【トレーナー解説】犬が掃除機に吠える・怖がる4つの理由と対策を解説

【トレーナー解説】犬が掃除機に吠える・怖がる4つの理由と対策を解説

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愛犬が「掃除機をかけると、怖がる・吠える(怒る)」という話はよく耳にします。吠えるだけでなく、パニックになる、噛み付く場合は早めの対策が必要です。犬にとって掃除機はあまり好きなものではなく、ストレスがかかる可能性が高いものです。今回は、犬が掃除機を怖がる理由や、おすすめな克服方法を紹介します。

犬は掃除機が好き?

ソファの上にいる犬

大半の犬は掃除機が苦手

「掃除機が好き」という犬もいますが、犬の大半は掃除機が苦手です。

「愛犬が掃除機が嫌い」なことは、珍しいことではありません。

怖がり方もさまざま

以下は掃除機に対する恐怖心から犬が取る行動です。下にいくほどに強いストレスがかかっています。

  • 家具などの下に隠れる
  • ケージに避難する
  • 落ち着きがなくなりうろうろする
  • 掃除機から逃げ回る
  • 掃除機に対して吠える
  • 掃除機にかみつく
  • 震える
  • 粗相してしまう

あまりに怖がるときは、掃除機の使用を控えるなどの対策が必要です。

犬が掃除機を怖がる理由

掃除機

01 犬の聴力は人間の4倍

犬の聴力は、人間と比較すると4倍以上も優れているといわれています。よく聞こえるうえに、人間に聞こえない音域までも聞き取ることができるのです。

人間の耳が聞き取ることができるのは2万Hzまでですが、犬は5万Hzまで聞き取ることができます。

02 騒々しい音が苦手

犬は野生で暮らしていたとき「獲物となる動物の動きを聞き取ること」「守るべき子犬たちの声を聞き取る」ために高音域の音を人間以上に敏感に聞くことができます

そのため、犬は男性の声よりも女性の声を好むなど、高い音を好む傾向があるのですが、反対に掃除機やドライヤーの音、工事現場の音など、騒々しい音を苦手とします。

03 原因が分からないから怖い

人間はなぜその音が発しているのか理解できますが、犬はなぜその轟音にさらされなければならないのか、なぜその音がするのかを理解できません

原因が分からないものには、不安を感じます。そういう点からも、犬は掃除機の音に対して恐怖感や不快感を抱くのです。

04 性格や育った環境が影響

掃除機に攻撃的になったり、怖さのあまりパニックになったりといった、少し過剰な反応を示す場合、もともとの性格や育った環境が強く影響していることが考えられます。

性格が臆病な犬や、騒々しい音を聞いたときに何か嫌なことがあった犬であれば、不快な音を立てる掃除機に対しての恐怖は大きいでしょう。

犬が掃除機が嫌いな理由は、耳の能力のほかに、個性にもよるものといえます。

犬の掃除機嫌いの克服方法

布団に隠れる犬

掃除機に慣れさせる

掃除機の存在に慣れていない場合は、まずは音の元である掃除機に慣れさせるところから始めましよう。

いきなり掃除機で掃除をするのではなく、部屋に置いておくことから始めてください。

掃除機の存在に慣れたら、1秒~2秒のごく短い時間、掃除機の音を聴かせます

大人しく聞けたら褒めてあげましょう。

初めて掃除機の音を聴くと、たった1秒でも吠える可能性があります。「吠えたら落ち着かせ、落ち着いたら褒める」ことを繰り返しましょう。

\One Point!/
うまくいかないときは、音を聴かせるときにまず隣の部屋などで音を出してみても良いでしょう。近くでの轟音でなければ、不信感を抱いたとしても、恐怖心はそれほどでもないはずです。

まずは、掃除機の音に慣れさせることから始めてみてください。

掃除機の使用は短時間にする

掃除機を使ったほうが掃除しやすい場所のみ、掃除機をかけるようにして、ほうきやお掃除シートを活用することで、愛犬のストレスを感じさせる時間を減らすことも一つの手です。

立体吸着型のシートを使用すると、毛やほこりをしっかり取れ、掃除機のようにほこりを舞い上がらせるということもありません。

音が小さい掃除機を使用する

音が小さい掃除機というものはなかなかありませんが、ロボット掃除機は比較的音が小さく、あまり怖がらない犬も多いようです。

避難場所を用意しておく

掃除機が怖くてどこかに隠れたくなる子には、安心できる場所を用意しておきましょう。

犬は室内飼育をしていても、ケージやサークルなど、犬が安心して過ごせる場所を普段から用意しておいたほうが良いです。

犬が落ち着いて過ごせる場所に、柔らかい毛布などを敷いて犬が快適に過ごせるようにしておくといいですね。「ここにいれば安心」と思える場所があることで、ストレスが軽減します。



掃除機をかけたらごほうび

掃除機が苦手なわんちゃんであれば、掃除機をかけ終えたらごほうびをあげるようにすると「掃除機をかける=ごほうびをもらえる」と認識し、苦手意識が薄れます。

吠えたり噛んだりする犬が、問題行動を起こさずにお掃除を終えることができたら、ごほうびだけでなく、大いに褒めてあげてください。

当たり前にできるように見えても、褒めるのを忘れないでください。「飼い主さんが喜んでくれるから犬は我慢している」ということを、忘れないようにしましょう。

まとめ

トイプードルの子犬

掃除機が嫌いになるかどうかは、性格や育った環境が影響する
犬の聴力は人間の約4倍もあるため、騒々しい音を嫌う傾向がある
少しずつ慣れさせることで、掃除機嫌いをある程度克服することは可能

掃除機嫌いは訓練次第である程度克服することができます。また、できなかったとしても、お掃除シートなどでかなり代用できます。

犬と飼い主さんの双方が、なるべくストレスが少ない方法で暮らせることを願っています。

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