猫にクーラー(エアコン)は必要?夏の設定温度や快適グッズを紹介
愛猫のために「クーラー(エアコン)をつけておくべきか分からない」という方に、夏の暑さ対策や熱中症対策を紹介します。昔から「暖かいところ、涼しいところは猫に聞け」といわれます。そんな自立的な猫と相性のよいグッズや、環境づくりの方法もまとめました。猫は警戒心が強いため、早めに冷却グッズなどを使った環境づくりを始めて慣らしてあげましょう。
目次
- 猫の暑さ対策にクーラー(エアコン)は必要?
- 気になるエアコン(クーラー)について猫の飼い主さんアンケート
- 猫のクーラー病とは
- 気になるクーラー(エアコン)電気代の節約方法
- クーラー(エアコン)だけでは危険?愛猫が留守番中の停電リスク
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猫の暑さ対策にクーラー(エアコン)は必要?
猫の祖先は温帯地方に生息していたリビヤヤマネコといわれているため猫は暑さには比較的強い動物です。
とはいえ、いくら猫が暑さに強くても密閉された空間にこもる熱気や、ムシムシとした湿度は熱中症を引き起こす原因になり得ます。
猫種によっては暑さに弱かったり、クーラーの冷気が極端に苦手・嫌いな場合もあるため、愛猫に合った室温や環境づくりをしてあげましょう。
愛猫のためのクーラーの使用時期
愛猫のためにクーラーの使用を開始する時期は、7月下旬〜9月上旬が目安です。しかし、最近は5月6月であっても真夏のような気温の時もあります。
天気予報はしっかりと確認し、お留守番させる時間が長い場合はドライモードにしておいたり、タイマーなどをセットしておきましょう。
愛猫のためのクーラーの適切な設定温度
短毛か長毛で少し差はありますが、猫が快適に過ごせる室温は25〜26℃くらいです。そのため、室温が25・26℃になるようにクーラーの温度を調整しましょう。温度計がない場合はクーラーの設定温度は25〜28℃前後に設定し、愛猫の様子を見ながら調整することをおすすめします。
猫は比較的暑さに強い動物のため、人が「涼しい」と思わないくらいの室温がちょうどよかったりします。
猫のクーラー病には要注意
あまり低い温度に設定すると、猫も人もクーラー病になる恐れがあります。快適と感じる気温は猫種によって異なるため、猫と一緒にいる時に「このくらいの気温はどうかな?」と試し、様子を見てあげるとよいでしょう。
猫が部屋の外に出たがったり、鼻を埋めて丸くなったりせず、体を伸ばしてスヤスヤとお昼寝していれば快適というサインです。
気になるエアコン(クーラー)について猫の飼い主さんアンケート
2023年5月、ペトコト公式Instagramにて、猫の飼い主さんを対象に、エアコン(クーラー)についてアンケートを実施しました。エアコン(クーラー)をつける基準は?
クーラーをつけるタイミングは半数の飼い主さんが「室温が一定以上になったら」と回答しました。
室温の基準は25〜26℃前後を目安にすることをおすすめしますが、愛猫が暑がっていないか、反対に寒がってないか確認しつつ調整しましょう。
愛猫を留守番させるときにクーラーはつける?
愛猫を留守番させるときは7割超の飼い主さんが「クーラーをつけっぱなしにする」と回答しました。
自分が見てあげられていないときだからこそ、多くの飼い主さんが温度を設定してつけっぱなしを選んでいるものと考えられます。
猫のクーラー病とは
クーラー病(冷房病)は、外気と室温の温度差によって自律神経が乱れ、体調を崩すことを指します。
夏の時期に、屋外と室内で気温の差をつけないことは困難ですが、原因を知ることで、予防対策を行うことはできます。
猫のクーラー病の原因
- 外気温と室内気温の差
- 体が冷えやすい環境
- クーラーによる極度な乾燥
猫は寒い環境を好まないため、丸くなっていたり、毛を逆立てて体を膨らませている場合はクーラーの使用を控えましょう。
飼い主さんがどうしても使いたい場合は、部屋の扉を開放し、猫が他の部屋などに移動できるようにするとよいでしょう。
猫のクーラー病の症状
クーラー病に気がつくのは嘔吐や下痢をきっかけにするところが多いですが、そのほか以下のような症状が出ます。- 食欲不振
- 下痢や軟便
- 元気がない
- 神経痛
- 腹痛
猫のクーラー病の予防策
クーラー病は猫の体の過剰な冷えを予防することによって避けることができます。飼い主さんにとって快適な気温でも「猫にとっても快適かどうか?」を意識するようにしましょう。
<室温設定>
猫は暑さに強いため、猛暑日でなければ、風通しをよくし、冷却グッズを置いておくことで事足ります。クーラーを使用する場合は前述の通り、猫の様子を見ながら室温が25・26℃になるようにクーラーの温度を調整するとよいでしょう。
<暖かいタオルや猫用ベッドも用意する>
留守番時、クーラーをつけてお出かけする際は、冷却グッズだけではなく、ベッドなどを置いておくとよいでしょう。そうすることで寒いと感じれば、猫は自分で暖をとることができます。
<扇風機を使う>
扇風機を使って空気を循環させると、必要以上に室温を下げる必要がなくなります。事故を防ぐため、留守番の際は扇風機に触れないような環境を作りましょう。
気になるクーラー(エアコン)電気代の節約方法
真夏の猫がいる家庭にエアコンは必須ですが、電気代高騰により気になるエアコンの使用料。エアコンを使用しつつ、節電する方法やエネルギー効率を良くする方法を紹介します。
節電・エネルギー効率を良くする方法
- できるだけ一つの部屋に集まる
- 冷房使用時は冷気を逃さないようドアを閉める
- カーテンを閉める
- 窓の外にグリーンカーテンやすだれ、シェードをつける
- 室外機を日陰にする
- 室外機の周りに物をおかない
- エアコンをこまめに付けたり消したりしない
- 設定温度は室温に応じて適切に調節
- エアコンはこまめにフィルター掃除をする
- 古い家電を省エネ家電に買い換える
ペットがいる家庭向けのプランを検討する
電力自由化の動きによって、ペットの電気代に悩む飼い主さん向けに、ペットがいる家庭には割引が適用させるプランなどを発表している会社もあります。▶株式会社かねだい「ペット&アクアでんき」
▶親指でんき「わんにゃんプラン+」
▶株式会社ユビニティー「ペットでんき」
▶株式会社グランデータ「どうぶつでんき」
クーラー(エアコン)だけでは危険?愛猫が留守番中の停電リスク
愛猫の暑さ対策としてクーラーは非常に有効ですが、それだけで安心してはいけません。留守番時に何らかの理由により停電し、ペットが熱中症になった事例があるのです。そのため、クーラーをつけておくこと以外にも、しっかりと対策しましょう。
飲み水は数カ所に設置
留守番の際は、新鮮な飲み水を数カ所に点在させてあげると、猫もこまめに水分補給をすることができます。飲み水は「頭数+1」台用意することをおすすめします。
ろ過装置の付いた自動給水器と併せて、停電になったときのために陶器製など電気を使わない水飲みも用意しておくと良いでしょう。
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冷却グッズも併用する
クーラーだけでなく愛猫が自分自身で体温調整ができるよう、冷却グッズを置いておくと万が一の停電のときも安心です。扇風機やサーキュレーター
扇風機やサーキュレーターをクーラーと併用し、空気を循環させることで必要以上に室温を下げなくても済みます。ただし、事故を防ぐため、カバーを付けたり、猫が触れない場所に設置したりして、猫にとって安全な環境を作りましょう。空気を循環させることをイメージして配置するのがポイントです。
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猫を留守番させる際のクーラー(エアコン)使用上の注意点
クーラーを使用する際は「人感センサー」と「停電」のリスクを念頭に置く必要があります。
人感センサーに注意
最近のエアコンは人感センサーが搭載されているものがあります。このセンサーはとても便利ですが、犬や猫などは感知しない場合があります。そうなると、留守番時にクーラーが停止し「いつの間にか蒸し風呂状態になっていた」ということが起こり得ます。
室温を管理できる人がいない留守番の際は、人感知機能は停止させ、単純に温度を設定し運転させるのがよいでしょう。
停電のリスク
留守番時、停電といった原因により、クーラーがとまることまで想定する必要があります。真夏にクーラーが止まってしまうと、室温が40℃近くなることも珍しくありません。
クーラー(エアコン)と一緒に使いたい!猫の熱中症対策グッズ
猫は新しいものに対して警戒心を持ちやすいため、グッズを買ってきても見向きもされないこともあります。
グッズ自体に慣れ、それによって涼しくなることを覚えたら警戒心はなくなるため、なるべく涼しい季節のうちに部屋に置いておき、その存在に慣れさせましょう。
体温調整のための冷却グッズ
猫は警戒心が強いですが、冷却グッズがあれば暑さをしのげます。最初は慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、あまり無理強いはせず放置しておきましょう。慣れたり、必要になれば自然に使うようになります。
クーラーは使用しつつ、愛猫が自分自身で体温調整ができるよう冷却グッズを置いておくと万が一の停電のときも安心です。
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冷たいおやつ
暑さに強い猫こそ、熱中症や脱水症状には気をつけましょう。水分補給として、ウェットタイプのフードやミルクなど嗜好性のあるものを与えると、食欲もカバーすることができます。
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クーラー(エアコン)で防ぎたい!猫の熱中症の症状・応急処置
猫の熱中症は、非常に症状の見分けがつきにくいことが特徴です。しかし、呼吸が荒くなることは、唯一の見分けるポイントかもしれません。
軽度〜中程度の猫の熱中症の症状
- 発熱する(大半が39.5℃以上)
- 呼吸が荒くなる
- 立ちすくみ、ボーッとしている
- ふらつく
- ぐったりして元気がない
重度の猫の猫の熱中症の症状
- 嘔吐
- 下痢
- 痙攣
- 失神・昏睡状態
重度の症状を呈すると、死亡に至る可能性があります。体温が40〜43℃になると非常に危険な状態です。
愛猫が熱中症になったときの応急処置
猫の意識がある場合
体温が39℃になるまで流水をかけてください。氷水を飲ませる飼い主の方がいますが、氷水は逆効果になるため、与えないようにしてください。猫の意識がない場合
できるだけ早く動物病院に行きましょう。その際、できれば気道をふさがないように舌を外に出した状態で運んであげてください。そして首、脇の下、股などの太い血管がある部位にタオルなどで包んだ保冷剤を当て、冷やすようにしてください。このとき、冷やしすぎると逆効果になりますので注意しましょう。
動物病院に連れていく前に、動物病院へ連絡を入れると、救命率がさらに上がります。
クーラー(エアコン)で暑さ対策を万全に、愛猫と快適な夏を!
猫の暑さ対策にはクーラーが有効です
室温が25・26℃になるようにクーラーの温度を調整しましょう
停電に備え、電気を使わない冷却グッズを併用しましょう
猫は犬や人間よりは暑さに強いかもしれませんが、猫種やその子によって度合いは異なります。
愛猫に合った室温や冷却グッズなどを把握できるのは飼い主の方だけです。これを機に暑さ対策を万全にしましょう!