犬は飛行機に乗せても大丈夫? ストレス軽減方法や国内線から国際線まで解説

犬を飛行機に乗せる場合、犬は荷物扱いとなり、客室ではなく貨物室での輸送となります。犬にとって飛行機での移動は、私たち以上にストレスを感じることもあり、過去には死亡する事故も。犬種や年齢などによっては利用するべきではないケースもあります。今回は、犬を飛行機に乗せる場合の注意点やリスク、ストレス軽減方法を解説します。

犬は飛行機に乗ることができる?

クレートに入った犬

条件を満たしていれば受け入れている航空会社もありますが、会社によってそれぞれ規定が異なります。

特に夏は熱中症、冬は凍傷た低体温症の恐れがあることから、犬の受け入れを行っていない航空会社もあります。

飛行機での旅行を考えている方は、航空券を購入する前に確認しましょう。

飛行機に搭乗する犬の扱い

一部の例外を除き、犬は「受託荷物」として扱われ、貨物室にて運送されます。

離陸後の貨物室は完全に無人の状態になるため、夏場や冬場は暑さ対策・寒さ対策をしましょう。

飛行機に搭乗できる犬の年齢

各航空会社によって規定は異なります。

生後4カ月に満たない子犬、7歳以上のシニア犬にはより大きな負担がかかるため、例え元気であっても飛行機に乗せるのは避けましょう。

飛行機に搭乗できない・オススメしない犬

眠そうなパグ

子犬・シニア犬

前述の通り、生後4カ月に満たない子犬、7歳以上のシニア犬にはより大きな負担がかかることが懸念されます。

成犬に比べ、体温調節が難しい年齢のため、飛行機の乗せることは避けたほうが無難です。

短頭種

短頭種とは「ブルドッグ」「フレンチブルドッグ」「ボストンテリア」「ブルテリア」「チャウチャウ」「パグ」「シーズー」「狆」「ペキニーズ」「ボクサー」「キャバリアキングチャールズスパニエル」「チベタンスパニエル」「ブリュッセルグリフォン」といった犬種や、これらの犬種の血を引く雑種犬を指します。

短頭種は飛行機に搭乗することで、熱中症や呼吸器官へ悪影響を及ぼす可能性が高いため、飛行機に乗せることはできません。

病気を患っている犬

飛行機の貨物室は客室と異なり、気圧や気温の変化が著しく、 特に夏場は高温になることも考えられます。

このような状況下では持病が悪化したり、普段は発症しないような疾患を発症しやすくなったりする恐れがあります。

分離不安・閉所恐怖症

飼い主と離れると鳴く犬や、暗くて狭い場所が嫌いな犬にとって、貨物室でのフライトは精神的に大きな負担がかかります。

ストレスから自傷行為をする可能性もありますので、何かあったときに駆けつけられない飛行機での移動は危険といえるでしょう。


犬と飛行機を利用する際の流れ

空港

国際線と国内線で違いがあります。国際線の方が複雑なので、時間に余裕を持って手続きをするようにしましょう。

【国際線のみ】入国条件を確認する

犬が入国する際には、マイクロチップの装着や狂犬病の予防接種などの証明、入国許可証が必要になります。

入国条件や各証明書の言語、入国許可証のフォーマットは国により異なりますので、各国の在日本大使館などで事前に確認しましょう。


【国際線のみ】検疫を受けさせる

日本を出国する際は動物検疫所で検疫を受け、輸出検疫証明書を発行してもらう必要があります。出国の7日前までが目安となっていますが、入国する国によって申請時期が異なる場合もあります。

同意書にサイン

「フライト中に犬が怪我・死亡しても航空会社は責任を負わない」という旨の同意書にサインします。

犬を預ける

航空会社の規定に沿ったケージに入れ、ケージごと預けます。ケージの中に普段使っている毛布やおもちゃを入れることはできます。

【国際線のみ】検疫を受ける

目的の国に到着した際に受ける検疫です。日本出国前は飼い主が動物検疫所検疫に犬を直接連れて行きますが、別の国に入国する場合には、多くの国で強制的に検疫を受けることになっています。

国によっては何日・何週間もの時間を要する場合がありますので、おおよその所要日数を事前に確認しましょう。

犬を受け取る

国際線の場合は、着陸後に送られた検疫所にて受け取ります。国内線の場合は、多くは到着ロビーにある荷物受け取りエリアでの受け取りになります。

大手航空会社の規格

クレートに入った犬

航空会社によっても、国際線か国内線かによっても規定が異なりますが、いずれにしてもケージやクレートに入れた状態での輸送になり、場所の確保のため事前連絡が必要となります。

時期によって変更となる可能性があるため、利用する際は必ず各航空会社のホームページ等をご確認ください。

ANA(国内線)

・個人で用意したペットケージか、貸し出し用ペットケージを利用
・個人で用意した場合は、IATA(国際航空運送協会)の規定に適合したプラスチックや金属製のケージであること
・サイズはペットがケージの中で「立つ」「座る」「寝そべる」「回転できる」など、十分に動けるスペースがあるもの
料金 ペットケージ1つにつき、1区間あたり6000円(一部区間は4000円)
特筆事項 5月1日〜10月31日の期間は、ペットケージに保冷剤、給水器を取り付けるサービスを申込可能


ANA(国際線)

ケ|ジ 飛行機1機につき3檻まで
・コンテナ(檻)の3辺(縦・横・高さ)の和が292cm(115インチ)、もしくはペットとコンテナの総重量が45kg(99ポンド)を超える場合は搭乗不可
・硬い材質を使った、丈夫かつ底面から水漏れしない構造、ドア以外の3面に通気口が設けてある、安全ロック付き、ドアの内側に適切なごはん入れの箱または皿や、給水器が付いているケージであること
料金 ペットケージ1個につき1区間あたり2万5000〜4万円が目安
特筆事項 犬または猫を日本に連れてくる場合は、日本到着の40日前までに、動物検疫所への事前通知が必要


JAL(国内線)

クレ|ト ・個人で用意したクレートか、貸し出し用クレートを利用
・個人で用意したクレートがペットの安全な輸送に適当でないと判断された場合や、貸し出し用クレートの用意ができなかった場合は、搭乗便を変更される可能性あり
・ペットと他の受託手荷物を含め、合計100kgまで
・ペットとクレートの合計重量は32kgまで
料金 ペットクレート1個1区間あたり3000円~6000円
特筆事項 乗り継ぎがあり、乗り継ぎ時間が長い場合は、ペットにごはんや水を与えることができます。出発空港で預ける際に申請が必要です。


JAL(国際線)

クレ|ト 以下の条件を満たすクレートを個人で用意する必要あり
・ペットが立ち上がったり横になったり、動き回ったりすることが可能な大きさのもの
・硬質プラスティク製かグラスファイバー、木製などの強い素材であり、水漏れしないもの
・換気が十分にできるもの
・底面以外が金網状または格子状となっている鳥かごタイプのクレートは不可
・ペットが外に出られないように施錠できるもの
料金 チェックイン時にサイズなどを図ってからの提示
特筆事項 飛行機の種類によって搭載できるクレートの数に制限があるため、問い合わせ必須


犬が飛行機に乗る際のリスク

眠そうな犬

気温の変化

空調がまったく効いていないわけではありませんが、調節する人もいないため、人間の客室と比べると適切な温度を保つことは難しい環境です。

怪我の恐れ

ケージの扉が開いてしまう可能性はゼロとは言い切れません。

飛行機では予測不可能な揺れも多いです。過去にケージが開いてしまい、流血するほどの怪我をした事例もあります。

精神的ストレス

犬によっては、暗く大きな騒音が鳴り続ける貨物室で、1人ケージに入れられることに大きなストレスを感じてしまう恐れがあります。


過去には死亡事故も

実際に、飛行機に乗せたことが原因で死に至った事故が複数報告されています。

犬にとって飛行機は快適な乗り物ではなく、季節やその子に合った対策が必要であることを十分に理解しておきましょう。

犬を飛行機に乗せる際の対策

犬とおもちゃ

季節に合わせた対策を

貨物室は空調の調節がされないため、犬自身で体温調節ができるような環境をつくりましょう。

暑い季節は「給水器をケージにつける」「タオルに巻いた保冷剤を置く」「無駄なアンダーコートをブラッシングで処理しておく」といった暑さ対策、寒い季節は「愛犬の匂いのついた毛布をケージに入れる」といった寒さ対策を行うことをオススメします。

クレート・ケージに慣れさせる

クレート・ケージでのお留守番には慣らせておきましょう。

クレート・ケージが「安心な場所」と事前に学んでおけば、騒音の中でも安心することができます。

愛犬をクレートに入れたことがない飼い主さんは、早めに慣れさせましょう。

愛犬のお気に入りグッズを入れる

愛犬お気に入りのおもちゃやものがあれば、クレートやケージに入れてあげましょう。

普段から使っているものがあれば、不安が少なくて済みます。

まとめ

クレートに入った犬

犬を飛行機の乗せる場合は、事前に各航空会社の規定を確認しましょう
飛行機は犬にとって大きな負担になる可能性のある移動手段です
移動期間中のストレスを軽減するための工夫や準備をしましょう

犬を飛行機に乗せることは、特別な事情を抱えた犬だけでなく、元気な犬にとっても負担となる可能性のある移動手段です。

ペットホテルに預けるほうが犬にかかるストレスは少なく済むこともありますので、愛犬の年齢や体調に合わせた選択をしましょう。



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