【獣医師執筆】犬はしいたけを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】犬はしいたけを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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種類が豊富なキノコの中でも、比較的身近なしいたけ。煮たり、焼いたり、炒めたりと、その調理方法はさまざまで、食卓に登場する機会も多いかもしれません。そんなしいたけは、犬も食べて大丈夫な食材です。今回は、しいたけに含まれる栄養素とともに、犬にしいたけを与える場合の注意点などを紹介します。

犬が食べても大丈夫なしいたけに含まれる主な栄養素

しいたけ

カリウム

まずしいたけに多く含まれるのが、カリウムです。カリウムはミネラルの一つで、疲労回復効果が期待できます。

また、細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があり、体内の不要なナトリウムを輩出してくれます。

欠乏すると「低カリウム血症」の原因となり、逆に過剰摂取すると「高カリウム血症」の原因にもなるので、注意しましょう。腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助ける重要なビタミンです。小腸や腎臓でカルシウムとリンの収集を促進し、骨や歯を丈夫にするのを助けるため、骨粗しょう症や骨折予防につながります。

食物繊維

食物繊維には、便質を改善し便通を促す不溶性繊維と、腸内の不要なものを排出する水溶性繊維があります。しいたけには、特に不溶性繊維が多く含まれていて、これは私たち人間と同様に、犬にとっても腸内環境を整えてくれる大切な成分の一つになります。

エリタデニン

エリタデニンは、しいたけやマッシュルームに含まれる成分の一つです。エリタデニンには、血中の悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあります。そのため、動脈硬化の予防や血圧の上昇を抑えるなどの効果が期待できます。

βグルカン

しいたけをはじめキノコ類に多く含まれるβグルカンは、免疫力を高めてくれる成分です。細菌やウイルスを排除したり、がん細胞を収縮させたりする働きがあります。

犬にしいたけを与える際の注意点

しいたけ

01【犬にしいたけを与える際の注意点】生はNG

しいたけに含まれる食物繊維は、お通じの流れをよくするのに効果的ですが、一方で、摂取し過ぎると下痢などの不調につながる恐れがあります。犬に初めてしいたけを与えるときは、少量ずつからはじめ、消化能力が弱っている犬には与えないようにしましょう。

また、食物繊維がたっぷりのしいたけは、犬にとって消化しにくい食べ物です。しいたけをあげる場合は、火を通し、細かく切るなど、食べやすいようにひと手間加えてください。生のしいたけをあげることはやめておきましょう。

生のしいたけよりも栄養価が高い干ししいたけは、乾燥したそのままの状態で与えると犬の喉を傷つけてしまう恐れがあります。細かく砕いていつものごはんにトッピングしてあげたり、軟らかく煮て細かくカットしたりするなどして与えましょう。しいたけの出汁もトッピングに良いでしょう。

02【犬にしいたけを与える際の注意点】与え過ぎ

前提として、犬は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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03【犬にしいたけを与える際の注意点】アレルギー

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。



まとめ

嬉しそうに見上げる犬

しいたけには免疫力UP、疲労回復、便質改善などの効果がある
犬に与える際は加熱し食べやすく切る
しいたけは、愛犬の健康をサポートする栄養素がたっぷり含まれています。手軽に手に入るので、積極的に取り入れようと思った飼い主さんもいることでしょう。

しかし、いくら体に良いからといっても、与え過ぎには注意が必要です。また体質的に合わない犬もいるので、はじめて与えるときは慎重に、少量ずつ与えてください。もし下痢などの症状が出た場合は無理に与えようとせず、別のもので栄養を補って、愛犬の食生活をサポートしていきましょう。

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