犬の顔や体が腫れているときに考えられる原因を獣医師が解説
犬の体を触っていて、腫れている場所があったら、何らかの病気の可能性があります。原因は多岐にわたるため、少しでも気になる方は動物病院で診てもらいましょう。今回は犬の顔や体が腫れている場合に考えられる原因を目黒アニマルメディカルセンター/MAMeCの顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤が解説します。
考えられる原因
できもの
「脂肪腫(脂肪の塊)」といった良性のものから、「肥満細胞腫」といった悪性のものまであります。外傷
手や足などが広範囲に腫れていて、痛みや熱感を伴う場合は骨折などの外傷の可能性があります。アレルギー
ワクチンアレルギーや接触アレルギーなどで、顔や体が急にボコッと腫れることがあります。その際、強い痒みを伴います。腫れがのどを圧迫すると、呼吸困難に陥る恐れがあり、最悪の場合は命に関わることもあります。
膿皮症
体全体、もしくは一部に湿疹(小さなニキビのようなもの)が複数認められます。細菌が増えている状態のため、痒みを伴い、匂いがきつくなります。
リンパ節の腫れ
外から触れるリンパ節は「左右顎の下」「脇の下」「股の付け根」「膝の裏」などにあります。これらの部位にしこりが触れる場合はリンパ節が腫れている可能性があります。リンパ節が腫れる原因は「感染」や「炎症」「リンパ腫などの腫瘍」が考えられます。この場合は「元気がない」「熱っぽい」「食欲がない」などの症状が見られることがあります。
口腔内トラブル
歯肉炎が進行すると膿が溜まり、目の下が腫れることがあります。「痛みにより食欲が落ちる」「顔を触られるのを嫌がる」などの症状が見られます。応急処置・予防ケア
皮膚の場合、状態によっては細い針を刺して細胞を調べる検査や血液検査が必要なこともあります。ここでは一時的な応急処置の紹介になりますので、応急処置後は動物病院に連れて行くことをおすすめします。
アレルギー反応がある場合、命に関わることもあるため、顔や体がボコボコ腫れるような症状が出た場合は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
保冷剤で冷やす
熱感や赤みがある場合は流水や保冷剤をタオルで巻き、冷やしましょう。痒みや炎症が軽減されます。冷やしすぎると逆に体調を悪化させることもあるため、気をつけましょう。
エリザベスカラーをつける
どの原因でも舐めると悪化する恐れがあるため、愛犬が気にしていたら舐めさせないようにエリザベスカラーをつけましょう。痛がるようなら安静に
痛がる様子がある場合は、無理に動かさず、安静にしましょう。まとめ
「腫れ」は病気のサインです
考えられる原因はさまざまあります
顔や体がボコボコ腫れるような症状が出た場合は早急に動物病院へ
腫れといっても、普段よりスキンシップをしていないと気づけないような小さな腫れもあります。普段より愛犬とスキンシップをすることで、関係を深めながら、病気の早期発見につなげていきましょう。
『犬の急病対応マニュアル』
Amazonで見る
Amazonで見る