした。現在はどちらも里親さん宅で幸せに暮らしています。

キジトラとサバトラの違い・見分け方

サバトラはキジトラから派生した猫ですので、外見上も似ている特徴があります。猫は雑交配でさまざまな遺伝子を受け継いでいるので、キジトラ両親からサバトラが生まれることも珍しくありません。黒い縞模様があるのはキジトラもサバトラも同じですが、キジトラの被毛の地色は茶色ですが、サバトラはグレーがベースです。鼻の色もキジトラがくすんだピンク色なのに対し、サバトラはこげ茶や黒い鼻です。

キジトラの寿命

キジトラは祖先の血を色濃く継ぎ、さらに雑種なので比較的丈夫です。雑種の子はそれまでに生き残ってきた子の血を引きついているので、純血種に比べると遺伝疾患や病気が少ないと言われています。室内飼育をして健康な毎日を送れるようにすれば、長生きしてくれるでしょう。

キジトラの里親になろう!

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キジトラは世界中に存在し、日本でも一番多く存在している猫でしょう。そのため、保護されるキジトラは決して少なくありません。キジトラはペットショップで売っていませんし、キジトラのブリーダーも聞いたことはありません。キジトラを飼うためには保護猫の里親になるのが一番ですね。

筆者は保護活動をしていますが、キジトラを保護する率は高いです。そしてありふれた毛色のせいか、残念ながら里親さんがなかなか見つからないことも多いです。昨年筆者が保護した3兄妹も長毛の子とサバトラ白の子は早々に里親さんが決まったものの、キジトラの子だけ里親さんが決まるまでずいぶん時間がかかりました。キジトラは顔立ちも性格もツンデレ猫のそのもので、とても魅力にあふれていると筆者は思います。ぜひ、キジトラの里親さんになること検討していただきたいと思います。
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キジトラは猫の魅力満載

キジトラは決して珍しい猫ではありませんが、祖先の血を色濃くという点において貴重な存在だと思います。野生的な外見で、でもツンデレ甘えっ子。キジトラのとの生活は猫との暮らしを存分に味わえると思います。