【獣医師執筆】猫は七草粥を食べても大丈夫!効果や与える際の注意点をご紹介

【獣医師執筆】猫は七草粥を食べても大丈夫!効果や与える際の注意点をご紹介

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新年を迎え1月7日の朝食に食べる「七草粥」は、猫も食べて大丈夫です。1年間の無病息災と五穀豊穣を祈るために食べる物で、日本では長年続く風習の一つです。そんな七草粥を「家族の一員である猫にも食べさせたい……」と思う飼い主さんもいらっしゃるかと思います。猫に七草粥を与える場合の注意点を解説します。

猫は七草粥を食べても大丈夫

七草粥

基本的には猫に七草粥を与えても問題ありません。猫は肉食動物ですのでお米は主食に適しませんが、お粥は消化しやすい状態になっていますので、消化機能の高くない猫でも少量であれば与えることができます。七草粥には注意するべき点もありますので詳しく見ていきましょう。

猫が食べて大丈夫な七草粥とは?

七草粥

七草粥とは新年の無病息災と五穀豊穣を祈って、1月7日の朝食で食べるものです。年末年始は親戚や友人との集まりなどが多く、どうしても胃腸が疲れてしまうもの。そんな体をしっかりと休めてくれるのが、この七草粥なんです。名前からもわかるように7種類の野菜が使われており、どの野菜も栄養価の高いものとなっています。

春の七草とは?

七草粥

七草と言われている食材をご存じでしょうか。主に使われる食材は、芹(セリ)・薺(ナズナ)・御形(ゴギョウ)・ハコベラ・仏の座(ホトケノザ)・菘(スズナ)・蘿蔔(スズシロ)です。地域や家庭によっては異なる食材を入れるケースもあるようですが、基本的には上記のものを七草として総称しています。

セリ

春の七草 セリ

セリ科。整腸機能、食欲促進、利尿作用といった効果があります。

ナズナ

春の七草 ナズナ ぺんぺん草

アブラナ科。解毒、止血作用があるとされており、胃腸の不調やむくみにも効果があると言われています。

ゴギョウ

春の七草 オギョウ

キク科。オギョウとも呼ばれています。痰や咳といった喉の不調に効果があるとされています。

ハコベラ

春の七草 ハコベラ

ナデシコ科。胃炎症状に効果があるとされ、利尿作用のあるサポニン、止血作用のあるクマリンといった成分も含まれています。

ホトケノザ

七草粥 タビラコ
Photo by@yuki_semaさん Thanks!

シソ科。整腸機能があり、食欲を促進してくれます。

スズナ(カブ)

春の七草 カブ

アブラナ科。疲労回復の機能があるビタミンCや、むくみの改善に効果があるカリウムも含まれます。

スズシロ(大根)

春の七草 大根

大根も七草の一種です。アブラナ科で、疲労回復機能のあるビタミンCが多く、アミラーゼや食物繊維も含まれるため整腸機能やお通じの改善にも効果があります。


猫に七草粥を与える際の注意点

七草粥には猫が食べると命に危険が及ぶといった食材は含まれていません。またお粥はお米ですので、柔らかく炊いていることから消化することができます。しかし、与える際には下記の注意点があります。
  1. アレルギーに注意
  2. お米の与えすぎに注意
  3. 野菜の代用には注意
  4. 塩分の取りすぎに注意

  5. アレルギーに注意

    食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

    初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

    • 下痢
    • 嘔吐
    • 皮膚の痒み
    • 元気がない
    • 目の充血

    上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。


    お米の与えすぎに注意

    前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

    おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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    野菜の代用には注意

    人の場合、七草を他の野菜で代用する人もいるかと思います。その場合は猫が食べても大丈夫な野菜か確認する必要があります。例えば、ほうれん草や春菊などのアクが出る野菜はシュウ酸が含まれるため、食べすぎると尿路結石症を引き起こす危険性があります。代用する場合は、猫に与えて大丈夫な野菜なのか確認して与えましょう。


    塩分の取りすぎに注意

    七草粥はお腹に優しく本来味付けの少ない食べ物なので、塩を振ったり醤油をかけたり味付けして食べる方も多いと思います。しかし、味が濃いものは猫にとっては有害です。猫に与える際には塩を振らずに味付けなしの七草粥を与えるようにしましょう。

猫と七草粥は最低限に素敵なお正月を

お正月になると普段食べることの少ない縁起物が食卓に並び、猫が興味を示して誤飲してしまう可能性も高くなります。楽しく新年をスタートさせるためにも、猫の体調管理は注意したいですよね。猫が誤飲して体調を崩すことのないよう、与えるものには気をつけましょう。今年のお正月は、家族みんなで七草粥を食べて一年の健康をお祈りしてみてはいかがでしょうか。

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