ハワイで犬や猫との出逢い方を見てきました。ヒューマンソサエティ取材レポート
こんにちは、コルクのバディでペトコト代表の大久保です。ハワイではどのように犬や猫と出逢うのか知るため、動物保護施設「ハワイアンヒューマンソサエティ」を訪れました。素晴らしい環境が整っていましたので、みなさんに紹介できればと思います。
今年の年始、私事ですがコロナが流行する前のハワイで結婚式をしてきました。コルクは残念ながら連れて行けず、ペトコトのメンバーが預かってくれました。
お留守番のコルク。ちょっと寂しそう
これまで愛知や京都、神奈川に沖縄と各地の愛護センターや保護団体の施設を見学してきましたが、今回はハワイの保護施設を見学することができました。ハワイの良いところが参考になれば幸いです。
ハワイでの犬や猫との出逢い方は?
まずハワイでの犬や猫との出逢い方について話したいと思います。現地の方に取材したところ、一般的に3つの迎え方がありました。。
1. 保護犬猫から迎える
ハワイアンヒューマンソサエティをはじめとしたシェルターから保護犬猫を迎えます。2. ブリーダーから迎える
血統書がついた子犬や子猫を迎えたい場合、Petlandなどのペットショップで毎月何回かブリーダーの犬や猫と触れ合えるイベントがあります。そこでやり取りをして審査を受け、迎えることができます。3. オンラインで迎える
OMUSUBIのように、オンラインでブリーダーとマッチングすることができます。応募した後は、やり取りをして審査を受け、実際に会ってから迎えることができます。ハワイアンヒューマンソサエティって?
ハワイアンヒューマンソサエティは、動物のシェルター、保護、レスキュー、避妊去勢、譲渡を促進する教育支援団体です。1883年に設立され、オアフ島のホノルルにあります。
今回訪れて驚いたことは、とにかく都市部から近くアクセスが良い場所にあること。日本で愛護センターなどは郊外にあることが多いですが、ハワイアンヒューマンソサエティはワイキキから車で10分の好立地な場所にあります。そして100人以上のボランティアで支えられています。
地面には可愛くあしらわれた犬の足型。
施設概要 開業時間:月曜〜金曜 11:00-19:00、週末・祝日 10:00-16:00 場所:2700 Waialae Ave, Honolulu, HI 96826 HP:Hawaiian Humane Society
ミッション
代表CEOのアンナ・ノイバウアー(Anna Neubauner)さんは、全ての動物1匹1匹に最適なケアをすることをミッションに掲げ、以下の指針を持っています。- 動物それぞれに健康的で安全な場所をつくります。
- 全ての家がないペットを安全に保護しケアします。
- 医療や行動の自由を提供します。
- コミュニティーを大切にします。
- 苦しみを軽減し、安楽死に関しては適正に判断します。
- 人と動物の共生をつくり、譲渡後のサポートを手厚くします。
- 動物が移動する際も健康と安全に配慮します。
- フォスターは透明性を意識し、倫理的な判断、尊厳、持続的な共創に努めます。
サービス
本施設ではいくつものサービスを提供しています。1. シェルター
迷子を含む全ての動物をシェルターで保護しています。昔は象を保護していたこともあったそうです。2. 譲渡
海外では譲渡のことを「Adoption」と呼びます。犬や猫を飼っている方から「アダプトしたの」と話される方も多いです。譲渡費用は、日本と同じくワクチン接種や狂犬病予防、避妊去勢、譲渡後のケア、マイクロチップなどのサービスを受けているため、迎えた方がそれらの実費を支払います。平均的に100ドル(1万円)ほどで迎えられるようです。毎週水曜日は半額の金額で譲渡されます。
譲渡までの流れは、ウェブサイトで見るか施設で気に入った子を見つけた後に、サインインシートにプロフィールを記入して提出します。そして面会をして1時間ほど触れ合った後に本当にフィットしたら審査プロセスに入ります。その際に全ての家族や飼っている犬も面会することを勧めています。
3. TNR
野良猫のTNR管理もサポートしています。4. 啓蒙活動
犬や猫の命の尊さを伝えるために、小学校などでの講演教育をしています。5. アニマルセラピー
病院に保護犬と触れ合える空間を作り、病気や手術のストレス軽減につなげています。ハワイアンヒューマンソサエティ体験記
本施設が何よりも素晴らしいことは、都市部から近くてアクセスが良い場所にあること。ワイキキから車で約10分の好立地な場所にあるため、気軽に訪れることができます。
駐車場も広く、建物も清潔感が溢れていて心理的に入りやすい空間です。建物はシェルターと手術室に分かれています。
入り口を入るとすぐに見えるのは、壁に掲げられたいくつものフードボウル。よく見てみると、ハワイ銀行などの企業名や個人名が書かれていて、寄付者の名前が掲げられていました。PETCOなど大企業の名前もあり、驚きました。社会全体で人と動物の共生を推進しているのだと感じました。
シェルターの受付に入ると、パピーと女の子がサークルに入って遊んでいました。彼女はこの子を迎えたいそうで、何回も通って家族とも相談し、今日迎えることを決断したそうです。
まずは犬のシェルターから。一番の驚きは、臭いが全くしないこと。ボランティアが定期的に掃除をし清潔な環境を保っていました。もう一つ臭いがしない理由として、建物の環境面がありました。建物は全て吹き抜けで風が通過するため、臭いが溜まることがありません。
ペトコトのオフィスを作ったときにも学びましたが、臭いは訪れる人が最初に気にするところですからとても重要です。ただ、寒いと部屋を締め切って換気が悪くなるため、ハワイは1年を通して喚起がしやすい暖かさというのが良い環境になっているようです。
部屋は中大型犬ゾーン、小型犬ゾーンと分かれ、基本的に1匹1匹に用意されています。仲が良いチワワのパピーは一緒に部屋に入っていました。部屋の柵にはその子たちのプロフィールが書いてあります。
犬種は雑種の子が多いですが、チワワやジャックラッセルテリアなど純血種もいました。テリア系が多い印象です。
いくつかの部屋には「In memory of ◯◯」(◯◯に追悼の意を表して)と貼ってありました。これは飼い主が亡くなってしまい引き取り先がなくなった犬や猫のことを指しています。
犬たちは定期的に施設内を散歩したり、トレーニングされているため、人が大好きな犬ばかりでした。
とある部屋に犬が大好きな方が犬とくつろいでいました。相当気に入っているそうで、何回も通っているそうです。
ただやっぱりそうは言ってもまだまだ人に慣れていない子もいます。遊んでいるうちに部屋から逃げてしまいました。すると、周りにいた人全員がすぐに「ドアを開けないように!」と声を掛け、脱走しないようにしました。
その後、犬は優しく介抱され、部屋に戻って行きました。きちんと犬、保護犬のことを理解しているんだなと感じました。
猫のシェルターの手前には、繁殖力の高さと避妊去勢の必要性を分かりやすく説明した看板が貼ってあり、猫のことを理解しながら触れ合うことができます。
こちらも十分な広さと清潔さのある部屋で、猫が幸せそうに暮らしていました。多くの方が部屋でくつろぎながら、猫との時間を過ごしていました。
出逢いだけでなくコミュニティーが生まれる場所
今回いろいろな方から話を聞いて感じたことは、ハワイアンヒューマンソサエティが犬や猫との出逢いの場だけではなく、人と人、人と動物との共生の場所になっていることでした。
子供から大人、老人までが通い、犬や猫と触れ合いながらコミュニケーションを取ります。そうしてコミュニティーが生まれる場所になっていました。
コミュニティーを通してボランティアも増えるそうです。老人の方も人生の余暇時間を生かしてボランティアとして働く。この施設には、全ての愛が満たされた幸せな空間が広がっていました。
私たちが運営するOMUSUBIも、そうしたコミュニティーを目指して日々開発に取り組んでいます。犬や猫との出逢いだけでなく、人と人との出逢いが生まれるコミュニティーになることで、ペトコトのミッションである「人が動物と共に生きる社会」をつくっていきたいと思います。