犬がついてくる理由は?家の中で飼い主にずっとついてくる心理や対策をすべきかなどを解説
愛犬が家の中でずっとついてくることはありますか?飼い主さんの後をついてくるのはかわいい行動ですが、対策をすべき問題であったり、分離不安の症状だったりすることも。今回は犬が後をついてくる理由や後追いしやすい年齢層、分離不安の対策などについて紹介します。
犬が飼い主の後をついてくる理由
群れで行動する習性が残っている
犬はそもそも群れで行動する動物です。それは犬が人と共に暮らす前からの習性であり、現在も強く残っています。犬同士ではなくても、飼い主家族を群れとし「共に行動したい」という欲求は少なからずあるはずです。
楽しいことを期待している
飼い主と一緒にいる時間は「楽しいことがある」と思っている犬も多いでしょう。犬はいつも一緒に遊んでくれたり、散歩に行ったり、美味しいおやつをくれる人のことが大好きです。何か楽しいことが起こることを期待し、後をついてくる犬もいます。
飼い主への信頼と愛情
犬にとって飼い主さんは信頼できる存在です。そばにいると安心でき、好きだからこそ一緒にいたいという思いから、ついてきていると考えられます。要求がある
「お腹空いた」「散歩に行きたい」「遊んでほしい」「構ってほしい」といった要求がある場合、飼い主さんの後をついてくることがあります。分離不安によるもの
飼い主さんが大好きで、飼い主さんがいないと、不安な気持ちになる状態を指します。飼い主さんを大好きなことはとても良いことですが「離れることができない」のは、人と暮らす上で大きな問題のため、早めに対策しましょう。
犬がついてくる場合に対策が必要・不要なパターン
犬が家の中でずっと飼い主についてくる行動に対して対策をするかどうかは、行動の原因と犬の生活環境によって異なります。以下に、対策が必要・不要な場合と、必要な対策方法を説明します。
【対策は不要】軽い好奇心や愛着からついてきている場合
犬が軽い好奇心や愛情からついてくる場合は、特に大きな問題はないことが多いです。これは、犬が飼い主と過ごす時間を楽しんでいるだけのことが多いため、特に対策を取る必要はありません。【対策は不要】健康上の問題がない場合
健康に問題がなく、特に強い不安やストレスのサインがない場合は、犬の自然な行動として受け入れても良いでしょう。【対策が必要】飼い主に過度に依存している場合
飼い主に常に依存していると、犬が自立できず、飼い主がいないと不安を感じやすくなります。この場合、犬が自立して過ごせるようにするためのトレーニングが有効です。まず、ご褒美を使って自立を促す方法があります。犬が静かに過ごしているときにご褒美を与えることで、飼い主から離れて過ごすことにポジティブなイメージを持たせることができます。
また、徐々に一人の時間を増やすことも効果的です。最初は短い時間から始め、少しずつ犬を一人で過ごさせる時間を延ばしていきましょう。飼い主がいなくても安心して過ごせるようになるためには、段階的に慣れさせることが大切です。
【対策が必要】犬が退屈している場合
犬が退屈しているために飼い主についてきている場合、十分な運動や刺激が提供されていない可能性があります。犬が退屈を感じていると、ストレスが溜まり、他の問題行動が現れることもあります。そのため、十分な運動を確保するようにしましょう。散歩や遊びの時間を増やし、犬のエネルギーを発散させてください。特にエネルギッシュな犬種や若い犬は、たくさんの運動が必要です。
また、知的刺激を提供することも大切です。知育玩具や新しい遊びを取り入れて、犬が精神的にも満足できるようにしましょう。
【対策が必要】分離不安が原因の場合
ストーカー、後追い行動が過剰で、飼い主さんの姿が見えなくなると落ち着きがなく、鳴いたり吠えたりする場合は分離不安の可能性も考えられます。その状態を放っておくと、犬が自傷行動に出たり、パニックを起こしたり、粗相をしたりなど、問題行動へと発展します。また、精神的ストレスにより別の病気を併発することもあり、飼い主さん自身もお留守番をさせることへの不安や罪悪感などからノイローゼになる恐れもあるため、早めに対策を取りましょう。
なお、分離不安の対策はできますが、愛犬の気質や家の環境によってもトレーニングの方法は変わるため、それぞれに合った方法を取らないと、逆効果になる恐れがあります。
次の項目にて、分離不安の場合はどうするべきか説明します。
分離不安の場合はどうする?
【対策1】 クレートトレーニング
クレートを安心できる大好きな自分の部屋にすることで、飼い主と離れる不安な気持ちをかなり軽減できる可能性があります。「飼い主と離れること」「一人で過ごすこと」に慣れさせていくことが大切です。
クレートトレーニング手順
- 短時間でもクレートを利用し、飼い主と離れる時間を作る。可能であれば、お留守番も毎日短時間ずつさせていきましょう。
- 吠えている時は犬がいる部屋に戻らない。戻る時は吠え止んでる時が望ましいです。
- 離れたり戻ったりする時は、できるだけ落ち着いた状態で「待っててね」「ただいま」などの声掛けをする。
\One Point/
クレートで一人にさせる間は、飼い主の匂いのついた衣服やタオルなどを置いたり、嗜好性の高いおやつを使った知育オモチャ、長持ちするアキレスなどを用意すると、愛犬も安心しやすくオススメです。
【対策2】「待て」のトレーニング
「待て」のトレーニングは、直接的には分離不安へのトレーニングとはなりませんが、続けることで飼い主さんとの信頼関係も強くなり、愛犬に自信がつくことで、精神的にも安定していきます。「待て」のトレーニング方法
- 飼い主の足元にいる状態で「待て」をさせる。
- 少しずつ「待て」の時間を延ばし、飼い主もその場から離れるようにする。
- 徐々に飼い主が隠れても「待て」ができるよう、距離・時間を伸ばして練習する。
\One Point/
「待て」ができたら呼んで褒めるのではなく、愛犬が待ってるところまで戻ってから褒めてあげることがポイントです。
【対策3】薬やサプリメントを使う
重度の分離不安症の場合は獣医師指示のもと、投薬治療という手段があります。抗うつ薬の一種や、不安解消サプリメントなどの処方があるため、獣医師に相談の上、処方してもらいましょう。
分離不安についてオンライン相談をしてみる手も
獣医師やペット専門家に分離不安について相談する場合、まずはオンラインで相談してみる方法もあります。ペトコトではペトコト専属の獣医師によるオンライン相談サービスを行っています。
家にいながら気軽に獣医師に相談することができるサービスで、ビデオ通話を通じて獣医の適切なアドバイスを受けることができます。また、予防や未病の観点から、飼育環境や病院に行くべきかどうかに関する相談も、かかりつけ医だけではなく、セカンドオピニオンとして専門の獣医師に相談をすることができます。
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犬が後追いしやすい年齢
パピー(子犬)時期
子犬にとって飼い主さんは「親」に等しい存在です。自分を守り、愛情を注いでくれる飼い主さんの側にいたいと思うのは自然でしょう。また、子犬は見るものすべてに興味・関心があります。そのため、飼い主さんが歩くと動く「足」に興味があって追っているということも考えられます。
シニア犬(老犬)時期
シニア犬になると一段と甘えん坊になり、飼い主の側を離れたがらなくなる犬もいます。特に「耳が聞こえない」「目がよく見えない」などの老化の症状が出てきた後に多く見られる行動です。
まとめ
犬が飼い主さんを追うのは習性や愛情、要求などが関係している
子犬・老犬の場合は特に後追いが起こりやすい年齢
飼い主さんが見えなくなりパニックを起こしている場合は「分離不安」の可能性も
愛犬の気持ちを理解しようとすることで、愛犬・飼い主さんがお互いに、より楽しいペットライフを過ごせるのではないでしょうか。