【獣医師執筆】犬はお米を食べても大丈夫!グレインフリーが良いと言われる理由を解説
犬に生米はNGですが、炊いたお米であれば与えても大丈夫です。与える量やアレルギーなど注意点を知った上で愛犬のご飯にうまく取り入れていきたいですね。今回は、お米を愛犬に与える際の注意点、お米を使った手作りごはんレシピなど紹介します。
犬はお米を食べても大丈夫!
お米はエネルギーが豊富で、犬にとって必要なミネラルやタンパク質も含んでいます。中でも多いのが炭水化物「デンプン」で、エネルギー源になります。
人は唾液に消化酵素「アミラーゼ」を含みますが、もともと肉食だった犬はその機能が無いため人に比べれば消化が得意ではありません。しかし、人との共生で雑食動物へと進化し、炭水化物を消化、吸収して利用することができるようになりました(※)。
犬は肝臓でタンパク質や脂肪を分解してエネルギーを合成していますが、炭水化物を利用することでその負担が軽減されます。また尿素窒素の生成も減るため、腎臓の負担も軽減します。バランスの良い食材から栄養を摂取することが、体に良い食事につながるのです。
犬はお米を食べなくて良いと言われるのはなぜ?
グレインフリーのペットフードが注目される理由の一つとして、「犬や猫は穀物を消化するのが苦手だから」と言われることがあります。確かに犬はもともと肉食でしたし(※1)、猫は現在も肉食です。実際、生米を漁った犬が下痢をしたという話も珍しくありません。
しかし、生米が消化に悪いのは犬だけでなく人でも同じ。米や小麦に含まれるデンプンは、水と熱を加えることで構造が崩れて消化性が高まります。これをα化(あるふぁか)と言い、犬もα化されていればデンプンを消化でき、実際にα化されたデンプンを含むフードを100%消化できていたという研究結果もあります(※2)。そのため、 穀物は消化しづらいから肉メインでごはんを選びましょうというのは間違いで、家族として私たち人間と暮らす中で、バランスの取れた食事が大切です。
猫についても同様ですが、肉食の猫にとって消化しやすいものでないのは事実です。総合栄養食の基準値を策定しているAAFCO(米国飼料検査官協会)は炭水化物の基準値を設けていませんが、乾物当たり40%を超えると下痢などの消化不良が起こる可能性があります(※2)。
※1 最近の研究で、犬の祖先であるオオカミは肉だけでなく植物を主食にすることもあることがわかってきました。参照:「オオカミの多彩な食生活、研究者も驚く」(National Geographic)、※2 参照:『小動物の臨床栄養学 第5版』
犬にお米を与えるときの注意点
生米は消化されにくい
生米は消化しにくく下痢を引き起こしてしまいます。しかし、煮炊きした熱と水分が加えられたものは消化されやすくなります。そのため犬にお米を与える場合は、炊いたお米を与えるようにしましょう。
お米アレルギーの可能性
一般的にお米はアレルギー反応が起きにくい食べ物ですが、お米に対してかゆみのアレルギー反応を起こしてしまう犬もいます。その場合、掻きむしることによる脱毛や細菌の感染を伴うことがあります。初めて与える際は少量程度にして、しばらく様子を観察してください。気になる症状がある場合は動物病院でアレルギーチェックを行うことをおすすめします。
お米のとぎ汁はあげないで
お米には汚れや虫、農薬などが付着している場合があり、お米を研ぐことでその汚れなどを落とします。とぎ汁を作物や植物に肥料として与えることもありますが、人も食べないものを与えるのはやめましょう。白米以外のお米食品は犬に与えても大丈夫?
玄米
白米に比べビタミンや食物繊維が豊富ですが、白米に比べて消化は良くありません。水分を多めにするなど消化されやすいように工夫が必要です。白米同様アレルギー反応を起こす犬もいますので、かゆみなどの症状が出ないか様子を観察しましょう。
雑穀米
五穀や十六雑といった雑穀も犬が食べても大丈夫な食材です。白米に比べてビタミンやミネラルなど豊富に含んでいます。
しかし、犬は穀物を消化することが苦手ですので、与える時は人が食べるよりも柔らかく炊いてあげる必要があります。
米粉
米粉は名前の通り、米を細かい粉状にしたものです。お米との成分の違いはなく、お米同様に水分と熱を加えることで犬に与えることができます。米ぬか
犬に与えてもいい食材です。食物繊維が豊富な米ぬかですが、食物繊維は基本的に消化酵素で分解されません。腸内細菌による発酵がされることで栄養を吸収しやすくし、消化器官の輸送機能を高めてくれます。
米麹
米麹は犬が食べても大丈夫な食材です。特に米麹のみで作られている甘酒などは栄養価が高く、食欲のない犬や高齢の犬の栄養補給としてもいいといわれています。しかし、糖度がとても高いため、与えすぎは肥満を引き起こす原因となってしまいますので注意しましょう。
お米を使った犬の手作りごはん
ペトコトフーズ
私たちペトコトが自信を持ってお届けするのがペトコトフーズのフレッシュドッグフードです。
犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。
そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。ペトコトフーズもその一つで、総合栄養食として子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。
ビーフとポークメニューにはお米を使用しています。日本が誇る米を使用することで、日本の農産業に貢献したいという想いを込めて、炭水化物にはお米を使用しています。
公式サイトで詳細を見る
トマトリゾット
連載「今月の一皿」では、お米を使ったトマトリゾットのレシピを紹介しています。
トマトリゾット
▶材料
- ささみ
- プチトマト
- 舞茸
- にんじん
- じゃがいも
- 水
- 炊いたご飯
- オリーブオイル
▶作り方
- 野菜は小さめに切り、ささみは適当な大きさに切っておく。
- 鍋にオリーブオイルを入れて火にかけ、ささみを炒める。
- 2の色が変わったら、1の野菜を全て入れて、さらに炒める。
- 3に水を入れ、材料が柔らかくなるまで煮る。
- 4にご飯を入れて、ご飯が好みの柔らかさになったら火を止め、人肌程度に冷ましたらできあがり。
レシピや詳細は関連記事をご覧ください。
愛犬には炊いたお米をあげるようにしましょう!
与える際は炊いたお米を与えましょう
生米やとぎ汁は与えないで
アレルギーや消化不良に注意
与える量は少量程度にしましょう
犬はもともと肉食の動物で、人と一緒に暮らしてきた歴史の中で雑食性へと進化してきました。犬は肉食だったからと肉だけをあげたり、雑食だから人と同じようにお米だけをあげたりと偏った与え方はしてはいけません。
人間にとって美味しい食材でも、犬にとっては危険な食べ物もたくさんあります。それらをきちんと理解した上で、楽しいペットとの食ライフを過ごしてくださいね!
獣医師相談のインスタライブ開催中!
ペトコトフーズのInstagramアカウント(@petokotofoods)では、獣医師やペット栄養管理士が出演する「食のお悩み相談会」を定期開催しています。愛犬のごはんについて気になることがある方は、ぜひご参加ください。
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