【獣医師監修】犬はうなぎ(蒲焼き・白焼き)を食べても大丈夫?骨や肝など与え方の注意点を解説

【獣医師監修】犬はうなぎ(蒲焼き・白焼き)を食べても大丈夫?骨や肝など与え方の注意点を解説

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うなぎは犬にとって栄養価が高く、滋養強壮に良い食べ物です。ただし、味付けされているうなぎは余分な塩分や糖分を取る必要があったり、アレルギーの危険性があったりするなど、犬にうなぎを与える際に注意すべき点がいくつかあります。今回はうなぎの適切な与え方や、与える際の注意点、うなぎを使ったおやつなどを紹介します。

犬がうなぎを食べても良い理由

うなぎの白焼き

犬にうなぎを与えても問題ありません。うなぎは動物性たんぱく質が摂れるだけでなく、カルシウムやビタミン、オメガ3脂肪酸などが豊富で、犬の滋養強壮にも役立つとされています。

ただし、与える際にはいくつか注意点もあります(※詳細は後述)。

うなぎに含まれる主な栄養素

うな重の写真

ビタミンA(レチノール)

うなぎは魚類の中でも特にビタミンAが豊富で、白内障の予防や角膜の健康維持に重要です。また、皮膚や被毛の健康維持にも効果があります。

ビタミンB群

疲労回復や脳の活性化、代謝促進に役立つ栄養素です。肥満防止にもつながります。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助けるビタミンで、骨の健康や骨折予防に重要です。

ビタミンE

強い抗酸化作用があり、老化や免疫力の低下を防ぐ効果が期待されます。

DHA・EPA

神経や網膜の健康を支えるDHAとEPAが豊富に含まれています。EPAは血流改善や腎臓病の予防にも関与するとされています。

犬へのうなぎの与え方と注意点

うなぎの写真

生のうなぎは与えず、必ず加熱する

うなぎの血液に含まれる「イクチオヘモトキシン」という成分は中毒症状を引き起こす可能性があります。加熱することで無毒化されるため、必ず火を通してから与えましょう。

タレ付きのものは与えない

タレのついた蒲焼きには塩分や糖分が多く含まれており、犬には不向きです。味付けされていない白焼きが適しています。

目立つ骨は必ず抜いて刻んで与える

喉に骨が引っかかると危険なので、目立つ骨は取り除き、細かく刻んで与えるのがおすすめです。特に子犬、シニア犬、小型犬は注意が必要です。

また、総合栄養食を基本にし、うなぎは補助的に与える程度にとどめましょう。

頭や肝など内臓部分は注意が必要

頭や肝などの部位は栄養価が高い反面、脂質が多く過剰摂取はよくありません。与える際は加熱し、少量にとどめるのが安心です。

うなぎパイなど人間用の加工食品はNG

うなぎを使ったお菓子や加工品(例:うなぎパイ)は、塩分や糖分が多く、犬には不適切です。中毒の心配は少ないものの、健康上よくありません。

アレルギーに注意

初めてうなぎを与える場合は、少量からスタートし、以下のような異変がないか観察しましょう。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 体の震え
  • 元気がない

上記のような症状が見られた場合は、すぐに動物病院へ。与えた量や調理法を伝えることで適切な対応が可能になります。

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与え過ぎは肥満の原因に

うなぎは栄養価が高い一方で、脂質も多く含まれているため、与えすぎると肥満の原因になります。肥満は関節や心臓への負担、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高める可能性があるため注意が必要です。

総合栄養食にトッピングしたり、おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内を目安にしてください。最適カロリー量は、ペトコトオリジナルのフード診断を利用すれば簡単に計算できます。

うなぎを使った犬用おやつ

健康に良いうなぎを手軽に愛犬に食べさせたい!」「土用の丑の日に一緒にうなぎを楽しみたい!」そんなときは、うなぎを使った犬用おやつがおすすめです。犬が食べやすい形や味になっているため、安心して与えることができます。

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まとめ

仰向けの犬
うなぎの表面をさっと水で洗うか、湯がいてから与えましょう
一切れ、二切れ程度で十分
子犬・老犬の場合は目立つ骨を取り除きましょう
生で与えるのはNG
与え過ぎは肥満の原因に

糖分や塩分には注意が必要ですが、うなぎは犬にとって健康に良い食品です。土用の丑の日には、家族みんなで楽しみながら、愛犬にも少しだけおすそ分けしてあげましょう。

参考文献

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ニック ケイブ先生
監修:ニック・ケイブ(Nick Cave)獣医師
ニュージーランド・マッセー大学獣医学部准教授、米国獣医栄養学専門医
マッセー大学獣医学部小動物内科にて一般診療に従事した後、2000年に獣医学修士を取得(卒業論文は『食物アレルギーの犬と猫の栄養管理』)。
2004年よりカリフォルニア大学デービス校で栄養学と免疫学の博士号を取得し、小動物学臨床栄養の研修を修了。同年、米国獣医師栄養学会より米国獣医栄養学専門医に認定。
2005年より小動物医学および栄養学の准教授、獣医栄養学の専門医としてマッセー大学に戻る。家族、2匹の犬、猫、そしてヤモリと暮らしている。