犬が飛びつく心理とは? 嬉しいだけではない理由としつけ方をトレーナーが解説  

犬が飛びつく心理とは? 嬉しいだけではない理由としつけ方をトレーナーが解説  

犬と触れ合うことが好きな人なら、犬に飛びつかれた経験が一度はあると思います。犬が興奮して飛びついてきたときに歯が当たってしまったり、攻撃するつもりで飛びかかってくることもあります。中には散歩中に他人に飛びつき相手に怪我をさせてしまうこともあります。犬の飛びつきは、理由が分かれば適切にしつけることができます。今回は犬の飛びつきについて、ドッグトレーナーの小野が解説します。

犬の飛びつきとは

じゃれ合う子犬

足元でじゃれつくように跳ねたり、人間の膝やお腹といった位置に勢いよく前足で飛びついてきたりする行動のことを「飛びつき」といいます。

犬にとって、飛びつくことはごく当たり前の行動で、この行動は子犬でも見られます。生後2〜3カ月の犬がたくさんいるところに行ってみましょう。もしくは、子犬の映像などを見てみてください。犬は生きるためのアピールとして「飛びつき」という行動をとるのです。

犬が飛びつく心理

海辺でジャンプするトイプードル

犬の飛びつきは感情表現であり、目的のために必要な行動です。そのため、飛びつきには必ず犬の心理的理由があります。犬が飛びつく理由として最も多いのは「嬉しくて」「興奮して」です。来客時や、散歩中に好きな人に会った場合などに見られることが多いです。

また、犬にとってのなんらかの欲求があるときも飛びつくことがあります。「抱っこしてほしい」「あなたの持っているものがほしい」などです。

これらとは別の心理から飛びつくこともあります。「攻撃心」です。犬は相手に噛み付くために飛びつくこともあります。飼い主さんは自分の犬が「どんな性格」で「どんな時に飛びつくのか」ということを、常々意識して観察することが必要です。

犬が飛びつくようになる原因

喧嘩する犬柴犬

犬が飛びつくようになる原因を探る時はまず、「なぜするようになるのか」を考えます。原因がなにかということを考えることは、後々「飛びつく行為を直す方法」にも繋がってくるのです。

なぜ飛びつくかというと、飛びつくとその犬にとって「良いこと」が起こるからです。ただし、飼い主にとって「良いこと」と犬にとって「良いこと」は違います。これは「飛びつく」行動だけではありません。犬にとって「良いこと」が起こっていると、そういった行動をどんどんするようになってしまいます。

犬にとっての良いこと

犬にとっての「良いこと」は、おやつを貰えたことだけではありません。噛んだら相手が怯んだことも、その犬にとってみれば「良いこと」です。成長しても飛びつくことをやめない成犬は「飛びつくと良いことが起こる」ということを覚えてしまい、繰り返し反射的にしてしまうようになります。

ここで「良いことなんかしてないよ」と思う人もいるでしょう。しかし「犬にとって良いこと」だということを忘れないでください。どんなしつけ、トレーニングでも、犬の良いことと飼い主さんの良いことがきちんとリンクしていることが、1番重要です。

犬の飛びつきのしつけ方

待てをする犬

おすわり」「ふせ」「待て」「ハウス」ができていることが望ましいです。その上で、愛犬が飛びついてきた際、どのコマンドでもいいので、指示を出せば飛びつきは防げます。

しかし、犬によって「飛びつく」理由がさまざまですので、「これをやればOK」なんてこともありません。

お散歩中や来客時など、さまざまな状況による「飛びつき」を防ぐのであれば、その状況下で犬が聞いてくれるコマンドを作ってください。また、犬が飛びつくときどんな心理状態なのかによって、対策は異なります。嬉しくて興奮している犬は、先程の方法で解決できることがほとんどです。

しかし、なんの脈略も無く突然飛びつく犬は、噛み付くために飛びついてくることが多いです。この「飛びつき」は先程の方法では防げません。この場合、他のトレーニングや訓練が必要ですので、ドッグトレーナーに相談することをおすすめします。

おやつが無くてもできるコマンドを作る

飛びつき行動を防ぐコマンドとしていくつか紹介しましたが、必ずしもそれらのコマンドで飛びつきを防げるわけではありません。どのように「おすわり」などのコマンドを教えてきたかによります。

おやつを使ってできるくらいだと「使えないコマンド(要するに芸。ただし芸も昇華すれば素晴らしいコマンドになります)」になってる場合も多々あります。おやつが目の前にないと指示に従えないコマンドで行動を抑制させるのは難しいでしょう。

犬に人の都合はわからない

飛びつきは、悪い場面もあれば悪くない場面もあります。それを犬が分からないと「ダメ」「やめさせたい」となっていきます。人は飛びつき以外でも、場面(TPO)によって犬の行動を褒めたり褒めなかったりします。犬にとってみればTPOによって変わる「良い」「悪い」を判断するのは難しいです。犬にわかりやすくするため、まずは場面場面で良し悪しを変えることをやめてください。


ルールを決めてあげる

飛びついて遊ぶのは本当に楽しいです。僕も、飛びついてきた犬とたわむれるのは大好きです。しかし、一つルールを作ります。それは勝手に飛びつかないこと。僕が胸なり膝を叩いたら飛びついてOKの合図です。「飛びつき遊び」は人から誘うのです。犬はこちらから誘うと誘いに乗ってきてくれます。

しかしこの部分でつまずく飼主さんもいるでしょう。その場合は、飛びつかせる練習ではなく、日頃の生活や他のトレーニングをおこない、関係性を一度見直してください。

犬は(犬に限ったことではありませんが)、人の想像範囲内で生きてるわけではありません。「なんでもあり」と思って接すれば、飛びつきも、吠えも、噛みつきも、食糞も、全部「あり」です。それが本来の犬の姿であり、自然な行動なのですから。それをまず受け入れてください。

今の家庭にいる犬は「なんでもあり」です。ただし、人間社会で生きていく中でしてほしくない行動がありますよね。どこまでが「許容範囲」でどこからが「ダメ」なのかをまずは明確にして、ルールを決めてあげることが大切です。

ブレない飼い主を目指して

見上げる子犬

どんなシチュエーションでも共通しているコマンドを、愛犬との間に作ってください。そしてどんな場面であっても、「ブレない」飼い主になりましょう。

「この行動だけ直したい」なんてことは、犬のしつけでは成り立ちません。「動く止まる」「寝る起きる」「吠える」「噛み付く」「食べる」「遊ぶ」「警戒する」など、これらの行動は全て性格や習慣で形成されて繋がっているため、どれか一つの行動だけが別枠ということではありません。

最も大切なことは、犬に休息と発散をきちんとさせてあげることです。それだけで問題行動がなくなる場合もあります。お散歩にも行かず、遊んであげてもいないような状況では、言うことを聞かせることは難しいです。お散歩も遊びも「質」を上げる努力をすることで、愛犬と良い関係を作ることに繋がっていきます。

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