犬がチョコレートを食べるのはNG!死亡例や致死量、誤飲した場合の応急処置を解説【獣医師監修】

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チョコレートは犬が食べてはいけない食べ物として有名です。クリスマスやバレンタインの時期は特に誤飲事故が増え、致死量は食べたチョコレートの種類や犬によって異なります。今回は犬がチョコレートを誤飲した場合の死亡例や致死量、応急処置について、獣医師の佐藤先生監修のもと解説していきます。

犬がチョコレートを食べてはいけない理由

板チョコレート

犬がチョコレートを食べると主にカカオに含まれる「テオブロミン」という成分が中枢神経、循環器系、腎臓などに影響を及ぼし、最悪の場合は死に至ります。犬と人では体の作りが異なりますので、「人が食べても大丈夫だから犬も大丈夫」と考えてはいけません。

チョコレートの誤飲による犬の死亡例

犬がチョコレートで死ぬのは嘘やデマだとする意見もありますが、アメリカでは実際に死亡事故が報告されています。体重約20kgのスプリンガースパニエルは、約900gのチョコレートを食べてしまい15時間に死亡しました。血液中のテオブロミンは高濃度だったことが確認されたそうです。

※参照:「Chocolate poisoning in the dog」(Journal of the American Animal Hospital Association)

なぜ犬は中毒を起こすのか

実は私たちもテオブロミンを大量に摂取すれば中毒症状を起こします。しかし肝臓での分解が早く、チョコをたくさん食べたからといって中毒症状を起こすことはありません(中毒を起こす前にお腹がいっぱいになってしまうか、別の問題が起きることでしょう)。

一方、犬はテオブロミンの分解速度が人より3倍かかるため、中毒症状を起こしてしまうのです(※1)。そのため少量でも継続して与えれば血液中のテオブロミン濃度が高くなり、中毒症状を起こす場合があります。

特に「高カカオ」のチョコは一般的なチョコに比べて4倍以上のテオブロミンが含まれているものもあるため要注意です(※2)。なお、ホワイトチョコにテオブロミンは含まれませんが、脂肪分や糖分が多いため与えないようにしましょう。

※参照1:「禁忌食(その2)—チョコレートとイヌ・ネコの健康」(ペット栄養学会誌)、※参照2:「高カカオをうたったチョコレート(結果報告)」(国民生活センター)


犬がチョコレートを食べた場合の致死量

犬は体重1kgあたり90〜100mgのテオブロミンを摂取すると中毒症状が出るとされています(※)。一般的なチョコレート100gに含まれるテオブロミンが250mgほどですので、体重1kgあたり25gほどのチョコレートを食べると危険ということになります。

体重5kgの小型犬なら125g、体重10kgの中型犬なら250gのチョコレートとなり、一般的な板チョコが60gほどですので、単純計算で小型犬は板チョコ2枚、中型犬は板チョコ4枚が危険となります。

ただし、高カカオを謳う商品では100gのチョコレートに1000mgのテオブロミンを含むものもありますので、その場合は板チョコ1枚以下でも中毒症状が出る可能性があります。

人の場合でもコーヒー1杯で眠れなくなったり、動悸がしたりする方がいますが、犬も同様に少量のチョコレートで中毒症状を起こす場合があります。安易に「食べた量が少ないから大丈夫」とは考えないようにしてください。

※参照:「動物看護のための小動物栄養学」(ファームプレス)

犬がチョコレートを食べた場合の症状

犬

テオブロミンは中枢神経、循環器系、腎臓などに影響を及ぼします。中毒症状は4〜15時間ほどで表れ、主に以下のような症状が見られます。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 動悸
  • 神経過敏
  • 興奮
  • 震え
  • 頻脈
  • 心拍障害
  • 昏睡
  • 痙攣
  • 突然死

軽度の血圧上昇が見られ、徐脈あるいは頻脈が生じ、不整脈が表れることがあります。症状が深刻になると痙攣、昏睡などが見られるようになり、最悪の場合は死に至ります。

※参照:「小動物の臨床栄養学 第5版」

犬がチョコレートを食べた場合の応急処置

眠るシーズー

飼い主さんが無理に吐かせるなどの処置をするとで重病化する恐れもあります。舐めたり小さなチョコを一粒食べたりした程度で問題になることはありませんが、板チョコや箱に入ったチョコを丸ごと食べてしまった場合は必ず動物病院に連絡して指示を受けてください。

食べた量が少なかったとしても、中毒を起こす量は体重や健康状態など犬ごとに変わります。いつもと違う様子が見られる場合は食べたチョコの種類と量を把握した上で、すぐに動物病院に連絡してください。獣医師が的確な判断をするため、飼い主さんの説明が重要です。

犬がチョコレートを食べてしまった場合の治療法

お手をする犬とチョコレート

テオブロミンに対して解毒剤は存在しないため、治療は催吐(さいと)させる対症療法が基本となります。ただ、チョコレートは溶けると「粘着性」を持つため、嘔吐してもなかなか容易に除去できません。

活性炭はテオブロミンの半減期を短縮させるとされ、活性炭と塩類下剤は4〜6時間ごとに必要に応じて投与します。振戦、不安および痙攣のコントロールには「ジアゼバム」、徐脈に対しては「アトロピン」、頻脈には「リドカイン」や「メトプロロール」「プロプラノロール」を投与する場合があります。

膀胱粘膜からのテオブロミンの再吸収を阻止するため、膀胱に尿カテーテルを挿入しておくこともあるとされています。支持療法として輸液も行います。

催吐は食べてから数時間(4〜6時間)経過していても効果的とされていますが、難しい場合は胃洗浄を行います。冷水や氷水を用いると、チョコレートの排除を悪化させてしまうため、温水を用いた胃洗浄が溶けたチョコレートを胃から除去する助けとなります。

そのほか、症状に応じて以下のような処置を行います。

  • 必要なら気道の確保と換気
  • 酸素吸入
  • 静脈の確保
  • 発熱があればその治療
  • 心電図をモニターし、心調律不整があればその治療

犬はチョコレートケーキ・ドーナツも食べるのもダメ?

チョコレートケーキ

テオブロミンが入っている以上、チョコレートケーキやチョコレートドーナッツ、チョコレートシロップも食べさせてはいけません。ただ、前述した通り、中毒の危険度に関してはチョコレートの種類と量により、クリーム成分なども入っていますので一般的な板チョコよりは危険度は低いと考えられます。

しかし、どれだけのチョコレートで中毒症状を起こすかは犬によって異なります。また人の食べ物には犬に過剰な糖分や塩分、脂肪分、チョコ以外にも犬にとって有害な成分が含まれている可能性があります。誤飲に気をつけるとともに、愛犬が欲しがっているからといって与えるのはやめましょう。

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チョコレートの誤飲に注意すべき犬の特徴

伏せるフレンチブルドッグ

誤飲事故は、どんな犬でも注意すべきことではありますが、年齢や犬種によって起こる確率が変わってきます。

アニコムが保険契約をしていた犬で発生した誤飲事故を年齢別に調査したところ、0歳が4.4%、1歳が2.5%、2歳が1.8%、3~10歳はそれぞれの年齢で1.5%以下だったことがわかりました(※1)。イギリスで行われた調査でも、4歳未満の若い犬でチョコレートの誤飲が最も多く、次いで中年の成犬(4歳以上8歳未満)、8歳以上のシニア犬という結果になりました(※2)

若い犬ほど好奇心が強く、チョコレートの誤飲事故が起こりやすいといえるでしょう。


誤飲に注意すべき犬種

年齢だけでなく、犬種ごとに好奇心の違いで誤飲の発生に差があるようです。先ほどのアニコムの調査によると、契約頭数の多い上位17犬種の0歳の犬を対象に調査したところ以下の犬種は平均の4.4%よりも高い傾向にありました。

  1. フレンチブルドッグ:7.1%
  2. ゴールデンレトリーバー:6.8%
  3. キャバリア:6.0%
  4. パピヨン:5.5%
  5. ラブラドールレトリーバー:5.3%
  6. トイプードル:4.5%

これらの犬種は、特に注意するようにしましょう。もちろん犬によって性格が異なりますので、該当しなかったからといって安心していいわけではありません。

クリスマス・バレンタインは誤飲事故に注意

ホワイトチョコレート

アニコム損害保険が獣医師172人に誤飲事故の聞き取り調査をしたところ、死亡例として多かったのは、観賞用ユリの12件に次いで、チョコレートが9件、ネギ類が4件と続いたそうです(※)

クリスマスやバレンタインなどのイベント時期は、身近にチョコレートが置かれることが多くなりますので特に注意が必要です。お正月など来客が多い時期も、危険性を知らない人がが間違って与えてしまうかもしれません。飼い主さんが注意して事故を防ぐようにしましょう。



犬にチョコはNG。異変がある場合は動物病院へ

チョコレートマカロン
犬はチョコに含まれるテオブロミンの分解が遅いため中毒を起こしやすい
数時間から半日ほどで中枢神経、循環器系、腎臓などに影響を及ぼす
目安として体重1kgあたり25gほどのチョコレートを食べると危険
大切なことは、犬がチョコレート食べられる環境を作らないことです。テーブルの上に放置しない、家族で危険性を共有するといったことを行い、犬がチョコレートを誤飲しない環境を作るようにしましょう。

参考文献

この記事を監修している専門家

佐藤貴紀獣医師

目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC院長。獣医循環器学会認定医

佐藤貴紀獣医師

麻布大学獣医学部卒業後、2007年dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長に就任。2008年FORPETS 代表取締役 兼 白金高輪動物病院院長に就任。2010年獣医循環器学会認定医取得。2011年中央アニマルクリニックを附属病院として設立し、総院長に就任(現在は顧問獣医師)。2017年JVCCに参画し、取締役に就任。子会社JVCC動物病院グループ株式会社代表取締役を兼任。2019年WOLVES Hand 取締役 兼 目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC院長。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。


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