【獣医師執筆】猫に餅を与えるのはNG!理由や食べた場合の対処法を解説
猫に餅を与えても大丈夫なのでしょうか? お雑煮やぜんざい、焼きもちなど日本人が大好きな餅。「せっかくなら」と愛猫に食べさせたくなるかもしれませんが、猫に餅を与えるのは危険です。餅そのものに毒性はありませんが、猫に与えるのが危険な理由を解説します。
猫に餅を与えるのはNG
餅の原材料は餅米です。そのため肉食動物の猫には、糖の消化や代謝能力が十分にありません。とはいえ、お米であれば、軟らかく炊いたものであれば消化することができます。そのため、餅そのものには猫にとっての中毒性はないのです。しかし、のどに詰まらせる可能性やアレルギーのリスクを考えると餅を猫に与えることをおすすめできません。
のどに詰まる可能性に注意
餅といえば、あのモチモチ&ネバネバした食感が特徴です。おいしさの要ではありますが、その一方で、噛み切りにくかったり飲みこみにくかったりするものです。年明けに、おもちをのどに詰まらせて亡くなった人のニュースを見たことがありませんか。実はこの餅をのどに詰まらせる可能性は人だけでなく、猫にもあることなのです。そのため、猫が餅を食べてしまうと喉や消化器官のどこかに詰まらせてしまう可能性があるのです。噛む力が弱くなってしまった老猫であれば、なおさら危険です。アレルギーに注意
食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚の痒み
- 元気がない
- 目の充血
上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。
猫には餅の袋に同封される脱酸素剤にも注意
最近では、自宅で餅を作るのではなく、市販品を購入してくる家庭も多くあります。市販の餅の場合、傷みにくいように脱酸素剤とともに袋で包装されていますが、猫の中にはその袋や脱酸素剤とともに餅を食べる悪戯をしてしまうこともあるようです。もしこれらを猫が誤食してしまったら、獣医師に相談することをおすすめします。また年末年始は動物病院がお休みしていることも多いので、緊急の連絡先や医療機関を普段から控えておくようにしましょう。
猫はお餅を使っているお正月料理にも注意を
お正月にはきなこ餅やあんこ餅・大福など、人はお餅をさまざまな方法で味付けして食べます。人用に味付けしてあるものは、糖分や塩分の過剰摂取になり猫にとって危険です。
きなこの原材料は大豆、あんこの原材料は小豆です。大豆・小豆の成分は猫にとって害はありませんが、どちらもたくさんの糖分が含まれるので、肥満や糖尿病のリスクが高まります。人用の餅料理を食べさせないように注意しましょう。
餅そのものに毒性はないけれど、猫に餅は与えないで
のどに詰まらせる可能性はもちろん、本来、肉食動物であるという猫の修正を考えると猫に餅を与える必要はありません。とはいえ、目を離した隙にいつの間にか猫が餅を食べてしまったということもあるかもしれません。もし誤って猫が餅を食べてしまった場合は、普段と変わったことがないかしばらく様子をみるようにしてください。
また餅そのものに危険はなくても、雑煮や焼き餅には、餅とともにあんこや野菜などの食材を組み合わせて調理したものもあります。人用に味付けされたものは、糖分や塩分の過剰摂取につながったり、餅と一緒に猫にとって中毒性がある食材までも食べてしまったりすることもあるかもしれません。猫にとって危険な食材を食べてしまった場合は、速やかに獣医師に相談し、指示を仰いでください。
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