短足犬はどうして足が短いの? 理由や飼う上で注意すべき点を紹介

短足犬はどうして足が短いの? 理由や飼う上で注意すべき点を紹介

人間の世界では「胴長短足」は全く褒め言葉にはなりませんが、犬の世界ではコーギーや ダックスフントなど、胴長短足の犬種は長らく安定した人気を誇っています。短足な犬種は主に小型犬に多く、ちょこまかと動き回る動画を見ているだけで、とても幸せな気分になりますよね。日本でも人気のある犬種から、沖縄生まれの短足犬「大東犬」まで、かわいい胴長犬種はいつの時代も愛されてきました。短足犬の足が短い理由や飼う上で注意すべき点を紹介します。

短足犬とは

コーギー

代表的な短足な犬といえばコーギーダックスフントです。彼らはもともと何かしらの使役犬で、その役目に合わせてこのような体型に改良されてきました。

例えばコーギーはもともと牧畜犬で、牛に蹴られるのを防ぐために短足で体高の低い形に、ダックスフントは狩猟犬で、アナグマやキツネの巣穴により入りやすくするために、細長いフォルムになっていったのです。

一方でペキニーズパグのように、最初から愛玩犬だったにも関わらず短足な犬種もいます。それも人為的に見た目の愛らしさを追求して改良されていったものなのでしょう。

このように、短足同士を掛け合わせる品種改良によって、足の短い犬種が登場しました。

短足な犬特有の遺伝子変異

アメリカの科学誌「サイエンス」の発表によると、ダックスフントをはじめとする短足犬種と、短足でない犬種との間にはDNAの配列にわずかな差があるようです。FGF4というたんぱく質をつくる配列の重複が、短足犬種には見られたのだそうです。

必要な配列でも過剰発現してしまうと良くないようで、このおかげで本来の成長速度で足が伸びる前に骨化するため、短足になってしまうということですね。

この遺伝子変異はハイイロオオカミというオオカミにも見らるため、野生でも突然変異として短足のオオカミが生まれないとも限りません。

でも野生のオオカミで短足となるとそのまま繁栄するとは考えづらく、おそらく自然淘汰されてしまいます。だからやはり短足の犬種というのは人間が目的に合わせて交配を繰り返して生み出したものに他なりませんね。


短足犬の種類

人気犬種

ウェルシュ・コーギー・ペンブローグ、ウェルシュ・コーギー・カーディガン

コーギー子犬

コーギーは、実は「ウェルシュ・コーギー・ペンブローグ」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類に分けられます。JKCの登録数としてもペンブローグが5000匹以上いるのに対してカーディガンは100匹未満なため、街で見かけるコーギーはほぼペンブローグでしょう。

カラーでいうとブリンドルという色はペンブローグでは認められていないため、ブリンドルであればカーディガンといえます。

また、最近は尻尾の長いままの子もよく見かけますが、ペンブローグの方はもともと断尾する習慣があったようで、断尾しているコーギーはペンブローグであることが多いです。


ダックスフント

歩くダックス

ダックスフントにはスタンダード、ミニチュア、カニーヘンの3つのサイズがあります。よく見かけるのはミニチュアかカニーヘンですね。

毛色はさまざまで長さについても、スムース、ワイヤー、ロングと種類があり、見た目だけでたくさんのバリエーションがある個性豊かな犬種です。

家庭犬として絶大な人気を誇るダックスですが、分類としてはあくまでも現役の猟犬であるため、勇猛果敢でよく吠えてしまうことにお悩みの飼い主さんも多いです。



ペキニーズ

ふさふさの長毛と鼻ペチャなお顔が愛らしいペキニーズも、短足犬種の有名どころですね。「毛のせいで大きく見えるのかな?」と思って抱っこしてみると案外ズッシリと重さを感じる、骨太な小型犬です。

もともと愛玩犬として歴史があり、タイタニック号から生還した犬たちの中にもペキニーズがいたそうです。



バセットハウンド

バセットハウンド

マリリン・モンローの愛犬としても有名なバセットハウンド。元はキツネやウサギなどを狩る狩猟犬でありながら、性格はとてものんびりしていて穏やかです。胴長短足な上に特徴的な大きいたれ耳を持つため、歩いていると耳が地面に擦ってしまっている子も見かけます。



あまり馴染みのない短足犬種

ダンディ・ディンモント・テリア

ダンディディンモントテリア
Photo by ri.cotaさん Thanks!

キツネやネズミ、カワウソなどの狩りをしていた小型の狩猟犬です。テリアとしては珍しく、とても温厚で従順な気質なのだそうです

クランバー・スパニエル

20181009_inutansoku_mf_013_.jpg
Photo by mymelle10さん Thanks!

あまり日本で見かけることはない犬種です。スパニエルの中では最大で、40kg近くまで成長するようです。

短足な犬種といえば小型犬のイメージが強いですが、このサイズで胴長短足のフォルムはとてもインパクトがありますね。

サセックス・スパニエル

こちらもあまりお目にかからない犬種です。一見コッカースパニエルとダックスのミックスのようですが、サセックス・スパニエルは被毛の色が「リッチ・ゴールデン・レバー」というこの犬種特有の色なのだそうです。

バセー・フォーブ・ド・ブルターニュ

ワインの銘柄のような犬種名だけあって、フランスが原産の小型犬です。フランスではかなりポピュラーな犬種とのことですが、それ以外の国ではほとんど普及しておらず、JKCにも登録されていません。

バセー・ブルー・ド・ガスコーニュ

こちらもワインのような名前の、フランス生まれの狩猟犬です。見た目は大きなダックスフントのようで、性格はとても穏やかでしつけが入りやすいのだそうです。

スウェーディッシュ・ヴァルフント

一時絶滅の危機に瀕するほど個体数を減らしていた短足犬種です。コーギーの体にオオカミの顔をくっつけたような愛らしい姿をしています。

原産国のスウェーデンをはじめヨーロッパでは人気が高いとのことですが、JKCには登録されていません。

ドレーファー

横から見るとダックスフントのようで、お顔はビーグルにそっくりなスウェーデンが原産の犬種です。日本でいう柴犬のように、スウェーデンではかなりメジャーな犬種なのだそうです。

大東犬

ここまで海外が原産の短足犬種ばかりでしたが、実は日本生まれの短足犬もいます。その名も「大東犬(だいとういぬ)」。沖縄県大東諸島の南大東島で生まれた、日本犬らしい顔つきで胴長短足の犬です。

2005年には頭数が5匹まで減ってしまいましたが、その後保護と繁殖に注力して現在も徐々に数を増やしていっている最中なのだそうです。

いかんせん数が少ないため、平均寿命や生態など分からないことがまだ多く、JKCにもまだ登録されていません。

短足犬はかわいいだけでなく病気に注意

バセットハウンド

胴長短足のダックスやコーギーで気を付けたいことといえば真っ先に出てくるのが腰への負担です。

短足になるよう交配されてきたこれらの犬種は軟骨に異常を持っている場合が多いため、他の犬種に比べて椎間板ヘルニアになるリスクが高いです。椎間板ヘルニアは脊椎に極端な圧力がかかることによって生じます。

では予防策としてはどのようなことが挙げられるのでしょうか?

階段の昇り降りをなるべくさせない

階段は低い段差でも、足の短い犬種にとって昇り降りは結構な労力となり腰などを痛めてしまいます。基本的には階段のある場所はゲートなどで塞ぐようにし、どうしても階段を利用しなければ行けない場合は抱っこで昇降するようにしましょう。

また、ソファーやベッド、坂道の昇降も犬の腰にとっては負担となるため、抱っこやバギーに乗せるなどの対応をしてあげましょう。

床で滑らないように工夫を

フローリングでつるつる滑ってしまうのも、腰に変な力が入ってしまって良くない上、転んでしまうと骨折や脱臼の危険もあります。

滑らないワックスをかけたり、滑りづらい床材に変更したりすることが重要です。賃貸であればカーペットやタイルマットを敷く、滑り止めのついた靴下を愛犬に履かせる等のことを検討するのが望ましいです。

抱っこの仕方に注意する

腰が反ったような状態は大きな負担になります。そのため、両脇の下に手をいれてぶらぶらしてしまう抱っこや、招き猫のポーズのように腰を立てた状態になる抱っこは避けた方がいいといえます。愛犬が腕の中でフセの状態になるような抱っこを心がけましょう。

同様の理由で、2足立ちでピョンピョンとおやつのおねだりをすることもさせないようにしつけましょう。

体型に気を付ける

人間でもそうですが、肥満は腰痛の元です。食欲旺盛な犬は見ていて幸せな気持ちになりますが、心を鬼にして体重管理は厳しく行ったほうが良さそうです。

愛犬が教えてくれる腰痛のサイン

いろいろと気を使っていても、腰痛になってしまうことはあります。食欲があまりない、お散歩の途中で立ち止まったり座り込んだりする、といった様子が見られたら、少し腰に違和感を持っているかもしれません。

背中から尻尾の付け根あたりを触ってみて嫌がる素振りがあれば獣医さんに診てもらうと良いでしょう。

魅力的な短足犬

仰向けになるダックスフンド

名前を呼ぶと短い足で一生懸命ダッシュしてくる姿がとってもかわいい短足ワンコたち。他の犬種と比べると座高が低すぎてオスワリしているのかどうかがよく分からなかったり、抱っこから降ろす時に足の短さゆえ床との距離感がつかめず焦ってしまったりと、独特の接し方をさせてくれます。

筆者の接したことのある短足犬たちは、その子の個性もあるのだろうけれど総じてとても人懐っこく、うれしそうに顔を舐めにきてくれる子ばかりです。

短足の犬種の多くは狩猟を目的として改良されてきましたが、愛らしいルックスや人懐っこいところも、彼らが古くから愛されている所以なのではないかと思わずにはいられません。
Share!