犬の早食いは防止すべき? 理由やデメリット、対策グッズを紹介【獣医師監修】

愛犬の早食いが気になったことはありませんか? 早食いする子だと1分程度で、あっと言う間に食べ終わってしまう子も。犬の早食いは珍しくありませんが、健康へのデメリットも多くあります。今回は犬が早食いする理由と、その防止対策を獣医師監修のもと、解説します。

この記事を監修した専門家

獣医循環器学会認定医
佐藤 貴紀獣医師

目黒アニマルメディカルセンター/MAMeCの顧問獣医師。獣医循環器学会認定医。麻布大学獣医学部卒業。dogdays東京ミッドタウンクリニック副院長、白金高輪動物病院院長を経て2011年、中央アニマルクリニックを附属病院として設立し、総院長に就任(現在は顧問獣医師)。獣医循環器学会認定医。「一生のかかりつけの医師」を推奨するとともに、専門分野治療、予防医療に力をいれている。

犬が早食いをする理由

オオカミ

「早い者勝ち」という習性

犬の祖先が野生で暮らしていた頃、獲物を倒したからといって安心できず、少しでも早く胃の中に入れる必要がありました。犬はリーダーを筆頭として群れで暮らす動物だったため、強い犬が多くのご飯を食べられる社会で生きていました。

大勢いる仲間の中でより多く食べるためには、早く食べる必要があったのです。

「しっかり噛む」歯の構造ではない

犬はもともと「ゆっくりと食べ物を噛む」という習性がありません。これは犬の祖先が肉食動物だったことに大きく関係してします。

犬は人間との暮らしの中で雑食性になったと考えられますが、本来は肉食のため、犬の口や内臓などの消化器は、肉を食べることに特化した構造になっているのです。

また、オオカミが獲物を倒して肉を骨からこそげ取って丸呑みするように、犬の歯も肉を引きちぎることに特化しています。人間の歯のように食べ物を噛んだりすりつぶしたりする構造にはなっていないことに起因します。


犬の早食いが引き起こす健康被害

犬

犬の早食いは習性のため、ある意味当たり前の行動です。しかし、早食いは健康に悪影響を及ぼす可能性があるので、対策を考える必要があります。

窒息・誤嚥性肺炎を引き起こす恐れ

一口で丸呑みも珍しくはないので、食べ物の大きさにも気をつける必要があります。のどに詰まると、窒息して死亡する恐れがあります。また、誤って食べ物が気管へ行ってしまい、誤嚥性肺炎を発症する可能性があります。

胃拡張になる可能性

一気に大量の食べ物が胃に入ってくることで、胃が拡張して起こる病気です。発症すると嘔吐や消化不良を引き起こします。

歯周病になりやすくなる

犬の唾液は歯周病を防ぐ上で大切な役割があります。唾液にはバクテリアやウイルスの繁殖を抑える抗体などが含まれています。

それらの物質は歯垢の雑菌の繁殖を抑えてくれる働きがあるのですが、早食いで唾液が口に行き渡らないと雑菌が繁殖し、歯石となって歯周病を発症しやすくなります。


犬の早食い防止策

早食い防止グッズを使用する

早食いを防止するフードボウルやおもちゃはペットショップ、ホームセンター、インターネットで多く販売されています。物理的に「丸呑みしづらい」環境をつくることは早食い防止に効果的ですし、手軽に始めることができます。

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ドッグフードを見直す

大きな粒のフードの方が丸のみしづらく、噛みやすいので必然的に噛んでからのみ込むことが増えます。しかし、すでに早食い傾向のある犬の場合多少大きさが変わったからといって、気をつけて食べようとはなりにくいでしょう。

むしろ、大きさの変化に気が付かずに変わらず早食いをした場合にのどに詰まる恐れや、嘔吐や消化不良、下痢といった症状を引き起こす可能性があります。

いきなりフードの大きさを変えず、グッズと併用したり、少量を手からあげたりして噛む癖をつけるよう心がけることが大切です。


フードをふやかし、食事回数を増やす

フードをふやかし、食事回数を増やすことは、早食いの根本的な解決にはなりませんが、早食いすることによる体の負担を減らすことができます。

フードをふやかすと、詰まらせる心配が少なくなります。食事回数を増やすと、胃拡張のリスクを減らすことができるでしょう。食事回数は増えても、1日分の量は守ってください。早食い対策グッズを購入するまでの一時的な対策として検討してみてください。

食事場所を分ける

多頭飼育の場合は早食いが増長される傾向があります。前述した通り、犬の早食いの原因は、他の犬にとられないように早く食べるという習性があるためです。

そのため、1匹1匹安心して食べられるようにケージなどを使い、別々の食事場所を設けてあげましょう。

まとめ

犬

早食いは異常な行動ではありません
健康に害を及ぼす可能性がある行動です
グッズを使って早食い対策をしましょう

対策をしても、すぐに改善されるわけではありません。対策を続けることで、少しずつ早食いを抑えることはでき、負担を減らすことができます。


第2稿:2020年5月19日 公開
初稿:2018年6月5日 公開
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