【獣医師監修】キジトラ(キジ猫)はどんな猫?性格や特徴、サバトラとの違いなどを解説
キジトラ(キジ猫)は、猫の中でもよく見かけることが多い毛色です。キジトラは体の中に祖先からの血を色濃く引き継いでいる貴重な存在でもあります。今回は、キジトラの性格や寿命といった基礎知識から、サバトラとの違いなどを紹介します。
キジトラの基礎知識
英語表記 | brown mackerel tabby |
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寿命 | 15年以上 |
性格 | ツンデレな甘えん坊 |
特徴 | 美人が多い |
キジトラ柄の猫は、猫の中でも多い毛色です。キジトラは世界中に存在しているのは、キジトラが猫の基本色のためです。
キジトラの英語表記
キジトラは英語では「brown mackerel tabby(ブラウン・マッカレル・タビー)」といいます。「茶色のサバ柄のトラ猫」という意味ですが、タビーは縞模様を持つ猫の総称です。
キジトラの寿命
キジトラは祖先の血を色濃く継ぎ、さらに雑種なので比較的丈夫な猫種です。雑種の子は、生き残ってきた子の血を引き継いでいるため、純血種に比べると遺伝疾患や病気が少ないといわれています。
室内飼育をして健康な毎日を送れるようにすれば、猫の平均寿命である15年、もしくはそれ以上、長生きしてくれるでしょう。
キジトラの歴史
Photo by mariekespenceさん Thanks!
人間との関係構築のきっかけ
現在ペットして飼われている猫の祖先は「リビアヤマネコ」であると考えられています。英語では「African Wildcat(アフリカン・ワイルドキャット)」ですが、中東の砂漠地帯に生息していました。リビアヤマネコはもともと野生の猫でしたが、穀物を荒らすネズミなどを捕食し、重宝されたことから人間との関係が築かれていったようです。
イエネコとしての記録
イエネコとしての最古の記録は約9500年前にさかのぼります。イエネコとして確立したのが紀元前3000年ごろのエジプトであるとされ、壁画などにも残されています。エジプトでは猫は神の使いとされ「バステト」という猫の女神もいるほど。エジプトではミイラ文化が栄えていましたが、猫のミイラも残されており、これを分析した結果、キジトラであることが判明しました。
当時のエジプトに存在していた猫のほとんどは、キジトラだったようです。
エジプトでイエネコとして固定された種が世界中に広まり、現在のペットとしての猫となっているのです。つまりキジトラは、祖先の血を色濃く残している猫といえるでしょう。
その後の突然変異や交配などによって、茶トラや白黒猫などの、他の柄が誕生したと考えられています。
キジトラの性格
キジトラは警戒心が強いため、なかなか心を許さないといわれています。しかし多くのキジトラを保護してきた筆者が感じるキジトラの性格は「ツンデレな甘えん坊」です。
猫の性格は種類によるというよりは、育った環境や個性によるところが大きいので一概には言えませんが、筆者が保護したキジトラは総じて甘えっ子が多いです。
いつもべたべたするタイプではなく、甘えるときは思いっきり甘えますが、その気が無いときは完全に冷たい態度をとられるのですが、そのギャップがまたかわいらしいのです。
キジトラの特徴
キジトラの毛色
茶色の毛に黒い縞模様があるのが特徴です。地色の茶色がキジの色(メス)に似ているのでキジトラと呼ばれるようになりました。
キジ(メス)
微妙に濃淡のある茶色の地毛はキジの羽の色にそっくりです。
キジトラの毛色である茶色と黒の縞模様は自然界では見つけにくい保護色なのですが、その点も地味なキジ(メス)に似ているかもしれません。
キジトラの目の色
キジトラは野生であった頃の遺伝子を強く引き継ぐ猫のため、目の色はゴールドが多いとされています。ライオンやトラなどのネコ科の野生動物の目の色も、ほとんどゴールドなのもそのためです。
現存しているキジトラは、人間との生活も長くなっているため、混血が進み、必ずしもゴールドであると限りません。緑色や緑がかったゴールドの瞳の子も多く見かけます。
キジトラの肉球
キジトラの肉球の色は黒です。キジトラの毛色の地色は茶色で縞模様の部分は黒く、白い毛はほぼありません。これはメラニン色素が多いためです。そのため肉球も黒いのです。キジ白の子(地色が白で部分的にキジトラ模様)は、肉球がピンクや白とピンクの混合です。
ぷにぷにの黒い肉球は、光を反射している様子がよくわかるので、つるんと光って美しいです。
キジトラは長毛の子もいる
キジトラは一般的には短毛の子が多いですが、なかには長毛の子もいます。
洋猫の血が入っていると長毛になることがときどきあります。海外から持ち込まれた猫と交配した結果、さまざまな毛色の長毛の子が誕生するようになったと考えられます。
キジトラは美猫が多い
キジトラは猫祖先の血を色濃く継いでいるせいか、猫らしい顔立ちの子が多いようです。目は大きくアーモンド形でつり上がり気味でこれぞ猫の目という感じです。丸い頭に大きな目で、キジトラには美猫が多い印象があります。
キジトラはオスもメスも多数いる
猫の毛色によっては、発現率がオスとメスでは違う場合があります。三毛猫はほとんどメスしか存在せず、茶トラはオスが多いです。キジトラにはどちらかが多いという傾向はなく、オスもメスも同じくらい存在します。
キジトラとサバトラの違い・見分け方
(上)キジトラ / (下)サバトラ
「サバトラ」は「キジトラ」から派生した猫のため、外見上も似ている特徴があります。
猫は雑交配でさまざまな遺伝子を受け継ぐため、キジトラ両親からサバトラが生まれることも珍しくありません。
黒い縞模様があるのはキジトラもサバトラも同じですが、キジトラの被毛の地色は茶色ですが、サバトラはグレーがベースです。
鼻の色もキジトラがくすんだピンク色なのに対し、サバトラはこげ茶や黒い鼻です。
キジトラのキャットフード
猫の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、猫も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の3点を気を付けていただくといいでしょう。
1. 総合栄養食を適量与える
猫が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。
総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。
※参照:「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(環境省)
2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
猫のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから猫のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。
実際に、市販のドライフードを製造する工程の1つである高温加熱処理が、タンパク質の品質劣化を招き、熱に弱いビタミンを破壊し、さらには発がん性物質を生成してしまうことが、研究により判明しています。
そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。ペトコトフーズもその一つで、子猫からシニア猫(老猫)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食で、主食としてもOKですし、トッピングとしてもご利用いただけます。
また、水分量が70%ほどあるので、尿の活性化で腎臓病予防としても機能します。実際に従来のドライタイプのキャットフードよりも、水分がより多く含まれたフレッシュフード等を食べている猫の方が尿路結石になるリスクが約50%下がることが研究により明らかになっています。新鮮で美味しく、健康なごはんを選ぶことが長生きできる秘訣です。
ペトコトフーズの公式HPを見る
キジトラの迎え方
キジトラは世界中に存在し、日本でも一番多く存在している猫です。そのため、保護されるキジトラは決して少なくありません。
キジトラはペットショップにおらず、ブリーダーも聞いたことはありません。キジトラを迎えるためには、保護猫の里親になることをオススメします。
保護され、里親を探している猫は雑種だけでなく、純血の猫も多くいます。PETOKOTO代表・大久保の愛犬コルクも、もともと足が内股という理由でペットショップの競り市で捨てられていた元保護犬でした。
ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」も、ぜひ覗いてみてください。
OMUSUBIで保護犬猫を探す
キジトラは猫の魅力満載
キジトラは決して珍しい猫ではありませんが「祖先の血を色濃く引き継いでいる」という点において貴重な存在です。
野生的な外見で、でもツンデレな甘えん坊。キジトラとの生活は、猫との暮らしを存分に味わえるでしょう。
獣医師相談のインスタライブ開催中!
ペトコトフーズのInstagramアカウント(@petokotofoods)では、獣医師やペット栄養管理士が出演する「食のお悩み相談会」を定期開催しています。愛猫 のごはんについて気になることがある方は、ぜひご参加ください。
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