【獣医師執筆】老犬(シニア犬)は肥満になりやすい?適正体重の測り方やダイエット方法を解説

【獣医師執筆】老犬(シニア犬)は肥満になりやすい?適正体重の測り方やダイエット方法を解説

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肥満が気になる愛犬にダイエットフードを食べさせている飼い主さんも少なくないと思います。太ったままでいると病気のリスクが高まり、寿命を縮めてしまいます。今回は、オススメのドッグフードやおやつの与え方など、ダイエット方法について解説します。

老犬(シニア犬)が肥満になりやすい理由

老犬

犬が年を取ると太りやすくなる理由として、主に「代謝が落ちる」「運動量が減る」の二つが挙げられます。そのため、急に太ることもあります。


代謝が落ちる

シニア期になると消化機能や代謝機能が低下し、成犬期に比べて必要なエネルギー量が7〜8割に減少します。食欲が変わらないからと成犬期と同じ食事を続けていれば、摂取する量と消費する量のバランスが崩れ、肥満になってしまいます。

運動量が減る

摂取する量が多くても、消費する量も多ければ太ることはありません。しかし、シニア期になると寝ている時間が多くなり、散歩も前ほど行きたがらなくなります。太ったせいでますます行きたがらなくなる悪循環に陥ってしまうこともあります。

肥満は犬の寿命を縮める

老犬

飼い主さんの中には、「ちょっとくらい丸いほうがかわいらしい」とか、「ふっくらしてるほうが健康そう」と言う方もいます。かわいらしいかは好みの問題ですが、ふっくらしているほうが健康というのは間違いで、むしろ寿命を縮める可能性があります。

アメリカのネスレリサーチセンターが48匹のラブラドールレトリーバーを対象に行った研究によると、肥満の犬と正常な犬で寿命に2年近い差が出ました。正常な犬は高齢になって見られる疾患の発症リスクが少なく、特に大型犬で多い変形性関節症の発症が遅い傾向が見られたそうです。


※参照:「Diet restriction and ageing in the dog: major observations over two decades」(British Journal of Nutrition)

老犬のダイエットは適正体重を知ることから

社員犬おこげ

飼い主さんがダイエットの大切さを理解したとしても、「適正体重」というゴールがわからなければダイエットは成功しません。仮に痩せすぎてしまったら、それもまた問題です。そこで、飼い主さんが適正体重を知る方法として「ボディコンディションスコア」(BCS:Body Condition Score)を利用しましょう。

以下の表を参考に、3の理想体型を目指してください。その時の体重が適正体重(成犬期)です。BCSでは細かい体重の変化がわかりませんので、適正体重を基準として増えたか減ったかを定期的に確認することで体重管理・体調管理につながります。

ボディコンディションスコア(BCS)

BCS1 痩せ 助骨、腰椎、骨盤が容易に見え、触っても脂肪がわからない状態。腰のくびれと横から見た際の腹部の吊り上がりが顕著です。背骨がゴツゴツと見える場合もあります。
BCS2 やや痩せ 助骨が容易に触れます。上から見て腰のくびれが顕著、横から見て腹部の吊り上がりも明瞭な状態です。
BCS3 理想体型 過剰な脂肪の沈着がなく助骨を触れます。上から見て肋骨の後ろに腰のくびれが見られ、横から見た際は腹部の釣り上がりも見られます。
BCS4 やや肥満 脂肪の沈着はやや多いものの、肋骨は触れます。上から見て腰のくびれはありますが顕著ではなく、腹部の釣り上がりはやや見られる程度の状態です。
BCS5 肥満 助骨は厚い脂肪に覆われて容易に触れません。腰椎や尾根部にも脂肪が沈着しています。腰のくびれはないか、ほとんど見られません。横から見て腹部の吊り上がりはないか、むしろ垂れ下がっている状態です。

体重の測り方やボディコンディションスコアの確認方法は以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。




老犬のダイエット方法(食事編)

ペトコトフーズ

健康なのに体重が増える理由は「食事量が多い」「運動量が少ない」のどちらか、もしくは両方です。また、チワワやトイプードルなど犬種によってダイエット方法が変わるわけではありません。まずは食事の見直しでできるダイエット法から解説していきます。

01【老犬のダイエット方法】適量のフードを与える

ペトコトフーズ

エネルギーとして出ていく量より食べる量のほうが多ければ体重は増えていきます。飼い主さんで多いのは、「袋からごはん皿にザザーっとテキトーに入れている」パターンです。これで太っているなら食事量が適切ではありませんから、きちんと量って与えるようにしましょう。

次に多いのは、「ドッグフードのパッケージに書いてある体重あたりの推奨量を与えている」パターンです。「言われた通りに与えるのがダメなの!?」と思うかもしれませんが、私たちと同じく痩せやすい・太りやすい体質もあれば、同じ体重でも運動量が多い犬と少ない犬や不妊去勢手術の有無などで食事量は異なります。平均値としての推奨量ですので、愛犬に合った量を与えるようにしましょう。そのためには、class="under-line">1ヶ月に1度は体重を測り、増減を確認し、増えていてBCSも理想体型より増えたらカロリーを減らす、減っていてBCSも理想体型から減ったらカロリーを増やすようにしましょう。

もしかしたら、「平均値からズレていると言ってもちょっとした差でしょ?」と思うかもしれませんが、私たちと犬では体重が10倍以上の差があるわけですから、単純計算でclass="under-line">犬にとっての10gは私たちにとっての100gになります。ダイエットをしている人が毎日ご飯を大盛りにしていたら痩せませんよね。

愛犬にとってのフードの適正量を知るために、毎日の与えるカロリー量を計算しましょう。毎日の最適必要量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

愛犬のカロリー計算をする

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02【老犬のダイエット方法】おやつを与えすぎない

ペトコトフーズ

ごはんが適量だったとしても、おやつを食べすぎて摂取カロリー量オーバーになっている場合もあります。ごはんへのトッピングを含めて、おやつは1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。

意識していただきたいのは、「家族全員でルールを守る」ということです。「お腹を空かせてかわいそう」とこっそりおやつを与えたり、食卓からわざとごはんを落としたり、犬のダイエットを阻む家族が隠れているかもしれません。全員が肥満のリスクを理解して取り組まなければいけません。

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ペトコトフーズのおやつは四国産若どりや鹿児島県産の紫いも、青森県産のりんごなど国産食材をふんだんに使用し、獣医師が監修した保存料無添加のおやつです。

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水に浸すと食材本来の歯応えに戻るため子犬からシニア犬まで楽しんでいただけます。

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03【老犬のダイエット方法】食物繊維でかさ増しダイエット

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食べることが大好きな愛犬のごはんを減らすのはかわいそうと思う飼い主さんも多いと思いますが、食事量を減らさずにカロリー量を減らす方法として、食物繊維を使ったかさ増しがあります。食材としては野菜や「おから」がよく知られているのではないでしょうか。

食物繊維は「水に溶けやすい水溶性」と「水に溶けにくい不溶性」の2種類の特性を持ちます。水溶性は水に溶けてゲル状になって胃腸に溜まり、不溶性は保水してフードや糞便をかさ増しするのが特徴です。満腹感を得るためには水溶性、便秘がちな子には不溶性がいいでしょう。食物繊維は腸内細菌のエサになり腸内環境の改善にもつながります。

食物繊維を含む野菜などの食材としては以下がオススメです。最適カロリー量の10%以内を目安に、トッピングやおやつとして与えてください。食物繊維について解説した関連記事も参考にしていただくといいでしょう。

枝豆
モロヘイヤ
オクラ
ブロッコリー
枝豆
与え方
モロヘイヤ
与え方
オクラ
与え方
ブロッコリー
与え方
寒天
納豆
きのこ
ひじき
寒天
与え方
納豆
与え方
舞茸
与え方
ひじき
与え方

04【老犬のダイエット方法】食事回数を増やす

ペトコトフーズ

多くの飼い主さんは愛犬の食事を1日2回にしていると思います。これは犬の消化スピードに合わせた回数ですが、与える量を変えずに回数を増やすことはダイエットに有効です。一気食いをしてしまう犬は特に「食事」という行為そのものに満足感を得る場合がありますので、1日3〜4回にわけてあげることを試してみてください。

05【老犬のダイエット方法】食事を見直す

ペトコトフーズの犬のプレゼントにおすすめのフレッシュドッグフード

ドッグフードを見直すことも大切です。新鮮な食材を使用し、食材の栄養素を残し、消化に良いご飯を与えることが健康的な体重に近づける一歩です。ダイエットフードもありますが、あくまで低脂質フードになりますので、基本的には栄養バランスの取れた総合栄養食のごはんを与えるべきです。もし、腎臓病など特定の病気がある場合は獣医師の指示のもと、療法食を与えましょう。

犬の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、犬も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の2点を気を付けていただくといいでしょう。

1. 総合栄養食を適量与える

犬が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。

総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。


2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ

犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。新鮮な野菜を犬や猫に与え続けることで、様々ながんに罹るリスクを軽減することが研究で判明していたり、市販のドライフードを製造する工程の1つである高温加熱処理が、タンパク質の品質劣化を招き、熱に弱いビタミンを破壊し、さらには発がん性物質を生成してしまうことが、研究により判明しています。

そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。ペトコトフーズもその一つで、子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食で、主食としても、トッピングとしてもご利用いただけます。ポークメニューには、おからが入っていたり、食物繊維も豊富で水分量が多いため、満腹感が満たせるごはんです。

ペトコトフーズの犬のプレゼントにおすすめのフレッシュドッグフード

実際に従来のドライタイプのドッグフードよりも、水分がより多く含まれた手作り品質のごはんを食べている犬の方が寿命が3年も長くなることが研究により明らかになっています。新鮮で美味しく、健康なごはんを選ぶことが長生きできる秘訣です。

フレッシュフードと寿命の関係性

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老犬のダイエット方法(運動編)

走るコーギー

太っている理由で食事の問題にされがちですが、実は運動面に課題がある場合が多いです。私たちと同じく、1日に必要な摂取量と消費量で摂取量が大きく上回ると太っていきます。両面から見直すことで、ダイエットが成功しやすくなります。

06【老犬のダイエット方法】定期的な散歩

ドッグラン

ダックスフンド、ポメラニアン、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、ビーグル、パグなどは食欲旺盛で太りやすい犬種です。狩猟犬や牧羊犬など、犬種の特性として運動量が必要な犬種も見合った運動ができていないと太りがちです。ハウンド種やレトリーバー種、テリア種、日本犬などが当てはまります。

サイズでは大型犬より小型犬のほうが食事量の誤差が大きく影響するため太りがちです。小型犬の飼い主さんの中には室内運動だけで十分と考えている方もいるのですが、体力的に問題ない限り散歩がいらない犬はいません。外での散歩はストレス解消にもつながる重要なイベントですので、老犬でも歩ける場合は適度な運動をするようにしてください。もし歩くことが難しい場合は室内で歩かせてあげるだけでも運動に良いでしょう。




07【老犬のダイエット方法】プールなどで運動

ドッグラン

関節に不安のある子やシニア犬(老犬)はなかなか運動量を確保するのが難しいと思います。最近はリハビリ用の犬用プールを備えた施設もありますし、お出かけができる子であればドッグランや宿泊施設の犬用プールを利用するのもいいでしょう。毎日とは言わずとも、定期的な運動をすることが大切です。


老犬(シニア犬)のダイエットに自宅で手作りごはんは危険

フレッシュペットフードのペトコトフーズ

犬に手作りでご飯を与えたい気持ちは分かりますが、栄養基準をコントロールすることが難しい点があります。私たちの場合は毎食違う食事をバランス良く摂取することで栄養バランスの偏りが防がれていますが、愛犬の栄養基準を満たすためにはミネラルやビタミンの量を基準値を満たす必要があります。

自然食材を通してAAFCOの栄養基準を満たすことは限りなく不可能に近いそうです。愛情を持って手作りごはんを与える結果、愛犬の健康を害するのは非常に悲しく、栄養管理面では手作りごはんはデメリットがあります。

ダイエットの前に健康管理ができないと長生きにはつながらないので、基本的には総合栄養食を与えてあげましょう。手作りごはんのような総合栄養食「ペトコトフーズ」は老犬にもおすすめです。

まとめ

太った犬
肥満は犬の寿命を縮めてしまう
BCSで愛犬の体型を客観的に知る
運動はプールなど負担の少ないものにする
おやつは1日に必要なエネルギー量の10%以内
カスタムドッグフードで正しい量を食べさせる
老化は確実に進み、飼い主さんが気づいたときに何か病気が進行していたということが少なくありません。「うちの子は若いときと変わらず元気」と思っていても、実際は無理をしていたり、本人も気づいていないだけかもしれません。

愛犬の健康を守れるのは飼い主さんだけです。いつまでも元気でいられるように、生活を見直し、適正体重を維持できるようにしてあげてください。


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