【獣医師執筆】犬は栗を食べても大丈夫!量や与え方の注意点を獣医師が解説

【獣医師執筆】犬は栗を食べても大丈夫!量や与え方の注意点を獣医師が解説

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栗は犬が食べていい食材ですが、生は硬く詰まらせたり消化不良になったりしますので茹でる・焼くなど加熱して柔らかくして与えてください。皮ごと食べても大丈夫か、何個食べていいかなど与える際の注意点から簡単にできるモンブランレシピまで、獣医師の佐藤が解説します。

犬は栗を食べても大丈夫

栗とトイプードル

栗はビタミンCやビタミンB群(B1、B2、B6など)、ミネラル(カリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など)、食物繊維を多く含み犬が食べても大丈夫な食材です。
\ 栗はこんな子にオススメ /
  1. 食欲がなくなった子に︰甘みと柔らかい食感が◎
  2. 胃腸が弱い子に︰消化が良く腸内環境を整える食物繊維が豊富
  3. シニア犬(老犬)︰体を守るビタミンやミネラルを補給

栄養素
特徴
ビタミンB1 チアミンとも呼ばれ、補酵素として糖質がエネルギーに変換されるのをサポートします。疲労回復効果があり、不足すると神経や心臓に障害が起こります(人では「脚気(かっけ)」と呼ばれる病気)
ビタミンB2 リボフラビンとも呼ばれ、補酵素として脂質のエネルギー変換をサポートします。「発育のビタミン」と言われるように、不足すると成長障害や皮膚疾患、被毛のトラブルにつながります。
ビタミンB6 補酵素としてタンパク質の合成やエネルギーの産生をサポートします。免疫や神経伝達に関わり、皮膚の健康維持にも欠かせない栄養素です。
カリウム 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。
マグネシウム 骨を作り心臓を動かすために欠かせないミネラルで、不足すると骨粗鬆症や不整脈などの心疾患につながります。過剰摂取ではストルバイト結石のリスクを高めるため、摂取量に注意が必要です。
血液中で酸素を運んだり筋肉中で酸素を受け取ったりする働きを持ち、体を動かすために欠かせないミネラルです。不足すると皮膚や被毛のトラブル、イライラ感につながります。
亜鉛 タンパク質の合成に関わる酵素に欠かせない成分で、骨や肝臓、腎臓、膵臓などで必須のミネラルです。亜鉛が不足すると免疫力が低下してしまいます。
食物繊維 腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善したり、食後の血糖上昇をゆるやかにして糖尿病を予防したりします。水溶性は満腹感の持続や下痢の改善、不溶性は便秘の改善などの効果が期待できます。

栗の渋皮は犬に与えて大丈夫?

栗の実に付いた薄い渋皮にはポリフェノールの一種で抗酸化作用のある「タンニン」が含まれます。動脈硬化のリスクを下げたりがんを予防したりする効果が期待されています。犬も渋皮を食べることはできますが、過剰摂取すると消化不良につながる可能性があります。犬に栗を与える際は渋皮を取ってあげたほうがいいでしょう。

犬に栗を与える際の注意点

栗

犬に栗を与える際の注意点01:与え過ぎ

栗をごはんのトッピングやおやつとして与える場合は、1日の適正カロリー量の10%までに抑えましょう。

1日の最適カロリー量は「ペトコトフーズ」の「フード診断」(無料)で簡単に計算することができます。

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犬に栗を与える際の注意点02:皮は取り除く

外側の硬い殻(鬼皮)は犬が食べると詰まらせたり消化不良の原因になったりする可能性があります。必ず取るようにしましょう。渋皮は犬が食べても問題ありませんが、過剰摂取は消化不良の不安があります。できるだけ取って与えるようにしましょう。

犬に栗を与える際の注意点03:加熱して柔らかく

固い生の栗を犬が丸飲みしてしまうと詰まらせたり消化不良の原因になったりする可能性があります。加熱して柔らかくしてから与るようにしましょう。

犬に栗を与える際の注意点04:アレルギー

栗はアレルギー報告の多い食材ではありませんが、犬によってはアレルギー症状が出る可能性があります。最初の数回は少量にして、変化がないか様子を見ながら与えるといいでしょう。

犬のアレルギー症状は顔や首、お腹などの皮膚に赤みや痒みが出るのが一般的で、下痢や嘔吐が見られる場合もあります。なお、アレルギー検査で陽性反応が出たとしても、症状が出なければ与えて問題ありません




犬に栗を与える際の注意点05:加工品はNG

人向けに加工された栗は犬にとって過剰な糖分や塩分、中毒症状を引き起こす成分を含む可能性があります。犬用のおやつか素材そのものを与えるようにしましょう。

犬への栗の与え方

栗

栗を犬に与える際は、殻や渋皮を取り、柔らかくなるまで加熱しましょう。市販の栗は原材料が栗だけであれば犬に食べさせても問題ありません。モンブランや栗ようかん、マロングラッセ、栗きんとんなどの加工品は与えないようにしましょう。

与えていい量

1日の適正カロリー量の10%以内を与えるようにしてください。

例えば1日の適正カロリー量が226kcalの犬の場合(計算はこちらから)、22.6kcalまでが与えていい量となります。100gで152kcalの和栗(茹で)であれば、15g(小さめの栗1個分)まで与えて大丈夫です(他にトッピングやおやつを与えない場合)


栗を使った犬用おやつレシピ

犬用お手軽モンブラン
さつまいもを使ったお手軽モンブラン

連載「PETOKOTOおやつ部」では、手に入りやすいさつまいもを使った「お手軽モンブラン」のレシピを紹介していますが、もちろん栗で作っても大丈夫! 簡単にできますので、以下の記事を参考にしながら、ぜひ挑戦してみてください。


まとめ

犬
殻や渋皮は取って与える
加熱して柔らかくする
糖質が多く食べ過ぎに注意
犬は栗を食べても大丈夫ですが、「殻や渋皮を取る」「加熱して柔らかくする」「人向けに味付けされた加工品は与えない」といった注意事項があります。犬は甘いものを好みますので栗が好きな子も多いと思いますが、食べ過ぎれば肥満につながります。飼い主さんが注意して与えるようにしてください。

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