【獣医師執筆】犬はキャベツを食べても大丈夫!腎臓結石など与え方の注意点を解説
栄養が豊富で健康に良いとされるキャベツ。一年を通してスーパーで売られているので食卓に上がる機会も多いと思いますが、実はキャベツは犬にとって注意しなければいけない成分を含んでいます。今回はキャベツの栄養素や犬にキャベツを与える際の注意点、葉や芯など、部位で変わる栄養素について紹介します。
犬はキャベツを食べても大丈夫
キャベツはカリウムやカルシウム、ビタミンK、葉酸、ビタミンCなどが豊富で、犬が食べても大丈夫な野菜です。なお、キャベツは食物繊維が豊富な野菜というイメージですが実際は100g中1.8gほどで、特別多いわけではありません。
キャベツに含まれる栄養素
エネルギー | 21kcal |
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水分 | 92.7g |
糖質 | 3.4g |
カリウム | 200mg |
カルシウム | 43mg |
ビタミンK | 78μg |
葉酸 | 78μg |
ビタミンC | 41mg |
食物繊維 | 1.8g |
※生100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)
カリウム | 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。また、利尿作用があり、結石を作りづらくする作用もあります。一方で、腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。 |
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カルシウム | カルシウムは骨や歯の材料になるだけでなく、神経の情報伝達にも重要な役割を持ちます。カルシウムは不足したときだけでなく、過剰摂取でも整形外科疾患のリスクを高めます。 |
ビタミンK | ビタミンKは血液凝固や骨の形成に欠かせません。犬は腸内細菌によって体内で合成されるため食事から補給する必要性は高くないとされています。 |
葉酸 | 体の細胞の生まれ変わりや成長をサポートするという大切な役割を持ち、「造血のビタミン」と呼ばれます。不足すると貧血や免疫力の低下につながります。 |
ビタミンC | 強い抗酸化作用を持ち、がん予防やアンチエイジングの効果が期待されます。生体内の異物を解毒する作用や、免疫機能を向上させる作用もあります。犬は体内で合成することが可能です。 |
食物繊維 | 腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善したり、食後の血糖上昇をゆるやかにして糖尿病を予防したりします。水溶性は満腹感の持続や下痢の改善、不溶性は便秘の改善などの効果が期待できます。 |
ビタミンU
ビタミンUはキャベツから発見されたことから「キャベジン」とも呼ばれます。胃酸の過剰分泌を抑えるとともに、胃の粘膜を保護して胃の働きをサポートしてくれます。犬へのキャベツの与え方の注意点
犬はキャベツを食べても大丈夫ですが、与え方には注意が必要です。キャベツには、尿路結石・腎臓結石をつくる可能性のあるシュウ酸や甲状腺機能低下症になってしまう恐れのあるゴイトロゲンを含んでいます。調理方法によっては、毎日、また大量に与える必要はありません。
総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトコトオリジナルのフレッシュドッグフード「ペトコトフーズ」の「フード診断」(無料)で簡単に計算することができます。
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シュウ酸
キャベツにはシュウ酸が豊富に含まれています。シュウ酸は体内でカルシウムと結びつきシュウ酸カルシウムとなります。やがてそれが結晶化すると腎臓、尿管、膀胱、尿道の中に結石となってしまいます。結晶が尿管や尿道につまってしまうと、排尿ができないために腎臓機能が停止をし、最終的に腎不全になってしまいます。
ゴイトロゲン
キャベツや大根、ブロッコリー等のアブラナ科に属している野菜にはゴイトロゲンという成分が含まれています。ゴイトロゲンは、体内において甲状腺ホルモンをつくるために必要なヨウ素の吸収を阻害してしまいます。甲状腺ホルモンは代謝の調節を司る働きがあり、ゴイトロゲンを過剰に摂取してしまうと、甲状腺機能低下症という病気になってしまう恐れがあります。
犬へのキャベツの与え方
生のキャベツ
生のキャベツは加熱等により栄養価が失われていないため、とても健康的です。ただし生野菜は消化されにくいので、細かく切ってあげるとよいでしょう。茹でたキャベツ
キャベツは水溶性ビタミンをたくさん含んでいます。そのため、加熱してしまうとキャベツに含まれているビタミンのほとんどを失ってしまいます。キャベツは短時間で加熱することをおすすめします。一方で。シュウ酸は茹でることで溶けていくため、シュウ酸を抑えるためにも短時間で加熱が最も良いでしょう。
キャベツの葉
キャベツの葉は犬が食べても大丈夫です。ただし、前述したシュウ酸はキャベツの内葉より外葉に含まれています。外葉は農薬がかかっている恐れもあるため、できるだけ内葉をあげましょう。キャベツの芯
芯は根の一部なので、土から吸い上げた農薬が凝縮されやすい場所です。加熱しても完全に農薬が除去できるわけではないので、犬にキャベツの芯はあげないようにしましょう。キャベツを使用した愛犬用ごはん
私たちペトコトが自信を持ってお届けするのがペトコトフーズのフレッシュドッグフードです。フィッシュメニューには短時間でスチーム加熱したキャベツを使用しています。
犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。
そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。ペトコトフーズもその一つで、総合栄養食として子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。また、定期便だと、ワンちゃんの名前入りでお届けします。
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まとめ
キャベツは与え方と与える部位に注意
与えすぎは尿路結石からの腎不全、甲状腺機能低下症のリスク
キャベツの外葉、芯には農薬が多い
犬にキャベツを与えるなら内葉
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