【獣医師監修】牧羊犬・牧畜犬ってどんな犬?歴史や性格、代表犬種などを紹介

【獣医師監修】牧羊犬・牧畜犬ってどんな犬?歴史や性格、代表犬種などを紹介

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牧羊犬は、ただの「賢い犬」ではありません。広大な土地で何百頭もの家畜を巧みに誘導し、ときには自ら判断して行動する――そんな高度な役割をこなしてきた、まさに“働く犬”の代表格です。牧羊犬・牧畜犬の代表的な犬種として「ボーダーコリー」や「コーギー」などがいます。今回は、牧羊犬・牧畜犬の歴史や代表犬種など幅広く紹介します。牧羊犬と暮らすことを考えている方や、興味をお持ちの方はぜひご覧ください。

牧羊犬とは?

牧羊犬が働く様子

牧羊犬の役割・仕事

牧羊犬は英語で「Sheep Dog」と表記され、牛や羊などの家畜を監視・誘導する犬のことを指します。

牧羊犬が普及する以前は、群れを狼や盗難から守るために「護羊犬」と呼ばれる犬たちが活躍していました。代表的な犬種には、スパニッシュマスティフやマレンマシープドッグなどがいます。

時代の変化とともに牧羊の規模が拡大し、管理する羊の数や土地も広大になっていきました。こうした環境下で、大量の家畜を効率よく誘導・統率する役割を担うようになったのが、現在の牧羊犬です。

羊飼いは笛や手の動きなどで犬に指示を出し、群れの移動をコントロールします。これを正確にこなすには、人との密なコミュニケーション能力が欠かせません。

ただし、すべてを指示待ちで動いているだけでは務まりません。たとえば、羊が群れから離れてしまった場合には、自ら状況を判断し、行動に移す自主性や判断力も必要です。

牧羊犬は、人間への忠実さに加え、創造力や判断力を兼ね備えた犬だといえるでしょう。

牧羊犬の実際の仕事ぶりを動画でチェック

牧羊犬と牧畜犬の違い

牧畜犬は、まだ自動車が普及していなかった時代に活躍していた犬です。主な仕事は、牛・馬・羊などの家畜の群れを追い立てて、村から市場まで移動させることでした。

そのため、牧畜犬には長距離の移動に耐えられる頑健さや、自分より大きな動物にもひるまない勇敢さが求められていました。

また、24時間常に警戒を怠らず、敵が現れたときには大きな吠え声で威嚇し、真正面から立ち向かう強い意志と体力を持ち合わせている犬が重宝されていたのです。

牧羊犬が家畜の群れを統率・誘導するのに対し、牧畜犬は外敵からの護衛や移動のサポートなど、より肉体的な負荷と防衛力が求められる仕事を担っていたといえるでしょう。

牧羊犬・牧畜犬の性格と特徴

牧羊犬や牧畜犬には、共通して精神力・体力・知力のバランスに優れた性質があります。非常に賢く、体力もあり、何事にも真剣に取り組む仕事熱心な犬種が多いのが特徴です。

しかし、その賢さやエネルギーが持て余されると、ストレスにつながりやすく、問題行動を引き起こすことがあります。代表的なものには、「噛み癖」「無駄吠え」「破壊行動」や、「自転車・子供を追いかけ回す」といった行動が挙げられます。

このため、しつけには特に注意が必要です。中途半端なしつけは逆効果になってしまうこともあるため、飼い主には根気強さと一貫性のある対応が求められます。

また、ただ走らせるだけでは十分な満足感を得られません。ドッグランで体を動かすことに加えて、アジリティーやトリック練習など、知的な刺激を与えるアクティビティを取り入れることが推奨されます。

牧羊犬として働いてきた犬たちは、仕事熱心で忠実。理解力が高く、あきらめない性格、俊敏さとタフな体を併せ持っています。

「ジャーマン・シェパード・ドッグ」や「ベルジアン・シェパード・ドッグ」などが警察犬や災害救助犬として活躍しているのも、牧羊犬としての資質がベースになっているからだといえるでしょう。

牧羊犬・牧畜犬の種類(代表犬種)

ボーダーコリー

ボーダーコリー

ボーダーコリーはイギリス原産の中型牧羊犬で、非常に賢く従順、運動能力が高いのが特徴です。豊富な毛色や被毛のタイプがあり、活発で持久力に優れるため、毎日の運動や適切なしつけが不可欠です。家庭犬としても人気ですが、刺激や運動不足には要注意です。

シェットランドシープドッグ

シェットランドシープドッグ

シェットランドシープドッグ(シェルティ)は、イギリス原産の小〜中型の牧羊犬で、知的で従順、運動能力にも優れています。美しい長毛と愛らしい外見が特徴で、毎日の運動とこまめなブラッシングが欠かせません。飼い主との絆を大切にし、しつけもしやすいため初心者にも比較的飼いやすい犬種です。

ウェルシュコーギーペンブローク

ウェルシュコーギーペンブローク

コーギーはイギリス原産の中型牧畜犬で、「ペンブローク」と「カーディガン」の2種があり、尻尾の有無や毛色に違いがあります。胴長短足の体形で運動能力が高く、明るく賢い性格ですが、しつけを怠ると吠えやすくなるため注意が必要です。日々の運動とブラッシングが大切ですよ。

なお、YouTubeのPETOKOTOチャンネルでは、PETOKOTO代表の大久保が愛犬のコーギー「コルク」と山登りをする動画を公開しています。ぜひご覧ください。

\山登りを楽しむコーギーの様子はこちら/

ロットワイラー

ロットワイラー

ロットワイラーはドイツ原産の中〜大型犬で、力強く筋肉質な体と高い忠誠心を持つ牧畜・警護犬です。賢く落ち着いた性格ですが、警戒心や攻撃力も強いため、初心者向きではなく適切なしつけと運動が不可欠です。短毛で手入れは比較的楽ですが、健康管理と人との関係づくりには細心の注意が必要です。

ジャパンケネルクラブにおける牧羊犬・牧畜犬の分類

日本では、ジャパンケネルクラブ(JKC)が犬種をグループ分けしており、牧羊犬と牧畜犬は同じカテゴリーとして扱われています

一方、イギリスのケネルクラブでは「Pastoral(パストラル)」というグループに分類されており、こちらも牧羊犬・牧畜犬を指しますが、日本とは若干異なる分類がされています

たとえば、イギリスではサモエドも「Pastoral」グループに含まれています。

以下は、ジャパンケネルクラブで牧羊犬・牧畜犬グループに属している主な犬種です。

  • ウェルシュ・コーギー・カーディガン
  • ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
  • オーストラリアン・キャトル・ドッグ
  • オーストラリアン・シェパード
  • オールド・イングリッシュ・シープドッグ
  • クーバース
  • クロアチアン・シープドッグ
  • コモンドール
  • サールロース・ウルフドッグ
  • シェットランド・シープドッグ
  • ジャーマン・シェパード・ドッグ
  • スキッパーキ
  • スムース・コリー
  • チェコスロバキアン・ウルフドッグ
  • ピレニアン・シープドッグ
  • ブービエ・デ・フランダース
  • プーミー
  • プーリー
  • ベルジアン・シェパード・ドッグ
  • ボースロン
  • ボーダー・コリー
  • ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
  • ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ
  • マレンマ・シープドッグ
  • ムーディ
  • ラフ・コリー

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牧羊犬を迎える前に考えておきたいこと

一度家族として迎えたら、子犬から老犬になるまで責任を持って大切にする覚悟が必要です。

年をとれば白髪も増え、病気をすることもあります。お金がかかるのは迎えた時だけではないことを忘れずに、ライフスタイルや将来の変化も含めてしっかり検討してから迎えるようにしましょう。

保護犬から迎える

保護犬と聞くと雑種を想像される方もいるかもしれませんが、実際には血統書付きの犬も多く保護されています。PETOKOTO代表・大久保の愛犬「コルク」も、足が内股という理由でペットショップの競り市に出され、保護された犬でした。

ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫のマッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」では、全国の保護犬・保護猫が掲載されています。運命の出会いが待っているかもしれませんよ。

OMUSUBIで保護犬猫を探す
OMUSUBIで保護犬を迎えた人のストーリー

ブリーダーから迎える

毛色や血統にこだわりたい場合や、成長後の姿が想像しやすい犬を迎えたい場合は、信頼できるブリーダーから迎えるのも選択肢の一つです。

実際にブリーダーのもとを訪問し、飼育環境や犬の様子を自分の目で確かめることが大切です。また、飼育やしつけの相談に乗ってもらえることも多く、初めて犬を飼う方にも心強いでしょう。

ペットショップから迎える

ペットショップでは生後2〜3カ月ごろの子犬が多く販売されており、4カ月を過ぎると価格が下がる傾向があります。

お店によっては兄弟犬と一緒に育っていないケースや、社会化が不十分な場合もあるため、販売時期や環境の確認が重要です。スタッフにしっかり質問をして、信頼できる店舗を選びましょう。

牧羊犬と楽しい暮らしをはじめよう

牧羊犬(シェパード)と暮らすイメージ

牧羊犬や牧畜犬は、歴史をたどると古くから人間と深く関わり合いながら暮らしてきた犬種です。単なるペットとしてだけでなく、パートナーや家族の一員として多くの役割を果たしてきました

その背景や性格を理解し、生活に取り入れていくことで、牧羊犬との暮らしはより充実したものになるはずです。

ぜひ、あなたらしい方法で牧羊犬との毎日を楽しんでくださいね!

飼い主の“もしも”に備えて。ペットの未来を考える選択肢

みらいの約束のイメージ

飼い主に万が一のことがあったとき、大切な家族である愛犬・愛猫の暮らしはどうなるのか——。
みらいの約束」は、そうした不安に向き合いたい方に向けたサービスのひとつです。

「自分に何かあったとき、この子はどうなるのか」。そんな想いを持つ飼い主にとって、ペットのこれからを考えるきっかけのひとつになるはず。サービスの内容や詳細は、以下の公式サイトをご確認ください。