犬を飼う費用はどのくらい? 飼い始め、飼ってから、臨時でかかる費用

犬を飼いたいけど、飼うのにどのくらい費用がかかるかちょっと不安……。そんな方のために、犬の飼い始めにかかる費用や、飼ってから毎年かかる費用、臨時でかかる費用を犬種別に紹介します。

犬の飼い始めにかかる費用

犬を飼い始めた時に必要となる出費は以下の通りです。

犬の飼い始めに必要な費用一覧

内容
小型犬
大型犬
備考
畜犬登録費用
3550円
3550円
地域によって変動
混合ワクチン接種
7000〜2万円
7000〜2万円
年2回分
狂犬病予防注射
3500円
3500円
年1回
健康診断費用
3000円
3000円
地域、内容によって変動
生活用具費用
3万円
3万円
あくまで目安

畜犬登録

生後91日齢以上の子犬を飼い始めた方は、市区町村へ申請しに行く「畜犬登録(ちくけんとうろく)」という義務があります。犬が生後90日を過ぎたら狂犬病予防注射を受け、「注射済み証明書」を持って30日以内に役所か保健所に行きます。狂犬病ワクチンの接種証明書を持って所定の窓口で申請すれば、済票の発行と同時に手続きすることができるため、鑑札は済票とともに首輪につけておきましょう。登録には3000円(注射済票550円)かかりますが、生涯に1回です。予防接種のお知らせなど大事な情報をチェックするためにも、必ず畜犬登録をしましょう。

費用を払って畜犬登録をすると登録証明書として鑑札、注射済み票、標識シールが渡されます。なお飼い主の住所が変わるときも届出が必要です。また飼い主が変わるときは「廃犬届け」(はいけんとどけ)を出して鑑札を返し、登録を抹消(まっしょう)してもらいます。鑑札を無くしてしまうと再発行にも手数料がかかってしまうので大切に保管しましょう。引っ越しなどで住所が変わった場合、その市区町村へ変更手続きを行う必要があります。

鑑札や注射済票は地方によってデザインが異なります。



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混合ワクチン接種

混合ワクチンは狂犬病ワクチンと違って任意です。接種が推奨されているコアワクチンと飼育環境に合わせて接種するノンコアワクチンの組み合わせで構成されています。コアワクチンとは、「死に至る怖い病気である」「広く流行している」「人獣共通感染症であり人の健康を脅かす」などの理由からすべてのペットに接種するよう推奨されているワクチンです。


狂犬病予防注射

狂犬病の予防注射は、狂犬病予防法により、毎年1回必ず受ける必要があります。


健康診断

健康診断では以下のような検査を受けることができます。オプションを追加することで内容が変わりますが、基本的な項目が下記になります。費用の目安は、日本獣医師会が2015年に公開した「家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査及び飼育者意識調査」をご参照ください。

身体検査

問診、触診、打診、聴診、視診を行います。

体重測定

肥満になりすぎていないか、痩せすぎていないかを通して、与えているフード量が適正かどうかの目安になります。

体温測定

犬の平均体温は、おおむね37℃台後半から38℃台が平熱です。子犬の場合はもう少し高く、38℃台後半から39℃台が平熱です。

便の検査

手法により変動しますが、1000円程度です。硬さ、匂い、色、顕微鏡を使った寄生虫検査などを行います。便検査をする場合は検査の2時間以内に便を取って病院に持参します(病院内で採取することも可能です)。

血液検査

採血料が700円、生化学検査料が4000円程度です。その他特定の寄生虫やウイルスを検出する際には別料金が発生します。生化学検査では血液系の疾患を調べることができます。CBC検査といって白血球、赤血球、血小板などを調べます。また血液型は輸血が必要なときに知っておくと便利ですが、料金が5432円とやや高めです。

尿検査

尿の採取料金が1000円、検査料金が1500円程度です。泌尿器系の疾患を調べることができます。

X線検査

単純撮影の場合は4000円程度です。

心電図検査

2500円程度です。不整脈、心室肥大、冠状動脈疾患、心機能異常を調べます。

その他

  • レントゲン検査:胸部・腹部にわけて撮影します。
    気管・肺・心臓の形態や腹腔内、股関節などの状態がわかります。
  • 超音波検査 :肝臓、腎臓、脾臓、膀胱などの形態や構造を調べる検査です。
  • 心臓超音波検査 :心臓の機能や弁などを含めた形態の確認、血液流速の計測などを行います。

犬を飼い始めてから毎年必要な費用

以下では、犬を飼い始めてから毎年定期的にかかる費用について紹介します。なお、大型犬は体が大きい分、フードや医療費は小型犬よりも出費がかかりますので、あくまで目安の料金としてご覧ください。

内容
費用
備考
フード・おやつ
4万9994円
商品によって変動
ペットシーツ
1万8000円
商品によって変動
おもちゃ
1万2000円
商品によって変動
その他消耗品費
6000円
狂犬病予防接種
3500円
年1回
混合ワクチン接種
1万円
年1回
フィラリア予防薬
1万2000円
1年分
ノミダニ予防薬
1万2000円
体重によって変動
健康診断費用
6000円

フィラリア予防薬

フィラリアとは犬糸状虫(いぬしじょうちゅう)のことをいい、犬の心臓に寄生する寄生虫のことです。フィラリアに感染した犬を蚊が吸血することで蚊の体内に幼虫が移動し、その蚊が他の犬を吸血することで感染します。幼虫は筋肉などに移動して成虫へと成長しながら心臓に向かっていきます。そして成虫はミクロフィラリアという赤ちゃんを産み、全身の血管を流れ蚊に吸血されてまた別の犬へと移動していくわけです。

感染した犬は無症状の場合もありますが、慢性的に心不全と同じような症状がみられたり、血尿や呼吸困難など急性症状が現れ死に至るケースもある恐ろしい病気です。そのため予防を毎年する必要があります。詳しくは以下の記事からご覧ください。

ノミ・ダニ予防薬

ノミやダニは犬の被毛につきやすく、かゆくなるなど皮膚病を患うことがあります。また飼い主のベッドなどにも侵入してしまうため、室内を衛生的に保つためにも犬のノミ・ダニ予防は重要となります。防虫剤や犬の首に薬剤を垂らすなど、さまざまなケアがあります。

関連カテゴリ:犬の皮膚の病気


その他臨時でかかる費用

犬種や体調などによって臨時でかかる費用があります。例えば、トリミングや家具の修繕費用など、急を要さないものもありますが、緊急手術など一刻を争う事態も想定されます。飼い主としてはある程度経済的に余裕を持った状態で犬を飼いたいものです。

トリミング費用

トリミング(trimming)とは「毛をカットしてキレイに整える」という意味です。そしてトリミングをする人をトリマーと呼びます。トリミングとは別に、グルーミング(grooming)という言葉を聞いたことがあると思います。グルーミングは、「全身をお手入れし、清潔に保つこと」です。トリミングは「毛をカットしてキレイに整える」ことでしたが、グルーミングの一つがトリミングなのです。料金は、シャンプーが3000円から、トリミングが5000円からで地域によっても異なります。トイプードルなど、犬種によってトリミングやグルーミングの頻度や料金が変わりますので、詳しくは以下の記事からご覧ください。

しつけ・トレーニング費用

犬と暮らしやすい環境にするためには、犬のしつけはとても大切です。ドイツやイギリスでは、しつけをしてから外に出す文化があるため、しつけが行き届いた犬が多いです。そうすることで、交通や施設も犬に優しい環境になっているのです。現在、日本でしつけをするなら、ドッグトレーナーによるしつけ教室や出張トレーニングの他に、犬の幼稚園も存在しています。料金はセッション回数や期間によって左右されます。


病気や怪我の治療費

犬と散歩をしていて交通事故にあったり、高いところから飛び降りて足を骨折したりすることがあります。また、しこりが見つかってガンだったり、急な病気や怪我の危険性は常に存在しています。お金に余裕が無くて手術が手遅れになった……などという事態に陥らないよう、飼い主はある程度の資金的余裕を持っていたいものです。料金は病気や怪我の内容によりけりですが、近年ではペット保険など、飼い主の経済的な負担を軽減してくれるサービスも登場しています。

以下の画像は、アニコムが発表している犬の疾患別、年齢別の1頭あたり年間診療費です。年齢を重ねるごとに疾患率も増加し、医療費も増加していることがわかります。急な出費に備え、早くから保険に入るか、計画的に貯金をしていく必要があります。

アニコムのグラフ

オス犬の去勢手術費用

飼い主が犬の繁殖を望まない場合、不要な妊娠を避けるために生殖能力を無くす不妊手術という手段がとられます。精巣を摘出します。料金は1万~2万5000円程度が一般的です。保護犬・保護猫のための団体「一般社団法人つむぎ」では、登録する保護団体経由で里親になった場合、MAX50%で登録病院に行けば、割引利用を受けることができます。去勢に関する詳しい説明は以下の記事からご覧ください。

メス犬の避妊・不妊手術費用

飼い主が犬の繁殖を望まない場合、不要な妊娠を避けるために生殖能力を無くす不妊手術という手段がとられます。卵巣と子宮を摘出します。料金は2万~4万円程度が一般的です。保護犬・保護猫のための団体「一般社団法人つむぎ」では、登録する保護団体経由で里親になった場合、MAX50%で登録病院に行けば、割引利用を受けることができます。避妊・不妊に関する詳しい説明は以下の記事からご覧ください。

まとめ

犬は、人に癒しを与えてくれます。子供には心因的な成長が見込め、高齢者はうつの抑制や健康増進が医学的に実証されています。これを「アニマルセラピー」と呼びます。

しかし、一方で犬を飼うことにはお金も時間もかかります。犬はおもちゃではありません。また、思い通りに動いてくれる生き物でもありません。飼い始めたら途中でやめるわけにもいきません。自分や周りの状況や環境を考えずに飼い始めると、あとで大きな問題を抱えてしまうことになります。そうした理由などでおうちがなくなってしまう犬や猫が日本には年間13万匹もいます。きちんと生涯飼うことができるのか、犬の将来も理解した上で飼うようにしてくださいね。飼うことには責任が必要ですが、飼い始めたらきっと素晴らしいペットライフが待っているはずです!また、ペットを飼う選択肢として、ペットショップ、ブリーダーの他に、最近では住むおうちを探している保護犬・保護猫から飼う方が増えてきました。里親募集サイト「OMUSUBI(お結び)」では複数の保護団体が保護犬の里親さんを募集しており、生後数カ月からシニア犬まで、幅広い犬種が里親を待っています。興味のある人はぜひ利用してみてください。

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第2稿:2017年4月17日 公開
初稿:2016年10月6日 公開

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