犬にとってユリ科の植物は危険! 中毒症状の原因と対処法【獣医師監修】
犬にとってユリは危険な植物です。誤って口にした場合、嘔吐や心不全などを起こす可能性があります。ユリ科は種類が多く、有毒種や原因など明確になっていないことが多くあります。今回はユリの危険性や誤食した場合の対処法などを、獣医師監修のもと紹介します。
この記事を監修した専門家
獣医循環器学会認定医
佐藤 貴紀獣医師
目黒アニマルメディカルセンター/MAMeCの顧問獣医師。獣医循環器学会認定医。専門学校ビジョナリーアーツ ペット学科非常勤講師。麻布大学獣医学部卒業。dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長、白金高輪動物病院院長を経て2011年、中央アニマルクリニックを附属病院として設立し、総院長に就任(現在は顧問獣医師)。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。
犬がユリを口にした場合の危険性
犬がユリを口にした場合、主に「嘔吐」や「食欲不振」「沈うつ」「腎不全」が生じ、他に「発作」「多飲多尿」などが生じます。
通常は2〜6時間で症状が出現し、腎不全は3日以内に起こす可能性があります。猫に比べれば犬の緊急性は低いとされていますが、犬にとっても危険な植物であるには変わりはありません。
ユリを食べた時の対処法
病院に行く前に
的確な診断のためには、飼い主が正しく説明する必要があります。可能な限り、ユリの種類の特定と摂取経路を明らかにしておきましょう。その上で、動物病院へ連絡し、食べ残したものをもって行きましょう。また、致死摂取量は体重や状態によって変わるため、少しでも食べた場合は念のため動物病院に電話することを推奨しています。
動物病院での主な治療法
解毒剤となる特効薬はありません。一般的に、すぐに催吐処置をするか、胃洗浄し、毒素を吸着することを目的とした活性炭を投与しなければいけません。そして、腎不全により命の危険性もあるため、積極的に静脈内輸液をし、腎機能のモニター(血液検査)を3日間くらいは行う必要があります。その他、症状に応じた対症療法となります
飼い主さんが無理に吐かせようとすると重症化する恐れがありますので、必ず獣医師の指示に従ってください。腎不全の症状が出てしまうと死亡率が高くなります。もっとも大事なことは、早期に対処することです。
まとめ
ユリは犬にとって危険な植物
腎不全の症状が出ると致死率が高くなります
ユリを口にした場合はすぐに動物病院へ
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