【獣医師執筆】犬はさんまを食べて大丈夫!頭や骨など与え方の注意点を解説

佐藤貴紀

獣医師/循環器科担当/認定医

【獣医師執筆】犬はさんまを食べて大丈夫!頭や骨など与え方の注意点を解説

「犬にさんまをおすそ分けしたいけど、食べさせても大丈夫?」という声を秋口になると聞くようになります。さんまは犬にとっても栄養が豊富で、夏の暑さに疲れた体にはぴったりです。犬に適した与え方について解説します。

目次
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この記事のまとめ

  • 犬はさんまを加熱して骨を取り除けば食べられる
  • さんまはEPA・DHAやビタミンD、ビタミンB12など栄養豊富
  • 生や骨付きのさんまは危険なので必ず加熱し、小骨はほぐして与えるべき
  • アレルギーや食中毒(ヒスタミン中毒・アニサキス症)に注意し、鮮度の良い魚を選ぶ

犬はさんまを食べても大丈夫

皿に盛られた生のさんま

さんまは、タンパク質やオメガ3脂肪酸のEPA・DHA、ビタミンD、ビタミンB12を多く含み、犬が食べても大丈夫な食材です。EPAやDHAは血液や脳の健康を支える成分として知られています。

ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける重要なビタミンで、丈夫な骨を保つのに役立ちます。ビタミンB12は貧血の予防に関わる栄養素です。

ただし、さんまは脂の多い魚です。主食はあくまで総合栄養食で、さんまは旬のおすそ分けとして少量を楽しむ、という位置づけにしましょう。

犬にさんまを与えるときの下ごしらえ

焼き網の上のさんま

人と同じ食べ方はできません。次の順番で用意すると、この記事で後述する危険をまとめて避けられます。

  1. 買ってきたら常温に置かず、すぐ冷蔵庫へ。丸ごと1匹なら早めに頭と内臓を取り除く
  2. 味付けをせず、中心まで火が通るようにしっかり焼くか煮る
  3. 皮と身をほぐしながら、目立つ骨を取り除く
  4. 冷ましてから、ひと口サイズにしてごはんに少量トッピングする

塩焼きの残りを分けるのは避けましょう。人用の塩分は犬には多すぎます。

犬にさんまを与える際の注意点

犬にさんまを与える際の注意点01:生はNG

さんまは生ではなく加熱して与えるようにしましょう。後述するアニサキスは、70℃以上、または60℃で1分の加熱で死滅します。頭や内臓は加熱していれば問題ありませんが、ヒスタミンを作る菌が多い部位でもあるので、積極的に与えなくてよいでしょう。

犬にさんまを与える際の注意点02:与え過ぎ

与え過ぎは肥満の原因になります。さんまは脂が多いので、おやつやトッピングとして与える場合は1日の最適カロリー量の10%以内にしてあげてください。

PETOKOTO FOODS

ペトコトフーズが提供する「食事量計算機(無料)を使っていただくと、1日の最適カロリー量を知ることができます。

例えば1日の最適カロリー量が125kcalのワンちゃんに100gあたり400kcalのドッグフードを与えている場合、1日の最適な食事量は31gとなります。

なお、生後4ヶ月以上、1歳未満の子犬の場合は食事量計算機で表示された1〜1.5倍の量を、生後4ヶ月未満の場合には2倍の量を与えてくださいね。

犬にさんまを与える際の注意点03:骨は取り除く

さんまには細かい骨がたくさんあります。人であれば骨があることを意識して噛む回数を増やせますが、犬は基本的に丸呑みに近い食べ方をします。「小骨に気をつけてね」と言っても分からないので、事前に目立つ骨は取り除いてあげましょう。

また、食べさせる前によく焼くか煮るかして、さんまの身をほぐしてからあげるようにするとよいでしょう。骨が残っていると、犬が勢いよく食べているときに口の中を傷つけたり、胃腸に負担をかけたりする可能性があります。

犬にさんまを与える際の注意点04:アレルギー

犬によっては青魚にアレルギー反応を示すことがあります。食物アレルギーは、原因となる食物を取り除くことが対策の基本です。初めてさんまを食べさせるときは少量にし、以下の症状が出ないか注意してあげましょう。

  • 下痢や軟便
  • 嘔吐
  • 発熱
  • 元気がない
  • 皮膚のかゆみ

アレルギー検査でどこまで分かるのかは、YouTubeのPETOKOTOチャンネル解説動画でも紹介しています。

犬にさんまを与える際の注意点05:ヒスタミン食中毒

ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンという物質が多くたまった魚を食べることで起こる、アレルギーに似た症状の食中毒です。魚がもともと持っているヒスチジンという成分に、魚に付いている菌の酵素が働いてヒスタミンができます。魚を常温に置くと菌が増えるので、ヒスタミンの量も増えて中毒を起こしやすくなります。

ヒスタミンは熱に強く、一度できてしまうと焼いても煮ても分解できません。ヒスタミンを作る菌はエラや内臓に多いので、買ったらすぐ冷蔵し、丸ごとの場合は早めに内臓を取り除くのが予防になります。冷蔵していても長く置くと増えることがあるので、旬のうちに早めに使い切りましょう。ヒスタミン食中毒では、以下のような症状が出ると言われています。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 舌や顔の腫れ
  • 蕁麻疹
  • めまい

なお、人では2025年に全国で13件・431人のヒスタミン食中毒が報告されており、ここ10年で最も多い年でした。人の食卓で起きることは犬にも起こりうると考えて、鮮度管理を心がけてください。

愛犬が吐いたときの危険度の見分け方は、こちらの動画で獣医師が解説しています。

犬にさんまを与える際の注意点06:アニサキス寄生虫

アニサキスは寄生虫(線虫)の一種で、サバやイワシ、カツオ、鮭、イカ、さんま、アジなどの魚介類の内臓に寄生する寄生虫です。鮮度が落ちると内臓から筋肉に移動し、生の状態で食べると胃壁や腸壁に刺さって食中毒(アニサキス症)の原因になります。人では激しい腹痛や嘔吐を伴い、犬や猫にも同様の症状が出るおそれがあります。

アニサキスは熱に弱く、70℃以上、または60℃で1分の加熱で死滅します。冷凍なら-20℃で24時間以上です。一方で、酢や塩、しょうゆ、わさびでは死にません。人であればお刺身をよく噛むことで生きたアニサキスを体に入れにくくできますが、犬によく噛ませるのは難しいので、必ず加熱したうえで小さく切って与えましょう。

犬とさんまに関するよくある質問

Q.
犬にさんまを生で食べさせても大丈夫ですか?
A.
生のさんまは避けてください。生だとアニサキス寄生虫や細菌による食中毒の危険があり、必ず加熱調理したものを与えましょう。
Q.
さんまの骨が犬に与える影響は?
A.
さんまの骨は細かく、犬が丸呑みしやすいので口内や胃腸を傷つける恐れがあります。与える前に骨を取り除くことが重要です。
Q.
犬はさんまでアレルギーを起こすことがありますか?
A.
青魚に対する食物アレルギーがある犬もいるため、初めて与える場合は少量で様子を見て、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどの症状に注意しましょう。
Q.
ヒスタミン食中毒とは何ですか?犬にさんまを与える際の注意点は?
A.
魚が常温で放置されていると細菌がヒスタミンを生成し、中毒を引き起こすことがあります。さんまは新鮮なものを選び、冷蔵保存し、加熱してもヒスタミンは分解されないため、鮮度管理が大切です。

さいごに

こちらを見上げるフレンチブルドッグ
EPA・DHAやビタミンD・B12を含み、少量なら犬の健康をサポートする
ヒスタミンは加熱で消えないので、新鮮な魚をすぐ冷蔵し、内臓は早めに取り除く
アニサキスは加熱で死滅するので、必ず火を通してから与える
骨を取り除き、味付けせずに細かくほぐして、ごはんの10%以内で

さんまは、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸やビタミン、ミネラルが豊富で、適切な食べ方をすれば犬の健康をサポートしてくれる魚です。あげる前に火を通す、骨を取り除くなど、安全には十分配慮してあげてください。

さんまを選ぶときは背中が青黒く光り、全体の身が締まってハリのあるものを選ぶとよいそうです。脂肪分も多いので、日常的に与えると肥満の原因になるかもしれません。旬の秋に、少しだけおすそ分けする楽しみ方がちょうどよい距離感です。

猫と暮らしている方は、猫ならではの注意点(黄色脂肪症)をまとめた記事もあわせてご覧ください。

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※おやつやトッピングとして与える場合、与える量は1日の最適カロリー量の10%以内になるようにしてください。1日の最適カロリー量はペトコトフーズの「食事量計算機(無料)で簡単にわかります。
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