犬や猫と一緒に小動物も飼いたい! 同居させるときの注意点と相性のいい動物を紹介
ペットの代表格と言えば犬と猫ですが、他にもペットとして一緒に暮らせる動物はたくさんいますね。動物好きの方は、犬や猫を飼っていても他の動物も飼いたいと思う方もいるでしょう。しかしそれぞれ全く違う動物なので、事前の知識なしにいきなり同居させることは大変危険です。犬や猫と同居が可能な動物、相性が悪い動物をご紹介します。
犬や猫と他の動物は同居できる?
犬も猫も肉食獣
まず、頭に置いておかなければならないのは、犬も猫も野生時代は狩りをして暮らしていた肉食獣であるという点です。犬は雑食もしますが基本は肉食で、猫は真正の肉食獣です。ペットとして飼われるようになり、現在では狩りやネズミ捕りの目的で犬や猫を飼う人も少なくなりましたし、実際に食べるために犬や猫が他を小動物をハンディングすることはほとんどありませんね。しかし、肉食獣ですし、狩りの欲求は本能として色濃く残っています。
小動物は狩りの対象
犬や猫と同居する他の動物となると、犬や猫よりも小さい小動物が多いでしょう。そうすると、それらの動物は犬や猫にとっては狩りの対象となり得るものとなってしまいます。食べなくても、ハンディングして殺してしまう危険性はあるのです。特に猫は動くものに対して反射的に手が出てしまう性質が強いので、飼い猫がいろいろなものを狩って飼い主さんにプレゼントしたという話は珍しくありませんね。筆者の猫は室内飼育なので、他の動物を狩ったことはありませんが、ウサギやハトなどの比較的大きいものまで獲物としてとらえて、家まで持ってきて困ったという話を聞くこともあります。実際に筆者は、あるお宅の飼い猫が自分より大きなヘビ(アオダイショウ)をくわえて帰ってきたのを見たことがあります。
特に猫の場合は、おうちでご飯を十分もらっていても放し飼いをしていれば、外で狩りをするし虫やカエルやトカゲなどの小動物を食べてしまうことは珍しくありません。そのため、そのような飼われ方をしている子は、カエルなどに寄生するマンソン裂頭条虫に寄生されていることがあります。
狩る対象の動物と仲良くなるのはレアケース
動物のニュースなどで、猫や犬が鳥のひなの母親代わりになってあげたり、モルモットやハムスターと仲良く暮らしていたりという話が紹介されることがあります。微笑ましいですし、種族を越えた動物間の友情や愛情には感動もしますね。しかし、これはとてもレアなケースです。だからこそニュースになっているのです。狩る側と狩られる側が仲良く暮らすということは実はかなり難しいことなのです。
他の動物と同居しやすいのは犬
犬も猫も他の動物と無理に同居させるのは、まったくおすすめしませんが、他の動物と同居しやすいのは犬です。犬はしつけである程度、飼い主さんのいうことを聞き、制御できます。また、飼い主さんと正しい関係が築けていれば、飼い主さんが大切にしているものを犬も尊重します。猫も飼い主さんが大事にしているものを尊重する気持ちや弱いものに対する手加減も、もちろん知っているのですが、猫はしつけが難しいため飼い主さんの制止を聞くことは難しいです。その場では辞めたとしても、欲求があれば何回でも繰り返す傾向が強いです。
筆者の家では犬と猫が同居していますが、例えば家の中に虫が入ってきてしまったとして、犬は筆者の制止を聞いて虫へのちょっかいをやめますが、猫は絶対にやめません。猫と他の動物の同居は犬に比べると難しいでしょう。
犬や猫と相性の良い動物を選ぼう
犬や猫は、ウサギやハムスターなどとは圧倒的に攻撃力が異なり、家の中という限られて空間では獲物として狙われた場合、逃げるすべはほぼないでしょう。そのため同居させる場合は十分な注意が必要ですし、犬や猫と相性の良い動物を選ぶようにしましょう。ウサギ
ウサギと猫を同居させている人もいますが、ウサギは繊細な動物ですし、猫は制止を聞かないので、同じ空間で放し飼いをすることは難しいかもしれません。犬とウサギの同居はできるけど、猫はウサギへのストレスが強すぎるという意見もあります。ウサギと猫を同居させる際は別々の部屋で飼ったほうがいいでしょう。
ただし、ウサギや猫の性格によっては同じお部屋で一緒に過ごすことも不可能ではありません。実際に筆者の知人はウサギと猫をお部屋でフリーにして遊ばせていました。飼い主さんの厳重な監視下で、ウサギをケージに入れた状態で同じ空間で過ごすことから始めるといいでしょう。ウサギにストレスを与えないように、短い時間から試してみるなど十分に配慮してください。
フェレット
筆者が猫を譲渡したお宅では、フェレットは基本的にケージの中で寝ていて、猫はフリーという形で飼育されています。フェレットが起きるとケージから出してもらい、フリーで遊ぶようですが、譲渡した猫とは一緒に遊んだりしないものの、お互いに威嚇したりけんかしたりもしないので、相手のことを気にせず暮らしているようです。筆者の譲渡した子が、大勢の猫や犬とも一緒に暮らしていた順応力がある子だったことも大きいかったと思います。最初からフェレットをそんなに気にしなかったそうです。
犬もフェレットと同居できる可能性は高いです。それぞれの居住環境を整えてあげる、最初は徐々に慣れさせる、飼い主さんの監視内以外では犬とフェレットだけにしないなど、お互いの安全を守るための努力は必要です。
犬も猫もフェレットとは同居できる可能性が高いですが、重要なのはワクチンをしっかりしておくことです。他の小動物とは違い、フェレットは肉食動物であり犬猫がかかる病気やノミ・ダニ、フィラリアなどはフェレットもしっかり予防しておく必要があります。同居させる際には、それぞれの健康チェックと予防、お互いの安心できる居場所を作ってあげるなど、十分な配慮が必要です。
犬とフェレットを飼っている飼い主さんのコメント
もともとフェレットを2匹飼っていて、後から成犬のパピヨンを引取りました。相性は基本的に猫と犬みたいな、お互い干渉せず……という感じです。それでも、性格や個体差があるようで、白い方のフェレット(りゅう)は愛犬(きい)とは全然絡まずでしたが、黒い方のフェレット(姫華)はきいのボールを取ったり、きいが怒って追いかけたりと遊ぶことがあります。
ハムスター
猫との同居はかなり難しいでしょう。もし同居させる場合は、部屋を別にして猫をハムスターのいる部屋に入れないようにするなど、万全の注意を払う必要があります。筆者は一度だけ先住ハムスターがいるお宅に猫を譲渡したことがありますが、室内完全別居をお願いしました。飼い主さんはきちんと管理され、ハムスターちゃんは天寿を全うしたようです。
犬は猫よりはハムスターに慣れやすいかもしれません。しつけができてれば、飼い主さんの制止に従うことができますし、猫よりも他の動物を受け入れやすいです。しかし、体格差がありますし犬の一噛みでハムスターは命を落とす危険がありますから、十分な注意が必要です。犬とハムスターの同居も、部屋を別にしたほうがいいでしょう。
鳥
鳥かごで飼育していてもジャンプして捕ろうとするなど、鳥は猫にとっては狩猟本能をくすぐられる生き物です。動物ニュースでは鳥と仲良しの猫もいるようなので、100%無理ではないのかもしれませんが、試してみるにはリスクが大きすぎるでしょう。
筆者は何度か先住の鳥がいるお宅から猫の譲渡の申し込みをされたことがありますが、すべてお断りしています。猫が鳥を捕らない保証はなく、それまでかわいがっていた鳥を猫が殺してしまえば、猫が恨まれる結果になるからです。希望者の方に「猫が鳥を捕らない保証はできません。そうなったときに、猫を恨まずにいられますか」と聞くと猫を飼うことを諦められる方がほとんどです。筆者は鳥の保護はしていませんが、かわいがっている先住のペットが脅かされることはして欲しくないと思います。
犬は猫よりは鳥との同居の可能性があるかもしれませんが、やはりおすすめはできません。筆者の保護犬の里親さんになってくれた方が道に落ちていたインコを保護されたのですが、犬たちはすっかりハンティングモードに入ってしまったようです。そのお宅で飼われていたのは、筆者が保護した柴系ミックス犬とボーダーコリーでした。どちらもアクティブな犬種です。自宅でインコを飼うのは無理と判断された里親さんは、鳥好きの友人がいたのでその方に鳥の里親になってもらったそうです。
どうしても鳥と犬や猫との同居をしなければならないときは、別々の部屋にするなど厳重な注意が必要です。鳥もケージ内だけではなく室内で放鳥してあげる必要がありますが、そのときなど、絶対に犬や猫に鳥を狩らせないようにしなくてはなりません。
金魚や両生類
筆者が猫を譲渡したお宅で、金魚やウーパールーパーを飼っていたことがありますが、どちらも水槽の上部にふたをするなど猫がちょっかいを出せないように対処されていました。
同居に向かない犬種
テリアは他の動物への狩猟本能が強い犬種です。その中でも特に、ジャックラッセルテリア、ワイヤーフォックステリア、アイリッシュテリアなどは狩猟本能が強く、喧嘩っ早い性格であることが多いため、同居はさせないほうがいいでしょう。アイリッシュテリアは「赤い悪魔」という異名があるほどです。