犬の鼻血は要注意! 考えられる原因・病気などを獣医師が解説

犬の鼻血は要注意! 考えられる原因・病気などを獣医師が解説

人間の場合だと鼻血は軽く考えられがちですが、犬の鼻血(鼻出血)は重度の疾患の症状のひとつで、数滴のものから、生死に関わるほどの失血量のものまでさまざまなものがあります。今回は、犬の鼻血(鼻出血)について原因や対処法など野坂獣医科院長の野坂が解説します。

犬の鼻血の対処法

見上げる犬

動物病院へ連れて行く

基本的には大量に鼻血が出ているときはもちろん、少量の鼻血でも早急に動物病院へ連れて行きましょう。

ティッシュでの止血はNG

応急処置として人間のように、ティッシュの鼻栓で止血を試みることだけはしないでください。鼻には触れず、動物病院へ連れて行きましょう。

犬の鼻血の原因や考えられる病気

眠そうなトイプードル

出血性障害

鼻出血は「遺伝性」「後天性」あるいは「複合型止血障害」として、血が止まるまでに時間がかかる凝固異常症の動物でみられます。

これらの病気で最も一般的なものは「フォンヴィルブランド病」という遺伝性出血性疾患や「血小板減少症」です。

<フォンヴィルブランド病>

フォンヴィルブランド病は複数のあざのような斑状出血を起こします。

典型的な徴候として、粘膜表面からの出血 (鼻出血、黒色便および血尿)、そして外傷や外科手術の後の過剰な出血などが挙げられます。

<血小板減少症>

血小板減少症といってもさまざまあり、その中でも鼻出血の原因で最も多いのは「免疫介在性血小板減少症」です。

この病気は免疫機能が何かしらのきっかけで、自身の血小板を破壊するもので、発生の原因はいまだに明らかになっていません。


全身性高血圧症

網膜出血や網膜剥離から鼻出血につながることがあります。そのほか、急性の失明もみられることもあります。

感染症

感染症(細菌や真菌などの感染)によって鼻出血がみられることもあります。

生活環境やワクチン接種歴と、鼻から血液と膿が混じったドロッとした粘液が出る症状を呈していたら、感染症の鑑別診断を行います。

鼻腔内腫瘍

鼻腔内腫瘍は、老犬の鼻出血で最も多い原因です。最初は片方の鼻の穴のみで、腫瘍の進行に伴って両穴に変化することもあります。

腫瘍の場合、少量の出血が長期間にわたり、見られることもあります。また、くしゃみ、いびきや顔面の変形などもみられることがあります。


鼻炎

感染性鼻炎では、鼻出血に加えて「粘液膿性鼻汁」や「くしゃみ」「鼻の疼痛」「鼻の色素脱失」や「潰瘍化」などの徴候がみられることもあります。


その他

「外傷」「奇形」「異物が鼻の中に入る」ことなどによる鼻出血も考えられます。

まとめ

チワポメ


鼻血は重度の疾患症状の1つです
愛犬が鼻血を出したら早急に動物病院へ
鼻栓で止血を試みることはNG
止血障害、感染症、腫瘍、外傷など鼻血の原因がさまざま

愛犬の鼻腔の異常を早期に発見することは難しいとされています。

鼻出血だけでなく、少しでも愛犬の変化や異常に気がついたら、動物病院へ連れて行きましょう。

参考文献

  • Brooks、A hereditary bleeding disorder of dogs caused by a lack of platelet procoagulant activity.Blood. 2002 Apr 1;99(7):2434-41.
  • Callanら、Persistent thrombopathy causing bleeding in 2 domestic shorthaired cats J Vet Intern Med. 2000 Mar-Apr;14(2):217-20.
  • Lesleyら、Textbook of Respiratory Disease in Dogs and Cats 2003


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