【獣医師執筆】犬はチンゲン菜を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】犬はチンゲン菜を食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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チンゲンサイはシャキシャキとした食感が特徴で、犬が食べても大丈夫な野菜です。チンゲンサイに含まれるシュウ酸は結石の原因にもなるため、加熱調理する必要があります。今回はチンゲンサイを犬に与える際の方法や注意点について解説します。

犬が食べて大丈夫なチンゲン菜の栄養成分

チンゲンサイ

チンゲンサイ(チンゲン菜、青梗菜)はカリウム、カルシウム、βカロテン、ビタミンCなどが豊富で、犬が食べても大丈夫な野菜です。年間を通して流通するアブラナ科の中国野菜で、1970年代から日本でも生産されるようになりました。

チンゲンサイ 小松菜 ほうれん草 白菜
エネルギー 11kcal 14kcal 23kcal 13kcal
カリウム 250mg 140mg 490mg 160mg
カルシウム 120mg 150mg 69mg 43mg
βカロテン 2600μg 3100μg 5400μg 130μg
ビタミンC 15mg 21mg 19mg 10mg
食物繊維 1.5g 2.4g 3.6g 1.4g
※各茹で100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)

カリウム

カリウムは過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。ただ腎臓が弱っている場合はカリウムが過剰になり、心臓にダメージを与えてしまいます。腎臓に不安のある子は摂取量に気を付けましょう。

カルシウム

カルシウムは骨や歯の材料になるだけでなく、神経の情報伝達にも重要な役割を持ちます。不足すると脳が正常に働かなくなり、イライラにつながります。

βカロテン

犬はβカロテンを体内でビタミンAに変換することができます。ビタミンAは健康な被毛を保ち、視力維持にも役立ちます。不足することで免疫力の低下や骨の形成不全につながります。

ビタミンC

ビタミンCは強い抗酸化作用が特徴で、がん予防やアンチエイジングの効果が期待されます。生体内の異物を解毒する作用や、免疫機能を向上させる作用もあります。犬はビタミンCを体内で合成することが可能です。

食物繊維

食物繊維は摂取しても栄養にはなりませんが、血糖値の上昇を抑えて肥満を予防したり、大腸を刺激して便秘を改善したり、腸内細菌のエサになって腸内環境を改善したりしてくれます。


犬にチンゲン菜を与える際の注意点

チンゲンサイ

チンゲンサイを食べさせる際は、以下の点に注意しましょう。

  1. シュウ酸
  2. グルコシノレート/ゴイトロゲン
  3. アレルギー

01【犬にチンゲン菜を与える際の注意点】シュウ酸

チンゲンサイには犬にとって尿石症の原因になるシュウ酸が含まれます。シュウ酸は茹でることで減らせますので、チンゲンサイを与える際は沸騰したお湯で1分ほど茹でるようにしてください。カルシウムと一緒に摂ることで体内での吸収率を下げることもできます。

※参照:「シュウ酸の摂取について工夫すべきことはあるか」(日本医療機能評価機構)

02【犬にチンゲン菜を与える際の注意点】甲状腺

グルコシノレートや体内で分解してできるゴイトロゲンは、甲状腺を腫れさせる物質で甲状腺機能低下症や甲状腺腫瘍、甲状腺癌を引き起こす可能性があります。加熱調理で不活性化しますし、毎日大量に食べない限り大きな問題になることはありません。

※参照:「ゴイトロゲン(甲状腺を腫れさせる食物)」(長崎甲状腺クリニック)

03【犬にチンゲン菜を与える際の注意点】アレルギー

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。



犬へのチンゲン菜の与え方

チンゲンサイ

チンゲン菜を食べさせる際は、「加熱」して「適量を与える」ようにしてください。

01【犬へのチンゲン菜の与え方】生はNG

チンゲンサイは生で食べてもすぐに問題になることはありませんが、加熱調理することで「シュウ酸」や「グルコシノレート/ゴイトロゲン」のリスクを下げることができます。茹ですぎるとビタミンも出てしまいますので、茹で時間は1分を目安にしてください。

02【犬へのチンゲン菜の与え方】適量を与える

前提として、犬は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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まとめ

畑のチンゲンサイ
チンゲン菜はミネラル・ビタミンが豊富な野菜
シュウ酸が含まれるため加熱調理する
最適カロリーを計算して適量を与える
中華料理で定番になったチンゲン菜は、犬も食べられる野菜です。シャキシャキとした食感が気にいるワンちゃんも少なくないでしょう。生で与えても中毒性はありませんが、シュウ酸など気になる成分も含まれます。必ず加熱調理して、安全に与えるようにしてください。

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