【トレーナー解説】犬の無駄吠えの正しいしつけ方を紹介!吠える理由や対策について

【トレーナー解説】犬の無駄吠えの正しいしつけ方を紹介!吠える理由や対策について

犬の「無駄吠え」は、飼い主さんからよく相談を受ける悩みの一つです。しつけのための首輪やスプレーなどのグッズも出ていますが、それらを使うことは本当に犬のためでしょうか。犬が吠えることには必ず理由があります。今回は、無駄吠えをする理由や吠えやすい犬種、しつけ方について、ドッグトレーナーの西岡が解説します。犬の気持ちになって一緒に考えてみましょう。

犬が無駄吠えする理由・意味

吠えるポメラニアン

犬が突然吠えたり、ずっと吠え続けたりするのを見て、「どうして吠えているのかわからない」と思い、それを「無駄吠え」だと決めてしまう飼い主さんがいます。しかし、それは間違いです。犬が吠えるのにはちゃんと理由があります。以下のどれかに当てはまっていないかチェックしてみてください。

警戒している

知らない人や初めて見るものに対しての吠えは、「警戒吠え」です。警戒吠えも、場所や犬の性格によって理由が異なります。チャイム音、サイレンなどに反応して吠えることもあります。夜に物音で吠える理由も警戒していることが多いです。

家に知らない人が来た

自分のテリトリーに知らない人が来たら、犬は「守らなきゃ」と警戒して吠えることがあります。

恐い

怖がりな子は、知らない人に対し「恐いからこっちに来ないで!」という気持ちで吠えることがあります。

要求がある

自分に注意を向けるため、飼い主さんや他のわんちゃんに吠えるのが「要求吠え」です。要求吠えの多くは、飼い主さんの何気ない行動が悪化の原因になっていることがあります。

「〇〇して!」「ちょうだい!」という要求

  • ケージから出してほしい
  • おやつが欲しい
  • かまって欲しい
といった要求があるとき、犬は吠えます。

「一緒に遊ぼうよ!」

他の犬とのコミュニケーションのとり方がわからず、気を引くために「一緒に遊ぼうよ!」と吠えることもあります。

興奮している

犬同士で遊んでいるときや、飼い主さんと遊んでいるときなどに、感情の高ぶりから吠えることがあります。人が好きなわんちゃんの場合、来客時に吠えるのは警戒ではなく、嬉しくて興奮した結果です。そういうときに飼い主さんが犬を落ち着かせてあげることも大切です。

攻撃的になる

はじめは「テリトリーに勝手に入ってくるのは誰だ!」「恐いからこっちにこないで!」という警戒吠えだったのが、知らない人や怖い人がどんどん近付いてくると、「それ以上来るなら攻撃するぞ!」と強い吠えになります。いつ噛みついてもおかしくない状況です。

散歩中に、子どもや犬のことを知らない人が無邪気に近付いてくることがあります。その時は飼い主さんがきちんと愛犬の性格や気持ちを理解して、その場から離れたり相手に声掛けをしたりして注意してあげましょう。

病気

目が見えなかったり、耳が聞こえなかったりする障害がある場合、犬は不安で吠えることがあります。今まで吠えなかった子でも、高齢になって認知症で吠えるようになってしまうこともあります。


吠えやすい犬種

ボーダーコリー

個々の性格や育った環境で吠えやすさは異なりますが、一般的に牧畜犬として活躍していたコーギーボーダーコリーオーストラリアンシェパードや、猟犬として活躍していたテリア種ダックスフンド、体の小さいチワワポメラニアンなどが吠えやすいとされています。

飼いたいと思っている犬種にどんな歴史があって、どんな性格を持つ傾向があるのかなど、しっかり理解してから飼うようにしましょう。


吠えの防止・しつけ方

吠える犬

愛犬が過剰に吠えている場合、どのようにしつけたらいいのでしょうか。いくつか方法があるのでご紹介します。口輪で強制的に吠えさせないのは間違ったしつけですのでやめましょう。

無視

要求吠えのときは「無視」が効果的です。要求吠えのほとんどは、残念なことに飼い主さんの何気ない行動が吠えを覚えさせてしまっていることが多いです。それは以下のような流れです。

    犬:(つまんないな……吠えてみよう)

    犬:ワンワンワン!

    飼い主:(うるさいな……)

    飼い主:おやつあげるから静かにしてね。

    犬:(吠えるとおやつがもらえるんだ!)

    飼い主:(あら、静かになったわ。お腹がすいていたのね)

このような何気ない行動の中にすれ違いが生まれ、犬が間違った理解をしてしまいます。こういうときは「吠えても意味がない」ということを教える必要があります。そのため「無視」が効果的なのです。以下の方法で無視してみてください。

    犬:(つまんないな……吠えてみよう)

    犬:ワンワンワン!

    飼い主:(うるさいな……)

    飼い主:……。

    犬:(吠えてもかまってくれないから吠えるのやめよ……)

無視をするときは徹底的に無視してください。チラッと見るだけでも犬は「反応してくれた!」と喜んでしまいます。以下のような無視の仕方では逆効果になります。

    犬:ワンワンワン!

    飼い主:(チラッ)(無視無視……)

    犬:(吠えたら見てくれた……? もっと吠えたら遊んでくれるかも!)

    犬:ワンワンワン! ワンワンワン! ワンワンワン!

これでは意味がありません。無視をするなら徹底的に無視して、静かになってから遊んであげたり、おやつをあげたりしましょう。

首輪タイプのグッズ

犬の首輪にしつけを目的として電気が流れたり、振動したりするグッズがあります。しかし電気ショックを与えて吠えを止めさせることはオススメできません。振動する首輪も効果が出るとは限りません。

はじめは電気や振動にびっくりして吠えるのを止めるかもしれませんが、犬によっては電気や振動に慣れてしまう子もいます。また、精神的に負担がかかり、飼い主さんと犬との関係性が悪くなったり、別の問題を引き起こしてしまう可能性があるためです。

音で驚かさせる

音で驚かせて気をそらすことはできます。飼い主さんが鳴らしていることがバレないように、缶やペットボトルなどを使い、「天罰」というかたちで大きな音を出します。犬は「吠えたら嫌なことが起こる」と思うようになります。

しかし、やり方やタイミングを間違えてしまうと逆効果になってしまいますので、これもオススメできません。ただ、最近は犬の嫌いな音で吠えるのをやめさせるスマートフォンアプリも出ているようです。気をそらすことができるか試してみるのはいいかもしれません。

酢を嗅がせる

水で薄めた酢を犬の近くでスプレーして嗅がせるという方法も聞きます。最初は嫌がっても慣れてしまう子が多いようです。この方法も「飼い主さん=嫌な臭いを嗅がせる存在」になってしまうと、愛犬との信頼関係が崩れてしまうことがありますのでオススメしません。

実践編:チャイムに対する無駄吠えをやめさせる方法

チャイムの音に吠える小型犬

チャイムに対する無駄吠えがある場合のしつけ方を動画で紹介します。おやつなどのご褒美を使って、チャイムの音に慣れさせてあげましょう。


  1. チャイムを鳴らす前におやつをあげます。
  2. チャイムが鳴っている間におやつをあげます。
  3. 更に待たせる時間を伸ばして、チャイムが鳴った後におやつをあげます。

吠える前の対策を

吠えるプードル

吠えてから止めさせようとするのは難しいです。事前に「吠えるかもしれない」とわかるときは対策を取り、「吠えないでも大丈夫」ということを教えてあげる必要があります。

ストレスを感じさせない

要求吠えは、ストレスを感じている場合も多いです。要求吠えが起こる前にたくさん遊んであげたり、散歩をして満足させてあげましょう。

飼い主さんに注意を向ける

知らない人に吠えてしまうのであれば、その人が通り過ぎるまでおやつを与えたり、おもちゃ好きな子なら、おもちゃを見せて注意を引いたり、何に集中すべきかを教えてあげましょう。

興奮させない

チャイムの音で吠えてしまう子は、あらかじめサークルやクレートに入れて、必要以上に興奮させないことが大切です。家の中を自由に動けるようになってい子は、家全体を自分のテリトリーだと考え、チャイムの音に警戒吠えしてしまうこともあります。

家の中でもリードを付けたり、寝るときはサークルやクレートに入れたりして、テリトリーを必要以上に大きくさせないことも大切です。

意図的に状況を作る

誰かに協力してもらって吠える状況を作り、「吠えなくてもいいんだ」と教えてあげることも有効です。たとえば、初めて会う人におやつをあげてもらったり、友達にチャイムを鳴らしてもらいその間おやつをあげるなど、刺激に対して慣れさせ、逆に楽しいこととして記憶させることが大切です。

オビディエンス(服従訓練)をする

吠えを止める方法として、オビディエンス(服従訓練)という方法があります。ここでいうオビディエンスとは、基礎的な服従訓練のことです。オスワリ・フセ・マテ・ツケなど、日常生活でもよく使われるしつけに当たるトレーニングです。

オビディエンスは競技会があり、各技の美しさや飼い主さんの指示に的確に反応できているかなどを見るものがあります。オビディエンス訓練をすることは、絆を深めることにつながります。吠えそうなときに事前に予防したり、吠えてしまったときに注意を飼い主さんに向けることができます。オビディエンス訓練はどんな場所でも応用ができますので、訓練を初めてみることをオススメします。


高齢犬の無駄吠えは大丈夫?

高齢犬の場合、認知症によって吠えている可能性があります。来客やチャイム音があったわけではないのに急に吠えるなど、行動がおかしいと思った場合は、獣医師に相談してみましょう。

バッチフラワー、アロマなどは、犬を落ち着かせる効果があります。また、若いうちからのクレートトレーニングなど、安心できる環境を作ってあげることも大切です。

吠えやすい犬種は部屋の構造に気をつけましょう

横目で見るテリア

窓は寝床の近くには設けない

無駄吠えはしつけで改善することが大切ですが、ダックスフンドビーグルなど、ハウンド(猟犬)犬種は警戒心が強く吠えやすいです。外敵から家族を守ろうと縄張り意識が強いので、窓から見える鳥や人などに反応して吠える習性があります。

そのため、犬がいる部屋はなるべく外が眺められる窓は設けず、外界から遮断された環境のほうが落ち着いて暮らせます。もし窓がある部屋の場合も、人や車が通る道路沿いではなく、庭などに面した窓がある部屋が理想的です。


壁や天井に吸音効果もGOOD

犬の吠えは室内で響きやすいため、壁や天井に吸音効果のある素材を使うと良いでしょう。

まとめ

吠える大型犬

愛犬が「なぜ吠えているのか」をまずは理解してあげることが大切
「なぜ吠えているのか」を理解した上で、適切なしつけをおこなう
高齢や病気の場合もあるので、異常を感じたら獣医師に相談すること

吠えが癖になっていまった子を、直すのには一緒に住んでいる家族の協力が不可欠です。家族の中でルールを決め、しっかりとしつけましょう。

第2稿:2017年10月14日 公開
初稿:2016年6月26日 公開
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