猫にまつわることわざ・慣用句まとめ ネズミとのたとえから英語・フランス語まで

猫にまつわることわざ・慣用句まとめ ネズミとのたとえから英語・フランス語まで

ことわざとは、昔からの言い伝えや知識のこと。私たちに豊かな生活へのヒントを与えてくれます。今回はその中でも猫にまつわることわざや慣用句を紹介します。狭い場所を例える「猫の額」や「猫に小判」といった有名なものから、ネズミにまつわるもの、英語やフランス語など外国語のものまで紹介します。時代の中で猫が何に象徴されてきたのかを想像してみるのも面白いですね。

猫にまつわることわざ・慣用句10選

まずは猫にまつわることわざの中でも、代表的な10個を紹介します。よく知っているもの、一度は聞いたことがあるものが多いとは思いますが、意外と意味を正確に理解していなかったというものがあるかもしれませんよ。

1.「猫にかつお節」

猫のそばに好物の鰹節を置いておくのと同じくらい油断できないこと。危険なこと。


2.「猫の額」

広さが狭い場所のたとえ。猫たちの小さな、あるのかないのか分からないほどの額から由来しています。猫の額とは一体どこからどこまでなのでしょう。筆者には判別できません……。

猫

3.「猫を追うより魚をのけよ」

その場しのぎの解決より、根本的な問題を取り除いておくことを意味します。魚をくわえていった猫を追うより、事前に魚をしまっておくべきということ。

お魚くわえた猫

4.「犬は人に付き猫は家に付く」

犬は人になつき、猫は家になつくという意味。引っ越しの際、犬は飼い主についていきたがり、猫は家に残りたがるという由来があります。犬は飼い主への恩を忘れず、猫は恩知らずという意味も。でも、筆者は猫もかなり人なつっこいと思うのです。


5.「猫は3年飼っても3日で恩を忘れる」

猫は飼い主の恩をすぐに忘れてしまうという意味。

6.「猫にまたたび」

好きで仕方ないことのたとえ。猫に限らず、「好物を与えさえすればおとなしくなる、言うことを聞く」という意味も。


7.「猫を被る」

本性を隠して猫のように大人しくしているたとえ。知っていることを知らないかのように振る舞うという意味も。

8.「猫の手も借りたい」

あまりにも忙しく、誰でもいいので手伝いが欲しいことのたとえ。


9.「猫が肥えればかつお節が痩せる」

かつお節を食べて肥えた猫と、食べられてやせ細ったかつお節。一方が得をすれば他方が損をすることのたとえ。

10.「猫にもなれば虎にもなる」

同じ人が、時と場合により猫のように大人しくも虎のように荒々しくもなること。

サラッと使えたらかっこいい! 良い意味の猫のことわざ・慣用句

猫にまつわることわざは特別良い意味として使われている表現が少ないようです。ポジティブに使える猫のことわざを紹介します。

1.「猫も杓子(しゃくし)も」

「誰もかれも」という意味。杓子とは、ご飯やお味噌汁などをよそうしゃもじやお玉のこと。由来は諸説ありますが、しゃもじやお玉はよく目にするものだからとされています。「インフルエンザの流行で、猫も杓子もマスクをしているね」


2.「猫が茶を吹く」

猫が熱いお茶を吹いているかのような、愉快な様子、表情のこと。たしかに想像してみるとクスッと笑ってしまうような、可愛らしい光景ですね。

3.「猫は禿げても猫」

禿げたところで猫が猫であることに変わりはないことから、世の中あまり突飛なことは起こらないというたとえ。


4.「猫は長者の生まれ変わり」

猫はのんびり気ままなことから、前世では何不自由なく暮らすお金持ちだろうという意味。長者とは、富豪、お金持ちのことを表します。

猫

使うときに要注意! 悪い意味の猫のことわざ・慣用句

ネガティブな意味として使われることわざを紹介します。多くは人の行動や心を猫の習性にたとえることで教訓を問いています。場面や相手によって使う際に注意が必要なので、意味をよく知っておくことが大切です。

1.「猫の魚辞退(うおじたい)」

内心は欲しいのに、その気持ちを我慢して上辺を飾って断ること。大好物の魚を猫が断ることから由来しています。一時的なもので長続きしないという意味も。「ケーキ買ってきたよ」「ダイエット中だから食べたくないの」「まあ、猫の魚辞退ね!」

2.「猫に小判」

人にとって価値のある小判でも猫にとってはどうでもいいものであるように、ありがたいものも価値を知らない者の前では役に立たないということ。

3.「猫馬鹿坊主」

勧められていないのに自ら上座に座る人はいませんよね。そんなことをするのは猫か馬鹿か坊主だけという意味です。仏教用語で「上座(じょうざ)」は修行を積んだ高僧を意味し、座って当然の存在。猫様も座って当然の存在。そんな場所に何も考えずに座ってしまうと、陰で「あの人って猫馬鹿坊主だね」と言われてしまうかもしれません。

4.「猫糞(ねこばば)」

猫がふんをした後に砂をかけて隠すしぐさから、拾ったものをこっそり自分のものにするなど悪事を隠すことを意味します。

5.「猫の逆恨み」

助けてもらいながら逆恨みすることを意味します。高いところから下りられないでいる猫に手を差し伸べたのに、逆に引っ掻かれてしまうという猫の性質から例えられています。「数学のテストどうだった?」「君が教えてくれた方法で解いたらペケだったよ、まったく」「(ね、猫の逆恨みだ……)」

6.「あってもなくても猫のしっぽ」

あってもなくてもいいもののこと。なかったとしても猫が魅力的なのは変わらないけど、なくていいものではない……! と思わずツッコミたくなりますね。

猫

猫とネズミにまつわることわざ・慣用句

かの有名アニメのように、誰もが猫といえばネズミを連想される方も多いのではないでしょうか。猫とネズミの、切っても切れない関係がうかがえることわざ・慣用句を紹介します。

1.「窮鼠(きゅうそ)猫を噛む」

追いつめられたネズミが猫に噛み付くこと。どんなに弱い者でも、ピンチのときには反撃に出るという意味です。

ねずみ

2.「鼠捕る猫は爪を隠す」

真に能力や力のある人は、それをむやみに誇示しないことのたとえ。同じ意味を持つことわざとしてより私たちに馴染み深いのは、「能ある鷹は爪を隠す」ではないでしょうか。

3.「鳴く猫は鼠を捕らぬ」

お喋りな人に限って、口先だけで行動しないという意味。


4.「猫の額にあるものを鼠が窺う」

力量をわきまえず、大胆不敵なことをすることのたとえ。猫のすぐ近くにある餌をネズミが狙う様子に由来します。不可能なことを試みるという意味も。

猫にまつわる四字熟語

四字熟語にも猫にまつわるものがあります。一見難しそうな漢字が並びますが、意味を知ると奥深く、動物が登場することで四文字の中に物語を感じられるかもしれませんね。

1.「照猫画虎 (しょうびょうがこ)」

本質を理解せず、形だけ模倣するという意味。猫をモデルに虎の絵を描く様子を表しています。「猫を照らして虎を描く」という訓読みもあります。猫も虎もかわいいという本質は同じなんですけどね。

2.「猫鼠同眠 (びょうそどうみん)」

盗人と盗人を捕まえる者とが一緒に悪事を働くこと。猫とネズミが仲睦まじく一緒に寝ている様子から、本来猫は捕まえるべき者であるにもかかわらず、さぼっているように見えることに由来しています。

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英語やフランス語など、外国語の猫のことわざ・慣用句

外国語に興味のある方、センテンスに加えれば一皮むけた会話や文章になること間違いなしです! 来年は東京オリンピックということで、日本でも外国語にふれる機会がより増えてくれば役立つチャンスがあるかもしれませんね。

猫

【英語編】猫にまつわることわざ・慣用句

英語の猫にまつわることわざ・慣用句を紹介します。

1.「Curiosity killed the cat」

直訳では、「好奇心は猫を殺した」。好奇心は身を滅ぼすことのたとえです。運動神経バツグンの猫も、好奇心によって高い所から下りられなくなったり、狭い隙間にはさまって出てこられなくなったりすることがあります。過剰な好奇心には気を付けるべきという言い伝えですね。

2.「Bell the cat」

直訳では、「猫に鈴をつけろ」。みんなのために進んで危険なことに立ち向かうという意味があります。イソップ物語の中で、ネズミたちが天敵である猫の首に鈴をつければ自衛ができると思いつきました。さて誰がその鈴をつけようかとつまってしまったことから、このことわざが生まれたといわれています。


3.「Raining cats and dogs」

直訳で、「猫と犬の雨が降る」。天気が土砂降りであることを意味します。このことわざの由来の有力な説の一つとして、北欧神話では猫は大雨、犬は強風を起こせると信じられていたといいます。他の説に関しては、犬にまつわることわざの記事をご覧ください。


4.「Cats have 9 lives」

直訳で、「猫は9つの命を持つ」。猫は高いところから落ちるなど危険な場面でも平気でいることから由来しています。なぜ9なのか有力な説の一つとして、ギリシャでは数字の9と猫の両方が縁起がいいとされていることが挙げられます。

木の上の猫

【フランス語編】猫にまつわることわざ・慣用句

フランス語の猫にまつわることわざ・慣用句を紹介します。

1.「Le chat parti, les souris dansent.」

直訳で、「猫がいなくなり、ネズミが躍る」。怖い人やうるさい人がいない隙をみてリラックスするという意味です。日本で言うところの「鬼の居ぬ間に洗濯」ですね。日本と同様、猫とネズミの追って追いかけられる関係は世界共通みたいですね。

好きな動物から、言い伝えられている知識に触れてみよう

時代の人々によってことわざ・慣用句にさまざまな表現として用いられた猫。人と猫は昔から密接に暮らしてきたことが分かります。筆者は今回知っていたことわざの中でも、改めて意味を知ることで背筋がシャンとするようなものもありました。

好きな動物からことわざに興味を持ち、知らなかった言葉や比喩を知ることで日本人としての教養が自然と身につくのはいいですね。好きなものを切り口にすれば、ことわざのような難しい表現も早くマスターできるかもしれません。

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