【トレーナー解説】初心者でも飼いやすい犬は?小型犬とは限らない理由を解説
犬を迎える際に気になることの一つは「飼いやすさ」ですよね。しかし、飼いやすさとは何が基準なのでしょうか。「マンションや室内で飼うから小型犬?」「大型犬はマンションでは無理?」「毛が抜けない犬種がいい」「子供と遊べる大型犬がいいかも」など、人によって「飼いたい犬種」と「飼いやすい犬種」は異なることがあります。
飼いやすい犬とは?
一般的には、小型犬で理解力のある犬種が飼いやすいとされることが多いようです。
「小柄な犬種」「無駄吠えしない犬種」「攻撃的ではない犬種」「賢い犬種」が良いと思うのには理由があるはずです。
「飼いやすい」は人によって異なる
「マンションだから大きな犬種は飼えない」「一戸建てだけど、お隣さんと距離が近いから吠えやすい犬種はちょっと」
「犬を飼うのが初めてで、まだ小さい子供もいるから優しい犬種がいい」
「しつけにはあまり自信がないから、私でもしつけられる賢い犬種がいい」
など、人によって求めている犬種は異なるのです。
「飼いやすい犬」は人間側の都合
「無駄吠え」と呼ばれる犬の吠えも、犬にとっては意味があります。無駄、問題行動だと考えるのは私たち人間側の都合です。人間と犬の関係は、番犬や狩りなど使役動物として飼い始めたことを考えると「飼いやすい犬種」と一口に言っても、本当に飼いやすいかということは人それぞれです。
これから犬を迎えようとしている人の環境や、犬に対しての「知識」「家族構成」「金銭面」などによって異なります。
【生活環境ごと】飼いやすい犬種
大きさや一般的な性質を判断基準に「飼いやすい」犬種を紹介します。
子供がいる家庭
小学校低学年以下の子供がいる家庭は、人と遊ぶことが好きな中型犬がオススメです。力の加減や適度な接し方を知らない子供の場合、小型犬では犬の方が骨折などのケガをする恐れがあります。
反対に、大型犬では子供がケガをする危険性がありますので、犬を飼うのが初めてという場合は中型犬が飼いやすいといえるでしょう。
\オススメの犬種/
柴犬、ビーグル、アメリカンコッカースパニエル、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、雑種などマンション暮らし
ペットの家族化が進み、ペットを飼えるマンションも増えてきました。しかし、それでもマンションによっては「中型犬まで」や「エレベーターは抱っこして乗せなければいけない」などの条件がある場合も。現在住んでいるマンションの条件を確認することがまず大切です。その上で、オススメできるのは小型犬〜中型犬の犬種です。
基本的に毎日の散歩(犬種に応じた量)と家の中で遊んであげることができれば、運動不足になることもありません。しかし、大型犬となると動き回ることができる広さが必要です。
\オススメの犬種/
トイプードル、チワワ、ミニチュアダックスフンド、柴犬、フレンチブルドッグ、雑種など車を持っていない
車を持っていない人、免許を持っていない人は小型犬やキャリーバックに入る中型犬が良いでしょう。突然の病気や事故のとき抱えきれない中型犬や大型犬を車なしに、動物病院へ連れていくことは困難です。キャリーバックに入る大きさであれば、バスや電車、タクシーに乗せることができます。
\オススメの犬種/
トイプードル、チワワ、柴犬、フレンチブルドッグ、雑種など抜け毛の少ない犬種
犬の被毛はダブルコートとシングルコートの2種類があります。ダブルコートは体が上毛と下毛の2層の毛で覆われて、上毛をオーバーコート(トップコート)、下毛をアンダーコートと呼びます。
上毛は太めで硬く、1年中生えている被毛で、被毛が生え変わる換毛期はなく、自然に抜け落ちます。下毛は細くて柔らかく保温性があり、年に2回寒い時期になると生えてきて、暖かい時期になると抜け落ちます。
シングルコートはアンダーコートを持たない、オーバーコートのみをいいます。
基本的に、ダブルコートの犬種は換毛期と呼ばれる季節の変わり目には抜け毛の量が増えます。そのため、短毛犬種であってもダブルコートの犬種は抜け毛が多いです。
\オススメの犬種/
プードル、ビションフリーゼといった「くるくるした毛質をした犬種」や、シュナウザーやウェルッシュテリア、ワイヤーフォックステリアなどの「硬い毛質をした犬種」がオススメです。そのほか、マルチーズやヨークシャーテリアといった「シングルコートの犬種」は抜け毛が少ないです。
運動量の少ない犬種
比較的運動量が少ない犬種
- チワワ
- トイプードル
- ヨークシャーテリア
- パピヨン
- マルチーズ
- シーズー
- パグ
- ポメラニアン
小型犬でも運動量が多い犬種
- ジャックラッセルテリア
- シェットランドシープドッグ
- ミニチュアシュナウザー
- イタリアングレーハウンド
- ワイヤーフォックステリア
小型犬であっても運動量が多い犬種もいますし、運動量が少ない犬種であっても毎日の散歩は必要です。
吠えにくい・噛みにくい犬種はいる?
吠えない犬種はいる?
生まれ持って吠えない犬というのはいません。犬は吠える生き物です。怖いと思った時、威嚇している時、かまって欲しい時、興奮した時など、犬は尻尾だけでなく、耳の動き、表情、姿勢、吠えることで感情を伝えます。
吠えない犬種を探すのではなく、吠えさせないための「しつけ」を知る必要があります。
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噛まない犬種はいる?
「吠えない犬種」と同様、生まれ持って噛まない犬というのはいません。子犬の時には歯の生え初め、生え変わりでむず痒く、いろんなものを甘噛みします。
噛まない犬種を探すのではなく、「噛んでいいものを与える」「どうして噛むのかを考えて対処する」ことが大切です。
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特定犬とは
地域によっては「特定犬」として指定されている犬を飼うときのルールがあります。例えば茨城県では動物の愛護及び管理に関する条例として、定められた犬はオリの中で飼うこと、特定犬を飼育していることがわかる標識(ラベル)を掲示することとされています。
また、茨城県が定める特定犬種が8犬種なのに対して、佐賀県では10犬種が特定犬種として定められています。
- 人に危害を加えるおそれのあるものとして定める8犬種
- 体高60センチメートルかつ体調70センチメートル以上の犬(雑種含む)
- 県知事が指定した犬
茨城県で定められている8犬種
- 秋田犬
- 紀州犬
- 土佐犬
- ジャーマン・シェパード
- ドーベルマン
- グレート・デーン
- セントバーナード
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア(アメリカン・ピッド・ブル・テリア)
また、他にもバーニーズマウンテンドッグやゴールデンレトリーバーによる咬傷事故が起きてしまっています。
咬傷事故の多くは、飼い主によるしつけや管理不足です。大型犬に限らず、どんな犬でも事故の可能性はありますので、犬を飼う際は「飼い主の責任」についてよく考えましょう。
賢い犬種は飼いやすい?
waka._.waka._.wakaさん、Thanks!!
ボーダーコリーやシェパード、ゴールデンレトリーバー、プードルなどは賢い犬種といわれています。
賢い犬種は、しつけやトリック(芸)を教えやすく飼いやすいと思われがちですが「賢い犬種=しつけが簡単」ではありません。
実は賢い犬種ほど、しつけが難しいということもあるのです。
犬は、物事とその直前の動作を関連付けて理解し学習します。そのため、飼い主さんの何気ない行動もしっかり観察しています。
例えば、いつも飼い主さんがごはん前に時計を見ていたら「時計を見る=ごはん」という学習をすることもあります。
そのほか「吠えてみたらおやつがもらえた!」という1度の経験も忘れません。おやつが欲しければ吠えれば良いと思い、知らず知らずのうちに「吠える」という行動を教えてしまうということもあります。
飼いやすい犬ではなく、相性の良い犬と出逢おう
飼いやすい犬は人の生活スタイル、家族構成、住居環境などにより異なる
噛まない・吠えないための「しつけ」をすることが大切
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