【トレーナー解説】犬を無視するしつけの効果的なタイミングと時間は?犬が飼い主を無視する理由も解説
犬のしつけで「無視をするといい」と見聞きしたことがある飼い主さんも多いと思います。しかし、なぜ無視が効果的なのでしょうか。その理由をしっかり理解し、タイミングや時間など「適切な無視」ができているでしょうか。無視は簡単に思えて意外と奥が深いものです。今回は「正しい無視の仕方」と「犬が飼い主を無視する理由」についてドッグトレーナーの西岡が解説します。
犬のしつけで無視が効果的な理由
犬のしつけにおいて「無視」が効果的だと言われている理由は、「叱ることよりも人が行動しやすいため」です。
適切に叱ることは難易度が高く、愛犬を本気で叱れなかったり、人によって叱り方に差が出たり、反対に強く叱り過ぎたりということが起こり得ます。
適切に叱れないということはしつけにはならず、場合によっては状態を悪化させることにつながります。反対に褒めるしつけだけをすればいいというわけでもなく、本当に「やってはいけないこと」や「止めさせたい行動」をしたときに対応に困ってしまうでしょう。
犬への正しい無視の仕方と注意点
「無視」はタイミングと時間が重要
タイミングは、止めさせたい行動(目の前にいる人への行動が主)発生時、無視の時間はその行動が終わるまでです。それ以上早く終わらせたり、それ以上長く無視をすると、犬にとって「何がいけない行動なのか」理解できなくなるため、メリハリをつけてしつけを行いましょう。
「無視」の定義
無視は「反応しない」ということです。しかし、人にとって反応しないという行動は、意識しないと難しいもの。非言語コミュニケーションが主な犬にとって、人のちょっとした反応も見逃しません。「言葉をかける」「なでる」「何かしてあげようと行動する」以外にも「微笑む」「視線を向ける」ということも、反応のうちに入ります。
飼い主さんにとっては反応してないつもりでも、ついつい愛犬を見ることもあるので、無視するときは意識して、徹底的に無視することが大切です。
「無視」は「罰」ではない
「無視」というしつけは「罰」ではありません。ここでの「無視」の目的は、犬に寂しい思いをさせることではなく、犬に「そんなことをしてもムダ」を教えてあげることが目的です。無視は犬と過ごした時間に関係なく、ルールと理屈が分かれば誰にでも行えるしつけ方法です。そのため、人が大好きで初めて会った人にも飛びつく場合にも、応用することができます。
「今トレーニング中なので、飛びついている間は無視してください」と協力してもらいましょう。
無視が効果的な犬の行動
無視のしつけが良いとはいっても、しつけの内容によって向き不向きがあり、効果的なのは「飼い主に対しての行動」です。
吠え
「吠えたら無視すればいい」というわけではなく、状況に応じて無視が効果的な場合と効果的じゃない場合があります。例えば「来客時のチャイムに吠える犬」と「遊んでほしくて飼い主さんに向かって吠える犬」で、無視が効果的なのは「飼い主さんに向かって吠える」です。
犬は、飼い主さんに反応してほしくて吠えます。その理由が「遊んでほしい」であれ「おやつが欲しい」であれ、飼い主さんに対しての要求吠えであることに変わりません。
要求吠えをする犬は、吠えたら自分の要求が通ることを学習しています。そのため、吠えても「要求が満たされない」ことを教える必要があります。
飛びつき
「早く撫でてほしい」「構ってほしい」という欲求行動です。飛びついている間は構わないで、徹底的に無視することが大切です。犬が落ち着いて飛びつかなくなってから構ってあげましょう。
甘噛み
痛いからと、手足を引っ込める行動は取らないほうが良いでしょう。「獲物を追う」という犬の本能をくすぐる動きのためです。一見、声を出さず手足を引っ込めることは反応してないようにも感じられますが、犬にとっては楽しいおもちゃでしかありません。
遊びの最中に甘噛みをしてくる場合には遊びを止め、その場から静かに立ち去りましょう。
また、甘噛みをしない時や吠えていない時こそたくさん褒めてあげて、メリットがあるということを犬にしっかり伝えてあげましょう。
犬が飼い主を無視する理由
学習によるもの
最も多いのが、学習による「無視」です。今までの経験から「無視してもいいこと」「指示に従うと嫌なことが起こる」といったように、犬があえて無視していることがあります。犬が理解できない指示の仕方をしている
教えていない指示(コマンド)を伝えても犬は理解できません。また、人にとっては同じような言葉であっても、犬は理解できないことがほとんどです。いつもは「おいで」と呼んでいるのに、来ないからといって「来なさい」「帰るよ」「おいでってば」など言い方を変えていませんか?
「飼い主さんの元へ行く」という行動を「おいで」という言葉で教えていた場合「他の言葉」や、同じ言葉であっても「音の高低」「言葉の強弱」が違えば、犬にとっては理解することはできません。
心の余裕が無い
激しい緊張状態や、恐怖状態、興奮状態の場合には、飼い主さんの声であっても耳に入らないことがあります。または、聞こえてはいるが行動に移せないということがあります。
体力・集中力の限界
たくさん運動した後や、数十分もトレーニングしている場合には、疲れから応えられないことが考えられます。特にトレーニングにおいては、犬の集中力は15分程度といわれています。
早く覚えさせたいからと、数十分も行っては集中力が持ちません。犬のことも考えて、時間を決めて行うようにしましょう。
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犬の無視へのしつけは長期的なもの
「無視」するしつけは「叱る」しつけより飼い主側が行いやすい
無視が効果的なのは、飼い主に対する行動のしつけ
やめさせたい行動発生時に、その行動が終わるまで無視する
しつけは「できたからおしまい」ではなく、長期的に行い、習慣化することが大切です。
はじめは愛犬を意識して観察し、しつけをすることになりますが、習慣化することで意識しなくても「無視」できるようになるでしょう。
愛犬のペースに合わせて、ゆっくり気長に信頼関係を構築していきましょう。
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