【獣医師執筆】犬がポテチを食べるのはNG!理由や食べた場合の対処法を解説
食べだしたら止まらなくなってしまうおやつの代表「ポテチ」(ポテトチップス)。定番のコンソメ味や、のりしお、人気のオニオンパウダーが降られたものなどさまざまな味や種類があります。ポテチはじゃがいもだから犬も食べて大丈夫と思う方もいるかもしれませんが、人用に作られたポテチは、たとえうす塩味だとしても犬にとっては塩分過多の原因になるほか、味によっては中毒成分が含まれ、危険な症状が出てしまうこともあります。
犬に市販のポテチ(ポテトチップス)は与えてはいけない
ポテトチップスはじゃがいもを薄くスライスして油で揚げ、塩などで味付けした老若男女に愛されるお菓子です。
蒸したものや乾燥させたものなど、油で揚げず、味付けもされていない野菜そのものをチップスにしたものであれば犬が食べても大丈夫です。
しかし人向けのポテトチップスは犬には与えないほうが良いでしょう。万一、間違って食べてしまったときは以下の3つに注意してください。
- 塩分過多
- アレルギー
- 玉ねぎなど中毒成分
1. 塩分に注意
さまざまな味があるポテチですが、その代表格といえば「塩」味です。塩味と書いていなくても、多くの商品が塩を使って味付けをしています。
誤ってごく少量のポテチを食べてしまったことで急激な血圧の変化などを心配する必要はありませんが、犬にとって塩分が多いことは事実です。
塩分過多は塩中毒を引き起こす危険性がありますし、過剰摂取による血漿(けっしょう)高カリウム濃度が続くと犬の場合は心疾患、心不全につながる恐れがあります。
参考文献
・三品美夏、渡辺俊文『正常犬・猫の高ナトリウム摂取における血圧および飲水量の変動』(日本小動物獣医学会誌)
・小山秀一『犬および猫における水およびナトリウムの調節機構』(動物臨床医学)
・『ペット栄養管理学テキストブック』(日本ペット栄養学会)
2. アレルギーに注意
アレルギーと一口に言っても、生まれつきの体質による先天性のアレルギーと、長い期間同じ食材を食べて発症してしまう後天性のアレルギーがあります。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。- 下痢
- 嘔吐
- 肌をかゆがる
- 目の充血
食物性アレルギーの場合、原因となるものを取り除いてあげれば問題ありませんが、アレルギーは摂取後すぐに症状が現れる訳ではなく1カ月後という場合もあります。
誤って食べてしまった際には愛犬の様子をよく観察し、気になる症状があればすぐに動物病院を受診してください。
その際「いつ」「何を」「どれだけ食べたか」を伝えられるようにしておくと診察がスムーズになります。また、残りのポテチやパッケージを持参すると尚良いでしょう。
3. 玉ねぎなど中毒成分に注意
例えばオニオン味など、犬にとって危険な玉ねぎ成分が含まれるものもあります。ポテチの代表的な味であるコンソメ味にも、オニオンパウダーが使用されていることがあります。犬にとって玉ねぎはとても危険な食材です。誤って犬が食べてしまった場合、嘔吐や発熱、貧血など玉ねぎ中毒を起こしてしまうかもしれません。
玉ねぎに限らず、人が食べても大丈夫なものでも犬にとっては危険な食べ物もあります。人向けの食べ物は犬にとってリスクがあることを忘れてはいけません。
間違って愛犬が食べてしまった場合は、どんな成分が入っていたかをよく確認し、中毒成分が入っていた場合は、速やかに動物病院に相談しましょう。
犬には犬用チップスを
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まとめ
犬に人用ポテチは与えないで
人用ポテチには塩がたくさん使われている
塩分過多は塩中毒や心疾患、心不全につながる恐れがある
犬によってはアレルギーを発症する可能性もある
中毒症状を引き起こす玉ねぎなど危険な食材が使われていることも
犬には犬用チップスをあげましょう
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