愛犬が長生きする3つの秘訣!シニア犬(老犬)でもずっと元気でいてもらうためにできること

愛犬が長生きする3つの秘訣!シニア犬(老犬)でもずっと元気でいてもらうためにできること

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こんにちは、ペット栄養管理士の山本です。飼い主さんなら誰しも、「愛犬にいつまでも健康で長生きしてほしい」と願うもの。長生きする犬にはいくつかの特徴があります。今回はドッグフードの選び方や愛情の注ぎ方、スキンシップの仕方など、犬に長生きしてもらうための秘訣を解説します。#犬の食育

犬が長生きするための秘訣とは

白のマルプー

まず大前提として、犬も人も「これを食べれば」「これをすれば」といった長生きの近道はありません。日常の小さな「体に良いこと」が積み重なり、長生きにつながるのです。

それは、愛犬が病気になったりシニア犬(老犬)になったりしたとき「もっと長生きするためにはどうすればいいんだろう?」と考え始めるのでは遅いということでもあります。

では、その「小さな体に良いこと」とはどんなことなのでしょうか? 飼い主さんに注目していただきたいのは、「食事」「環境」「運動」についてです。それぞれ詳しく解説していきます。


1. 犬が長生きするための「食事」

PETOKOTO FOODSとチワワ

私たち自身がよく知っていることですが、食事は体作りの基礎になります。それは犬にとっても同じこと。良い食事をしていれば寿命が延びますし、良くない食事をしていれば長生きはできないでしょう。

近年、犬の平均寿命が伸びていることは、ドッグフードの歴史と無関係ではありません。最初はその歴史を振り返ることから始めましょう。

「人間のごはん=犬のごはん」だった時代

ドッグフードの登場は1860年頃、ロンドン在住のアメリカ人が犬用ビスケットを作ったのが最初と言われています。1922年に馬肉の缶詰が発売され、現在のドライフードは1957年に誕生しました(※)

実は、今でこそ一般的となった「カリカリ」ですが、犬と人の歴史を考えれば歴史の浅いごはんです。そのドライフードが普及する以前は、私たちの残飯が犬のごはんでした。子どもの頃、実家で飼っていた犬がそうだったという方は少なくないと思います。

犬の家族化、犬の栄養学が進んだ今だからこそ「良くないこと」と思えますが、当時はそれが当たり前でした。しかし残念なことに、犬の平均寿命が今の半分以下だった理由とごはんの質は、無関係とは言えないでしょう。

※参照:『動物看護のための小動物栄養学』(ファームプレス)

犬の寿命を延ばした「ドッグフード」

ドライフード

残飯は犬にとって栄養が偏っていただけでなく、玉ねぎなど犬が食べてはいけない食材が含まれていたであろうことは、容易に想像ができます。その状況が、犬の栄養を考えて作られたドッグフードの登場によって大きく変わりました。

お手頃な価格で買えて、袋から出して与えるだけで済むドライフードは飼い主さんにとって革命的だったと思いますし、犬も以前よりも健康に生きられるようになり、平均寿命は飛躍的に伸びました。40年前は犬の平均寿命は3歳前後でしたが、今や15歳に届くほどです。

ドッグフードメーカーも研究を続けて質は高くなり、最近は「プレミアム」や「ヒューマングレード」をうたった商品も増えました。一方で、ふと「なぜドライフードを食べさせているんだろう?」と考える飼い主さんも増えてきました。


長生きの秘訣は「手作り食」

ベルギーのジェラルド・リッパー獣医師ら研究チームが「長生きする犬とそうでない犬の違い」について調査したところ、食事が関係していることが明らかになりました。市販フードを食べている犬より、手作りごはんを食べている犬のほうが3年近く長生きしていたのです(※)

フレッシュタイプの手作りご飯と従来のドッグフードを食べている犬の平均寿命

研究チームは、手作りのほうが食材が新鮮で栄養の吸収率が高いこと、市販フードは高温加熱や成型の際に栄養が失われる余計な添加物が入っていることが原因ではないかと考察しています。

ただし、PETOKOTOでは毎日の食事を手作りにすることはオススメしていません。犬の栄養は人と違いますので、しっかり勉強して知識がある人でないと、逆に不健康な食事を食べさせることになってしまうからです。

最近では新鮮な食材を使って余計な添加物が入っていない手作りフードも販売されるようになりました。ペトことオリジナルのドッグフード「PETOKOTO FOODS」もその一つで、解凍するだけで手作りと同じ新鮮なごはんを食べさせてあげることができます。

PETOKOTO FOODSを欲しがるビーグル


長生きにつながる野菜・果物などオススメ食材

繰り返しになりますが、「これだけ食べればいい」というものはありませんが、小さな効果でも長く続けることで、長生きにつなげられます。オススメの野菜や果物をいくつか紹介します。

  • 野菜:トマト、ブロッコリー、キャベツ、大根
  • 果物:りんご、みかん、柿
  • その他:鮭、ごま

野菜では、トマトに「リコピン」、ブロッコリーに「スルフォラファン」という成分が含まれ、どちらも抗酸化作用が期待できます。キャベツと大根には「イソチオシアネート」という成分が含まれ、がんの予防効果が期待されています(※)

果物では、りんごの皮に「アントシアニン」、みかんに「クリプトキサンチン」、柿に「βカロテン(ビタミンA)」が多く含まれ、それぞれ抗酸化作用が期待できます。

そのほか、鮭に「アスタキサンチン」、ごまに「ゴマリグナン」が多く含まれ、抗酸化作用が期待できます。特にゴマは紫外線による皮膚の損傷を抑える効果も期待されています。


トッピングやおやつで与える際の適量

いくら健康に良い食材といっても、与えすぎれば肥満の原因になって逆効果です。トッピングやおやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。

1日の最適カロリー量はペトことオリジナルのドッグフード「PETOKOTO FOODS」の「フード診断」で簡単に計算することができます。

フード診断を受けてみる


2. 犬が長生きするための「環境」

ここで言う「環境」とは、広い意味で「犬の生活」と考えてください。普段の生活の中でも重要な「部屋」「病気」「ストレス」について解説していきます。

「室内飼い」から一歩前へ

PETOKOTOFOODSを見つめる犬と母娘

ちょっと前まで「犬は庭の犬小屋にいるのが当たり前」でしたが、今は「室内飼い」が当たり前になりました。犬の家族化が進んだ結果と言えますが、犬の健康を考えれば必然とも言えます。

家の外は気温や天候の変化が激しいですし、事故や感染症のリスクもあります。具合が悪いときも気づくのに時間がかかってしまうでしょう。家の中にいれば、より安全に過ごすことができます。

しかし、家の中にいればそれでいいというわけでもありません。家の中でも誤飲事故は起こりますし、夏は熱中症にも気をつけなければいけません。しっかり様子を見て、何かあったときすぐ異変に気づいてあげられなければ外にいるのと同じになってしまいます。


「病気」にならなくても動物病院へ

病気になったら動物病院へ行くというのは多くの飼い主さんにとって当たり前の話だと思いますが、大事なのは悪化する前に動物病院へ行くことです。健康診断をもちろん、いつもと違う様子でも過信せず診てもらうことで、問題を早期に発見することができます。



前述したリッパー獣医師らの研究では、不妊去勢手術の有無で寿命に2年近く(21カ月)の差が出ることがわかったそうです。適切な時期に手術を行うことで、「乳腺腫瘍」や「子宮蓄膿症」「睾丸の腫瘍」「前立腺のトラブル」「会陰ヘルニア」といった病気のリスクを減らすことができます。

愛情も過ぎれば「ストレス」に

リッパー獣医師らの研究では、飼い主さんの接し方についても言及されています。独身男性が愛犬に友人のような接し方をするのに対し、独身女性は自分の子どものように捉え、過度な愛情を注ぐ傾向があると述べられています。

これは病気の早期発見につながる良い面がありつつ、犬にとってストレスになってしまう可能性があります。「分離不安」は、犬の問題だけでなく飼い主さんの問題でもあります。心当たりがある方は、適度な距離感で接することができるように心掛けてください。

3. 犬が長生きするための「運動」

白と黒の犬

健康でいるためには、犬も「よく食べ」「よく寝て」「よく遊ぶ」ことが大切です。長生きの秘訣の最後は、運動について解説します。

「外に出ること」も散歩の目的

犬の運動といえば「散歩」が思い浮かぶと思いますが、毎日できていますか? チワワなど超小型犬は「室内運動だけで大丈夫」と説明するペットショップもあるようですが、散歩がいらない犬はいません

散歩は運動になるだけでなく、匂いを嗅ぐことでさまざまな刺激にもなっています。外には家の中にはない発見があり、それが犬のストレス解消になっているのです。仕事が忙しくて難しい日は散歩代行を利用するなど、無理せず愛犬に運動させてあげましょう。

「肥満」は寿命を縮める

寝るシニアの犬

運動はストレス解消になるだけでなく、肥満予防にもなります。アメリカのネスレリサーチセンターが行った研究によると、肥満の犬と正常な犬で寿命に2年近い差が出たそうです。

肥満は免疫力を下げてさまざまな病気につながりますし、関節の負担にもつながります。変形性関節症など、特に大型犬で注意が必要です。


健康だから、運動できる

運動は健康のためにするものと考えがちですが、それは若くて元気なときの話。病気になってから、年を取ってからでは運動はできなくなってしまいます。動けないことが病気を進行させる悪循環につながってしまうことも。

運動は健康だからでき、運動をするから健康でいられるのです。日常生活が制限されることなく送れる「健康寿命」を延ばすために、若いときから適度な運動ができるようにしてあげてください。

愛犬が長生きする秘訣は愛情から

PETOKOTO FOODSを欲しがるポメチワ
手作りごはんを食べている犬は長生きする
不妊去勢手術をした犬は長生きする
適正体重の犬は長生きする
ギネスブックによると、世界最長寿の犬はオーストラリアの「ブルーイー」で、その寿命は29歳5カ月でした。日本でも存命犬の最長寿としてギネスに掲載されていた雑種の「ぷースケ」が26歳9カ月で大往生したそうです(※)

愛犬といつまでも元気でいてもらうためにも、「食事」「環境」「運動」を見直して、より良い生活が送れるようにしてあげてください。気負わず、小さなことを長く続けるのが大切です。


【動画解説】ドッグフードの選び方

YouTubeのPETOKOTOチャンネルでは、獣医師の佐藤先生がドッグフードの選び方について解説した動画を公開しています。あわせてご覧ください。