狂犬病の予防接種の時期や費用、必要性など【獣医解説】

犬の病気の中でも、狂犬病は発症すると致死率がほぼ100%で、人にも感染するおそれのある恐ろしい病気です。また、初期症状も「不安がる」「食欲が落ちる」など、様子をよく見ていないと見落としてしまう場合も。愛犬が恐ろしい病気にかからないためにも、狂犬病予防注射はマストです。今回は、狂犬病の予防接種の時期や値段、その必要性などについて、詳しく紹介していきます。

「済票」は持ってる? 意外と知らない狂犬病予防注射

済票

日本では毎年1回、飼い犬に狂犬病ワクチンを接種することが法律で義務付けられています。予防注射をする時期は、子犬の場合は2回目、もしくは3回目の混合ワクチンが済んでから接種するのが一般的かと思います。注射の費用は各都道府県によって定められていて、3000円程度です。

忘れてはいけないのが「済票(注射済票)」という、接種した証として首輪につける札。交付には手数料550円が必要ですが、ドッグランなどはこの済票、そして次に紹介する「鑑札」が必須のところが多いので、必ず交付してもらいましょう。地域ごとに狂犬病予防週間(集合注射)が決められており、その期間に決められた会場もしくは対応病院で接種すれば、その場で済票を受け取ることができます。

予防週間に接種できなくても接種は可能ですが、その場合は動物病院で発行される狂犬病ワクチンの接種証明書を持って、市区町村の所定の窓口で手続きを行わないといけないので注意が必要です。

狂犬病予防接種の時期は?犬を迎えたら畜犬登録を

狂犬病の予防接種の時期は毎年1回、4月~6月の間に接種することが義務づけられています。毎年「狂犬病予防週間の時期や接種場所はどこで確認すればいいの?」と思う方もいるでしょう。狂犬病予防接種のお知らせや申請書は、飼い犬を「畜犬登録」することで届くようになるのです。そもそも、生後91日齢以上の子犬を飼い始めたら市区町村へ申請しに行く義務があり、飼い犬を登録して初めて「鑑札」と呼ばれるプレートが発行されます。

鑑札

狂犬病ワクチンの接種証明書を持って、所定の窓口で申請すれば済票の発行と同時に手続きすることができるため、鑑札は済票とともに首輪につけておきましょう。畜犬登録には3000円かかりますが、生涯に1度です。予防接種のお知らせなど大事な情報をチェックするためにも、必ず畜犬登録をしましょう。

鑑札を失くしてしまうと、再発行にも手数料がかかってしまうので大切に保管してくださいね。引っ越しなどで住所が変わった場合、その市区町村へ変更手続きを行う必要があります。

狂犬病の予防接種の必要性 日本は狂犬病清浄国なのになぜ?

走る犬

出典:PhotKing

狂犬病予防接種については、さまざまな考え方があります。いくら法律で決められているからといって、大切な愛犬に余計な注射は打ちたくないと考える方も少なくありません。しかし、狂犬病予防接種は法律で定められているもの。愛犬を恐ろしい病気にさせないためにも、必ず打ちましょう。

先ほども紹介しましたが、狂犬病は世界で毎年5万人以上が亡くなっているウイルス性の人獣共通感染症(ズーノーシス)です。人間をはじめ全ての哺乳類に感染し、発症したらほぼ100%死亡します。幸い日本は島国なので、狂犬病清浄国ではない地域から野生動物を介して感染が広がる可能性は低く、1957年以降、狂犬病に感染した動物は発見されていません。しかし、ご近所の台湾では2013年、シナイタチアナグマに狂犬病の感染が認められ、清浄国から外されました。他にも、2000年以降清浄国を外されている国は多数あります。

2006年には、フィリピンで狂犬病ウイルスに感染した日本人男性が国内で発症後死亡するという事例が2例続けて起きました。グローバル化が進んだ現在、いつどこから狂犬病の侵入を許してもおかしくない状況なのです。海外からの積み荷には何らかの野生動物がまぎれ込んでいることは珍しくなく、またそれらの動物を全て捕まえて検疫をする……といったところまでは至っていないというのが現状だそうです。

接種が法律で義務付けられている背景には、こうした理由があるのです。いま一度、予防接種のあり方について考えてみてはいかがでしょうか。

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