
スコティッシュ・フォールドは愛らしい外見から人気の猫種ですが、発祥地であるスコットランドでは政府に繁殖を禁止するように呼びかける動きもあります。今回はスコティッシュ・フォールドの性格や立ち耳・折れ耳の割合、迎える方法などを紹介します。
スコティッシュフォールドの基礎知識
スコティッシュフォールドは英語で「Scottish Fold」と書きます。「スコットランドの」という意味の「Scottish」と「折れる」という意味の「fold」を組み合わせて名付けられました。
スコティッシュフォールドの歴史
スコティッシュフォールドの起源は、1961年にスコットランドの納屋で羊飼いに発見された「スージー」という名前の耳の折れた白猫です。スージーは他の猫と違って、耳が折れ曲がって生まれてきました。その後、遺伝学者パット・ターナーの手でスージーの子供の「スヌックス」と名付けられた耳折れの猫をペルシャやアメリカン・ショートヘアなどと交配を重ね、現在のスコティッシュ・フォールドの原型が誕生したのです。
スウェーデンの血統登録団体「FIFe」やイギリスの血統登録団体「GCC」は、「耳折れの特徴は劣性遺伝によるものではないか」と指摘しており、スコティッシュ・フォールドはいまだに純血種として認められていません。
スコットランド動物虐待防止協会(SSPCA)は、スコティッシュ・フォールドの繁殖を止めさせるようにスコットランド政府に呼び掛けをしています。
スコティッシュフォールドの体長・体重
スコティッシュフォールドの体長は約60cmです。平均体重はメスが2.5kg〜5kg、オスが3kg〜6kgです。基本的に、猫は1歳の頃の体重が適正な重さだといわれています。
健康に過ごせるように、こまめに体重をチェックをしましょう。
スコティッシュフォールドの寿命
スコティッシュフォールドの寿命は11〜13歳です。家猫の平均寿命が約15歳のため、比較的寿命は短めといえます。もちろん個体差はありますが、他の猫種に比べ、病気にかかりやすいことが原因と考えられています。
スコティッシュフォールドの毛色
スコティッシュ・フォールドにはさまざまな色や柄のバリエーションがあります。ホワイト
レッド
クリーム
ブルー
スコティッシュフォールドの性格
スコティッシュフォールドは探索好きで飼い主に忠誠心が高い性格の持ち主。家の中では飼い主さんの側にいたり、部屋の隅々までついてきたりします。とても賢い猫なので、飼い主さんをじっと観察して扉の開け方を覚えたり、トレーニングさえすれば、犬のようにおもちゃを投げたら持ってきてくれたりすることができます。
スコティッシュフォールドの特徴
スコティッシュフォールドは、ずんぐりとした体やまんまるな目と輪郭が特徴的です。耳が折れていることが、スコティッシュフォールドの特徴だと思われがちですが、実は耳折れの割合は全体の2割〜3割程度で、ほとんどのスコティッシュ・フォールドは、立ち耳です。
スコティッシュフォールドの耳折れは、遺伝子的な問題によって骨が十分に成長せず軟骨に変形が起こる「骨軟骨異形成症」という病気によるものです。
特徴的な座り方「スコ座り(おやじ座り)」
仰向けで足を投げ出しちょっとオマヌケな格好のポーズ。おやじ座りとも呼ばれ、スコティッシュフォールドでよく見られることから「スコ座り」として知られています。英語では「ブッダポジション(Buddha Position)」と呼ばれますが、さすがにおやじ座りと同じ呼び方というのは怒られそうですね。
しかし、なぜスコティッシュフォールドに多い座り方なのかは正確にはわかっていません。耳が折れる原因となる「骨軟骨異形成症」が関係しているのではないかと考えられています。
かわいらしいポーズではありますが、飼い主さんは「どこかが痛いせいで楽な姿勢としてそういったポーズをしているのではないか」という意識で見るようにしてあげてください。
スコティッシュフォールドとマンチカンの違い
Photo by tipa0212さん Thanks!
<顔の形>
スコティッシュフォールドは丸顔で鼻の幅が広めであることが特徴です。対してマンチカンは体に対して、顔の大きさの比重が高いことが特徴です。<尻尾>
スコティッシュフォールドは、尻尾が柔らかく、先に向かって細いことが特徴です。対してマンチカンの尻尾はカールせずに真っすぐ垂れていることが特徴です。スコティッシュフォールドのかかりやすい病気

猫は病気を隠す習性があり、飼い主が気付いた際には手遅れだったというケースが少なくありません。定期健診は怠らないようにしてください。
骨軟骨異形成症
骨軟骨異形成症は遺伝性の病気です。骨軟骨異形成症は耳だけでなく、手足や足首、尻尾にまで発症する可能性があります。骨軟骨異形成症の痛みの程度は猫によってさまざまですが、足首に発症すると痛みのせいであまり動かなくなる猫もいます。
オーストラリアの獣医学会誌『VETERINARY JOURNAL』によると、5カ月〜6歳までのスコティッシュ・フォールド6匹(4匹の去勢されたオス、2頭の避妊されたメス)を調査したところ、全員の手足に妙な腫れや尻尾が自由に曲がらないなどの骨格異常やその兆候が現れたそうです。
別の症例においては、骨瘤と呼ばれるコブのようなものがかかとにできてしまい、歩行が困難になってしまった子もいるそうです。
「立ち耳のスコティッシュフォールド」と「折れ耳のスコティッシュフォールド」を交配させたとしても、1/3の割合で折れ耳、2/3の割合で立ち耳のスコティッシュ・フォールドが生まれてきます。
つまり愛猫が立ち耳でも、親は折れ耳である可能性は十分にあるのです。立ち耳で骨軟骨異形成症が耳に発症していなかったとしても、他の手足や尻尾などに症状が現れる恐れは十分にあります。
骨の変形そのものを正常にする治療法はありませんが、鎮痛剤などを用いて痛みを抑えてあげることは可能です。びっこを引いて歩いていたり、関節が腫れているようにみえたり場合はすぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。
外耳炎
折れ耳のスコティッシュフォールドに発症しやすい外耳炎は、耳の中で細菌が繁殖する病気です。折れ耳の中は蒸れやすいため、細菌が繁殖しやすい環境となりがちです。
耳折れスコティッシュフォールドには二週間に一度、ウェットティッシュで軽く耳周りを拭いてあげるなどして常に清潔に保ってあげましょう。
泌尿器疾患
おしっこの病気が猫に一番多い病気です。多飲多尿でないか、尿の回数は少なくなっていないかなど、こまめにチェックしてあげてください。スコティッシュフォールドの迎え方

一度家族に迎えたら、子猫から老猫になっても大切に、命に責任を持ちましょう。
白髪も生えれば、病気にもかかるかもしれません。お金がかかるのは家族に迎える時だけではないことを踏まえ、もう一度考えた上で迎えることを検討してください。
保護猫から迎える

保護され、里親を探している猫は雑種だけでなく、純血の猫も多くいます。PETOKOTO代表・大久保の愛犬コルクも、もともと足が内股という理由でペットショップの競り市で捨てられていた元保護犬でした。
ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」も、ぜひ覗いてみてください。
ブリーダーから迎える
スコティッシュフォールドにはさまざまなカラーバリエーションがありますので、希望のカラーがある方はブリーダーさんから探してみると見つかるかもしれません。スコティッシュフォールドは遺伝性疾患が多く出ているため、飼育環境やどのような交配が行われ、生まれてきたのかの確認をしましょう。
ペットショップから迎える
ペットショップでは生後2~3カ月ごろの販売が多く、4カ月を過ぎてくると値段がだんだんと下がってくることがほとんどです。ブリーダー同様、どのような交配が行われ、生まれたのかの確認が必要です。
月齢やペットショップによって大きく異なりますが、スコティッシュフォールドの一般的な価格の相場は10~40万円ほどです。
スコティッシュフォールドを迎える前に理解を
その理由は、耳が折れている理由が骨軟骨異形成症を引き起こす遺伝子に起因するためです。
スコティッシュフォールドに限らず、猫は「可愛いから」という理由だけでなく、きちんと一生お世話をするということを再確認してから家に迎えましょう。
キャットフードの選び方はどうする?
猫の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ばれる時代へと変わりました。私たちと同じように、猫も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはんを選ぶ際は、次の3つのポイントを意識するとよいでしょう。
1. 総合栄養食を適量与える
猫が必要とする栄養は人間とは異なります。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけを与えていると、栄養が偏って体調を崩す原因になります。そのため、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。
また、総合栄養食を与えていても量が適切でなければ健康を損なうことがあります。少なければ痩せ、多ければ太ってしまうため、パッケージに記載された目安量を参考にしつつ、ボディ・コンディション・スコア(BCS)で「3」の理想体型を維持できる量を与えることが大切です。
2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
猫のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い粒を思い浮かべる方も多いと思いますが、これは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存性が高く食いつきも良いため一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が損なわれ、添加物も多く含まれることから、近年では見直しが進んでいます。
実際に、市販のドライフード製造工程の1つである高温加熱処理がタンパク質の品質を劣化させ、熱に弱いビタミンを破壊し、発がん性物質を生成してしまうことが、研究により判明しています。
そこで注目されているのが、素材本来の旨味や香りを楽しめ、余計な添加物を含まない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。
フレッシュフードは水分量も豊富で、尿の排出を促し腎臓病予防にもつながります。従来のドライタイプのキャットフードよりも水分量の多いフレッシュフードなどを食べている猫は、尿路結石のリスクが約50%低下することが研究で明らかになっています。
新鮮で美味しく、健康を支えるごはんを選ぶことが、愛猫が長生きする秘訣です。
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