プロが教えるスマホ撮影術 「いつもの愛犬」にお花を添えて【犬の写真の撮り方】

連載企画「犬の写真の撮り方」では、ペットの写真撮影を数多く手掛けるプロカメラマンの杉本 奈々重さんに、愛犬を撮影する際のテクニックを紹介していただきます。前回は前後編にわけてお花を使った一眼レフでの撮影方法を教えていただきました。一眼レフならではの「ボケ」が生きる写真の数々でしたが、皆さんが持っているスマホカメラでも「構図」を意識することで素敵な写真を撮ることができるんです。今回は愛犬にお花を添えて、スマホカメラでもかわいく撮る方法を教えていただきます。

杉本 奈々重(Sugimoto Nanae)

杉本 奈々重 2001年より写真家としてフリーランスの活動を開始。コマーシャルフォトを中心に雑誌、企業の季刊誌の撮影などを行う。近年犬と人とのつながりをテーマにした作品を多数発表。全国各地で撮影イベントや講演会などを開催中。公益社団法人 日本写真家協会会員。


スマホカメラでも構図が大切

山本:前回は室内で愛犬を撮影する際に、お花も一緒に撮ることで季節感を出したり、いつもと違ったかわいさを出したりできることを教えていただきました。ただ、スマホのカメラしか持っていない飼い主さんが真似するのが難しいですよね?

杉本:そんなことありませんよ! 一眼レフでもスマホでも同じカメラですから、基本は変わりません。実際に撮ってみましょう。山本さんのスマホを使いましょうか?

山本:ぜひお願いします。僕のはiPhone 6 Plusなので少し古い機種ですが、一般的なスマホカメラとしてちょうどいいかもしれません。

杉本:まずはありがちな構図から撮ってみましょう。

社員犬コルク

山本:相変わらず社員犬コルクはかわいいんですが、横に並ぶと「お花を添える」というより、「犬と花」という感じがしますね。

杉本:そうですね。並べてしまうと単調になってしまうので、少しコルクさんの立ち位置を変えるか、カメラの位置をずらすだけで全然印象が変わってきますよ。

社員犬コルク

山本:すごい。ちょっと角度を変えただけでこんなに変わるものなんですね。

杉本:コルクさんが前、お花が後ろになったので、主役と脇役がはっきりしたというのがあるんですが、体の向きと目線もポイントです。最初の写真は見上げる目線からお尻まで一直線でしたよね。

山本:そういえば胴体が隠れてしまっていますね。

杉本:顔が大きく見えてしまって、少し間の抜けた感じがすると思います。もちろんこれはこれで可愛いので間違った撮り方ではないんですが、狙って撮らないとただ間の抜けた写真になってしまいます。

山本:花との位置関係だけでなく目線や体の向きまで……。プロの写真は細いところまで計算されているんですね。

杉本:一つ一つ考え出すと大変だと思うので、全体で見て、「何か違うな」と思うところに変化をつけてみるというふうに考えれば気楽に撮れると思います。スマホカメラだと画面でそのまま確認できるのが良いところですね。

ボケ以外にも重要なことがたくさん

山本:前回は一眼レフの「ボケ」機能を使って前にもお花を持ってきて撮影する方法を教えていただきました。最新の機種だとスマホでも一眼レフのような「ボケ」を作ることができるようになりましたが、今回のスマホカメラにはそういった機能がありません。お花を手前に持ってくる撮り方は難しいですか?

杉本:そんなことありませんよ! ボケがあったほうが作品性の高い写真が作りやすいとは思いますが、スマホカメラも使い方次第で素敵な写真が撮れますよ。でも一つだけ、スマホカメラは「ボケが無い」のではなくて、「ボケが作りにくい」というのを誤解の無いように説明しておきますね。

例えば前回と似た構図で手前に枝を持ってきて……。

社員犬コルク

山本:確かに! 手前の枝がボケてますね。

杉本:一眼レフだからボケる、スマホだからボケないというより、ボケはレンズの性能や被写体とカメラの位置関係などで変わってくるんです。ただ一般的にスマホのカメラがボケにくいのは事実ですので、今回はボケとは違う視点で撮影していきましょう。

社員犬コルク

社員犬コルク

杉本:ちょっと枝の位置を変えるだけでも印象が違いますね。

山本:1枚目は白い花も見えて綺麗なんですが、右下が空いてソファーの影が少し強い印象です。2枚目は白い花が隠れてしまっているんですが、右下の枝が空間をうまく隠してバランスが良く見えます。

杉本:そうですね! 好みもあると思いますので、いろいろ試してみてください。

それにしてもコルクさんお利口で撮りやすいですね。普段から必要なことですが、おすわり待てといったコマンドがしっかりできると撮影しやすいと思います。あともう一人いると大好きなおもちゃやおやつを使って目線を誘導することができますね。

社員犬コルク

山本:下を向くとションボリ感がすごいですね。

杉本:前回も少しお話ししましたが、瞳に光が入るキャッチアイがあるかないかの違いもあります。瞳の光も気にしながら目線を誘導できると良いですね。

今度は伏せにして撮ってみましょう。

社員犬コルク

山本:おお……。愛犬だけでなくお花を添えて、位置関係や手前のお花と枝で構図を調整して、目線とキャッチアイ。完成されてますね。スマホの待受画面にしたい1枚です。

杉本:一眼レフがないと良い写真が撮れないとは思わず、スマホカメラでもできることに挑戦してみてください。愛犬に無理をさせないようにだけ気を付けてくださいね。

スマホでも素敵な写真が撮れます

今回はスマホカメラでもお花を添えたり、構図を意識したりすることで一眼レフに負けない素敵な写真が撮れることを教えていただきました。月並みですが、「弘法筆を選ばず」ということで、今回のポイントを意識しながらステップアップを目指してみてください♪

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