【トレーナー動画解説】犬への正しい叱り方|正しい怒り方の注意点を解説
犬のしつけ、正しくできていますか?犬に「イケナイ」と教えるときに大切なことは「怒る」ことではなく「叱る」ことです。叱り方にもさまざまな方法があり、犬種や性格、状況によっても異なります。マズルや首を掴んだり、怒鳴る、叩くなどは絶対にやってはいけません。方法を間違えると、逆上した犬に噛まれたり、恐怖でお漏らししてしまうこともあります。今回は、ドッグトレーナーの西岡が、犬の正しい叱り方について解説します。
犬の叱り方を学ぶ前に
愛犬を「叱る」必要性
叱ることは必要です。しかし、絶対に怒らないようにしましょう。「叱る」と「怒る」は異なることを念頭において、愛犬とコミュニケーションを取りましょう。
犬に「怒る」と「叱る」の違い
怒るとは「感情を直接ぶつけること」で、叱るとは冷静に「いけないことと正しい行動を教えること」です。飼い主さんの「良い」としない行動をとった犬に対して「それはいけないことだと叱り、正しい行動がなんなのか教える」。ここまでが「叱ること」の1セットです。
それには飼い主さんがイライラしていては成り立ちません。もちろん、大切にしているものを壊されたり、疲れて帰ってきたら部屋が粗相まみれにされていたりすれば、冷静でいることは難しいでしょう。
しかし、怒りという感情を愛犬にぶつけることでは状況は何も変わらず、むしろ逆効果になります。
犬への正しい叱り方
犬を叱る上で一番重要なのは、その行動を「なぜしたのか?」、もしくは「なぜしているのか?」と考えることです。犬が興奮している場合はクレートやケージで落ち着かせることも大切です。また、叱っても反省しない場合もありますが、根気強く長い目で見てあげることが大切です。
子犬の場合はまだ分からないことも多いため、犬のことを理解してあげましょう。成犬や保護犬でもトレーニング次第で改善することはできます。
言葉で叱る方法
飼い主さんが冷静を保てている場合には、言葉で叱ることも有効です。しかしこれにもポイントがあります。それは「伝わりやすいように短い単語で叱る」「少し大きめの低い声で叱る」ということ。
お手本は、犬の唸り声の高さです。立ったまま見下ろして叱りましょう。そうすることで、愛犬にプレッシャーをかけることができます。
その時の犬の仕草に注意してください。背中が丸まり、耳が後ろのほうに垂れて、上目遣いや目を合わせようとしない場合は、叱られていることを理解しています。
注意点として、手を振り上げるなどの叩くフリをするようなことはせず、人間の子どもを叱るように低い声で叱りましょう。
「無視」で叱る方法
感情的になった時に最も有効な方法は「無視」です。イタズラや飼い主さんが嫌がることをするのは「構って欲しい」という気持ちの現れでもあります。場が荒らされていた場合には、イライラをぶつけて怒鳴ることよりも、淡々と片付けましょう。
無視する際のポイント
- 一切目を合わせない
- 声をかけない
- 触らない(撫でるといった愛情表現として)
- 片付けのためなどでどいて欲しい時は黙って押す(優位な立場にいる犬が下位の犬に対して行う仕草です)
- 家族みんなで無視を統一する(無視を守れそうにない方には別の部屋に避難してもらいましょう)
心が痛むかもしれませんが、15分〜30分は完全に無視しましょう。もし、「時間的にどうしてもご飯をあげたい」というような場合でも、目を合わせず、ごはんを置きましょう。
犬は異変にすぐに気付き、しょんぼりしたり、構ってもらおうとおどけてみたり甘えてきたりするでしょうが、無視です。決めた時間が来たら何かコマンドを出し、言うことを聞いたら無視は終わりです。
やってはいけない犬の叱り方と注意点
感情をぶつけて逆ギレして怒らない
最もやってはいけない叱り方としては、愛犬に「感情をぶつけて怒ること」の一言につきます。感情任せになると、犬にとっていけないことが何なのかわからず、犬にトラウマだけ植え付けさせてしまう恐れがあります。
名前を連呼して叱らない
名前を連呼して叱るのはやめましょう。なぜなら、呼び戻しなどのトレーニングにおいて、名前は「呼ばれたら楽しいことや良いことが起こる単語」であって欲しいからです。マズルを掴まない
「マズルを掴む」というのは、昔は推奨されていた方法ですが、現在は推奨されていません。マズルを握られる恐怖心や、舌を挟んだ状態で掴んでしまうなど、痛みのあまり犬が自己防衛のために飼い主さんを噛むこともあります。
体罰は与えない
体罰に関しても、飼い主さんや犬には必要がない場合がほとんどですのでやめましょう。同様に、チョークチェーンやリードショックなど、グッズを使って体罰を行うは、一般の飼い主さんには高度な技術を必要とするため、おすすめできません。
その他、電流首輪は信頼関係を築くようなしつけではなく、ただの恐怖を与えるだけのものなので、絶対に使用しないようにしましょう。
必要以上に叱りすぎない
犬によっては、叱られることで精神的に追い込まれ、心身に影響を及ぼす可能性もあり、飼い主さんとの関係性を悪化させてしまう要因になることもあります。どうしても改善しない場合や疑問点がある場合には、そのまま叱り続けずに、家庭犬をメインに扱っているドッグトレーナーに相談することをおすすめします。
警察犬などの使役犬を扱っている訓練師さんはトレーニング方法が異なるためおすすめしません。
犬の気質やサイズにあった叱り方
小型犬
チワワやトイプードルなどは、叱られたことがストレスで下痢などの体調不良を起こす場合もあるため、愛犬の様子を見ながら叱りすぎに注意しましょう。テリア系の犬
テリア系の犬たちは、叱られても叱られていると理解せずにあっけらかんとしている子が多いです。このような場合には、少し強めの言葉、もしくは長めに無視をして叱ることが必要です。
なかには繊細なテリア犬種や大型犬もいますので、100匹いれば100通りの叱り方があります。
パピートレーニングで性格を把握することや、カウンセリングなどでトレーナーに相談しアドバイスをもらうことが一番望ましいでしょう。
犬には褒めて終わりにすることが重要
叱っても、最後には褒めて終わりにすることが、飼い主さんにとっても、愛犬にとっても1番楽しくトレーニングが行えます。
私はいつも「すべてゲームだと思ってください」と話しています。ゲームにはルールがあり、それに則って進められます。
トイレにしても、シートの上にできれば褒めてあげる。違う場所にしてしまったらルール違反だから何もなし。しかしこのトイレゲームも、愛犬のレベルに応じて、最初はトイレの数を増やすことや、広いトイレにしてルールを守って成功しやすいようにしてあげましょう。
そしてだんだん難易度を上げていきます。こうすることで、褒めることを大前提にしつけることができるため、飼い主さんも叱るストレスから解放されやすいでしょう。
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まとめ
しつけをする上で必要なのは「怒る」ことではなく「叱る」こと
罰を与える叱り方では、本質の改善にはならない
叱った後は、何事も「褒める」ことで終わらせられるようなトレーニングを
叱るということは、犬を育てていくために必要不可欠ではありますが「なぜそのような行動に出たのか」ということを考えてみてください。
そして「叱らなくても良い環境」を人間側の工夫で作ることはできないかどうかについても、よく考えてみましょう。
犬は、人間の社会に合わせて生きていかなければいけません。その場合には、どうしても伝えきれない気持ちや消化できないストレスがあるでしょう。
そういったストレスを少しでも溜めなくて良い環境作りをすることは、飼い主さんと愛犬のより良い関係性を築くことにつながると思います。
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