保護犬のしつけで大切なこと 「吠える」「落ち着かない」も慣れるまでは気長にゆっくり

保護犬のしつけで大切なこと 「吠える」「落ち着かない」も慣れるまでは気長にゆっくり

保護犬を迎えたいと思っても、「しつけが大変そう……」「初めてでも大丈夫?」など不安に思うことがあるかもしれません。しかし、実際に保護犬のどんなところが「難しい」と言われる理由なのかを知ることで、迎えるハードルはぐっと下がると思います。

保護犬はしつけが大変?

犬を迎えたいと思った時、「せっかくなら保護犬を」と考える人が増えてきました。一方で、ペットショップやブリーダーから迎えるよりも、保護犬を迎えることへの不安が大きく、実際に家族に迎えるまでに至らないということも珍しくありません。

保護犬を初めて迎える人はさまざまなことに不安を感じるかと思いますが、中でも気になるのが「しつけ」や「飼い方」だと思います。保護犬の難しいといわれるポイントについて解説します。

保護犬のしつけが難しいといわれる理由

保護犬のしつけが難しいといわれるのには理由があります。保護犬の多くが、どういった経緯で保護されたかという詳しい情報がわかりません。だからこそどんな環境で暮らしてきて、どんな経験をしてきたのがが「わからない」という難しさがあるのです。

どんな過去をもった犬か、ということがわかれば「こういうトラウマがある」「こういう経験はしたことがない」など予想することができるので、ある程度対策を立てることができますし、対処することができます。しかし、何も情報がないと予期せぬところで、吠えたり怯えたり、中にはパニックになってしまう子もいます。すると、やはり「しつけが大変」「この子の気持ちがわからない」「どう接していいかわからない」となってしまうのです。

保護犬に多い性格と問題

クレートで縮こまる犬
保護犬は捨てられ、野良となった子もいれば、暴力を振るわれた子、パピーミルなどで外に出たこともなくひたすらに繁殖をさせられていた子など……。ただ飼えなくなっただけではない理由もたくさんあります。

そうした犬たちの多くは、心を閉ざし全てに怯えたり、反対にずっと野良として暮らし人との関わり方がわからず攻撃的になってしまう子もいます。いろいろな経緯がある中で、保護犬として特徴的な性格とその問題について挙げていきます。

臆病で落ち着きがない

子犬の頃にいろいろな経験をしてこなかった子や、怖い経験をした子はこの傾向が強いです。ちょっとした音や動き、人の立ち位置や触り方など、こちらが思いもよらないことで怖がり、その場から逃げ出そうと突然走り出したりすることがあります。

触り方や脱走に最善の注意が必要です。

人や環境になかなか慣れない

社会化期を終えた子犬や成犬に多いです。過去の経緯として推測できるものとしては、人に対するトラウマがあったり、散歩に連れて行ってもらっていない、ずっとケージの中で暮らしていたなど、人や外での楽しい経験をしたことがない場合が多いです。

急に動いたり、上から覆いかぶさるような触り方はしないで、ワンちゃんのペースを尊重してあげましょう。

警戒心が強く吠える

怖い経験をしたことがあったり、人との関係がない犬などは家族以外の人やものに対して吠えてしまいます。決して喧嘩を売っているわけではなく、わからなくて怖いからという警戒吠えがほとんどです。

たとえ犬は怖がって吠えているだけであっても、犬が苦手な人や、たとえ好きな人であっても突然吠えられたらびっくりしてしまいます。自分の犬にも相手の人にも飼い主さんができる範囲でもフォローをすることがトラブル回避に繋がります。



トレイの覚え直し

トイレの覚え直しは保護犬でなくても問題となる壁です。子犬のうちは真っ白な状態なので、1から教えればスムーズに覚えてくれるでしょう。しかし、成犬の場合は根気が必要です。

あらかじめ、保護団体や預かり親さんに普段のトイレについて聞いておくようにしましょう。



初心者でも保護犬は迎えられる?

結論から言うと、向き合う姿勢があれば初心者でも保護犬と暮らすことはできます。むしろ、「犬と暮らしたことがあるから保護犬も大丈夫」と思っている人は、もう一度考えて見てほしいです。

保護犬というと雑種犬というイメージが強くありますが、純血種の保護犬もたくさんいます。しかし、「純血種で何犬だからこういう性格」だとは思わないでほしいのです。先にも話したように、「過去にどんな経験をしたのか」がわからない以上どんな犬種であれ、保護犬なのです。

「昔の愛犬と同じ犬種の保護犬なら大丈夫」と思っている人よりも、「犬と暮らすのも初めてだけど保護犬を迎えたい」という人だと、前者の方が「思っていたのと違った」となることも多いと思います。

とはいえ、犬と暮らした経験のある人の方が「犬」の扱い方や基本的な飼い方を知っているので、大変さの感じ方はまた違ってくるでしょう。

保護犬のしつけはのんびり気長に

ソファーでくつろぐ犬
どの時期の保護犬を迎えるかにもよりますが、基本的にしつけスローペースでワンちゃんの性格に合わせて行ってあげてください。

保護犬たちは、新しい家族と環境に慣れるので精一杯です。初めの頃は環境の変化からご飯を食べなかったり、排泄を我慢してしまったりするほどの緊張状態が続いてしまうこともあります。家族に迎えたからとすぐしつけをするのではなく、まずは緊張状態を解いてあげることを意識してあげてください。心を開いていないのに、しつけをしようとしてもうまくいきません。

中には「触られること」や「じっと見つめられること」を怖いと思う子もいるでしょう。最初は同じ空間にいるだけ、気配を感じるだけからスタートして、そして、少しずつ話しかける、触るなど新しい家族とのコミュニケーションの時間をたくさんとってあげてください。

慣れてきたあとで、吠えや噛みつき、脱走などの問題行動が目立つ場合は、一人で悩まずにトレーナーに相談するようにしましょう。しかし、一つ注意点があります。トレーナー選びはしっかり飼い主さんの話しを聞いて意思を尊重してくれる人を選んで下さい。

保護犬たちは人に対してネガティブのある子が多いですし、寂しい思いをたくさんしてきた子たちです。トレーナーに預けるのではなく、必ず飼い主さんも一緒に教わる形のものにしてほしいです。



性格を尊重して向き合うことが大切

喜んで飛び付く犬
今回、保護犬の難しいところを書きましたが、全ての保護犬が臆病だったり神経質だったりするわけではありません。中には、人が大好きで名前を呼ばれただけで喜んでしまうような子もいますし、どこを触られても気にしない穏やかな子もいます。

保護犬を家族として迎える気持ちが固まったら、しっかりとお見合いとトライアルをして飼い主さんとワンちゃんそれぞれの相性を見極めてください。保護犬は大変なことも多いけれど、その分強い絆を結ぶことができるかけがえのない家族となるでしょう。
Share!