【獣医師執筆】犬は鯛を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説
正月のお祝いごとの主役となることが多い食材「鯛」。白身で淡白な味の鯛は、刺し身や塩焼き、煮つけなどさまざまな食べ方ができる魚です。犬が食べても大丈夫な食材ですが、与える際は注意点もあります。そこで鯛を食べさせるメリットとともに、注意点を紹介します。
犬が食べて大丈夫な鯛の栄養成分
たんぱく質
たんぱく質は、人間だけでなく犬にとっても、丈夫な体づくりのために必要な栄養です。たんぱく質は体内では生成されないため、食品から摂取する必要があります。たんぱく質は、アミノ酸に分解され、小腸から体内に吸収されるため、肉食動物の猫や、肉食動物に近い雑食性動物の犬にとって、エネルギー源とされています。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB3に分類される栄養素です。ナイアシンは、皮膚を乾燥から守るほか、脂肪をエネルギーに変換する役割があります。DHA・EPA
「DHA(ドコサヘキサエン酸)」「EPA(エイコサペンタエン酸)」は、海水魚の魚油に多く含まれる脂肪酸です。私たち人間の健康成分としても有名ですが、犬にとっても非常に大切な栄養成分で、網膜や神経組織の発達をサポートするといわれています。また、EPAは血液の流れを良くするため、心・腎機能をサポートしてくれます。タウリン
犬は猫とは異なり、体内でタウリンを作ることができるので必須アミノ酸ではありません。そのため意識して食事でとる必要はありませんが、年齢や体質によっては十分に体内で作り出せるとは限らないので、フードやサプリで摂取させることが一般的です。動脈硬化や貧血、視力低下などを予防する効果が期待されます。犬に鯛を与える際の注意点
01【犬に鯛を与える際の注意点】与え過ぎに注意
前提として、犬は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。
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02【犬に鯛を与える際の注意点】骨に注意
人間であれば多少の魚の骨は手で取り除いたり、噛み砕いて食べたりしてしまうと思います。しかし犬は「骨があったら取ろう」「よく噛んで食べよう」と心掛けてはくれません。特に鯛の骨は硬く鋭いため、勢いよく食べている時に口や喉を傷つけたり、胃腸に負担をかけてしまったりする恐れがあります。最悪の場合、食道や胃腸を傷つけ動物病院で治療が必要になってしまうこともありますので、骨は取り除いてから与えるようにしましょう。加熱して柔らかくした骨であればリスクは少なくなります。
03【犬に鯛を与える際の注意点】味付けはNG
さまざまな調理で食べられる鯛ですが、犬に与えるときは鯛めしなど人用に味付けしたものを与えないようにしてください。また塩焼きであれば塩分、煮つけであれば塩分に加えて糖分などの過剰摂取につながってしまい長期的にみると健康へのリスクもあるので与えないようにしてください。04【犬に鯛を与える際の注意点】アニサキス
お刺身にはアニサキス寄生虫(青虫)が寄生しているといわれています。アニサキスは魚介類の内臓に寄生し、鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動します。生の状態で食べることで、アニサキス寄生虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こし、激しい痛み・嘔吐・内臓疾患などを引き起こします。愛犬に魚をあげる場合は、刺身などではなく、加熱してから与えましょう。まとめ
乾燥を防ぐ、血液の流れを良くするなどの効果が期待できる
加熱して骨を取り除き、味付けしていないものを与える
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