
犬は馬肉を食べても大丈夫!与えるメリット・デメリットを栄養管理士が解説
馬肉は犬が食べても大丈夫な食材です。低カロリーでタンパク質が豊富に含まれ、大きなデメリットもなくダイエットや疲労回復に効果的です。与えていい量や茹でるなど加熱したほうがいいのかなど馬肉の与え方やアレルギーなど注意点について、ペット栄養管理士が解説します。
犬は馬肉を食べても大丈夫

馬肉はタンパク質やカリウム、鉄分などを多く含み、犬が食べても大丈夫な食材です。実は世界初の犬用缶詰フードは馬肉を使ったもので、食いつきの良さから缶詰ドッグフードのスタンダードとして広く普及しました。
タンパク質の量は牛、豚、鶏と同程度ですが、脂質が少ないのが特徴でダイエットにお薦めの食材です。カリウムを多く含むことから利尿作用で体を冷やす効果があり、夏バテや熱中症が気になる季節に食べさせてあげるといいでしょう。
※参照:「ペットフード産業の歴史と現状」(ペット栄養学会誌)
馬肉に含まれる栄養素
エネルギー | 102kcal |
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タンパク質 | 20.1g |
脂質 | 2.5g |
カリウム | 300mg |
鉄 | 4.3mg |
※生100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)
カリウム | 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。 |
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鉄 | 血液中で酸素を運んだり筋肉中で酸素を受け取ったりする働きを持ち、体を動かすために欠かせないミネラルです。不足すると皮膚や被毛のトラブル、イライラ感につながります。 |
犬に馬肉を与える際の注意点

犬に馬肉を与える際は、以下の2点に注意してください。
- 生肉の感染症リスク
- 馬肉アレルギー
1. 生肉の感染症リスクに注意
牛肉や豚肉は感染症のリスクなどから、生食は推奨されません。一方、生食である馬刺しが一般的に行われているのは馬の体温が牛や豚に比べて高く、牛肉や豚肉に比べてO157やサルモネラ属菌などの大腸菌が検出されにくいためです。ただし、馬の生肉には「ザルコシスティス・フェアリー」という寄生虫の危険性もあります。ザルコシスティス・フェアリーは犬と馬に寄生する寄生虫です。人間に寄生することはありませんが、馬刺しを食べた人がザルコシスティス・フェアリーに感染し、下痢や嘔吐などの症状を訴えたという事例が報告されています。この寄生虫は以下のように冷凍処理をすることで死滅することが分かっています。
- −20度(中心温度)で48時間以上
- −30度(中心温度)で36時間以上
- −30度(中心温度)で18時間以上(急速冷凍装置を用いた場合)
- −40度(中心温度)で18時間以上
- 液体窒素に浸して1時間以上
犬も人も嗜好性を別にすれば、生肉を食べるデメリットはあってもそれを上回るメリットはありません。犬に生の馬肉をあげる際は冷凍処理されている商品を選び、加熱して与えるようにしてください。
参照:「食品安全に関するリスクプロファイルシート」(厚生労働省)、「ザルコシスティス・フェアリー」(農林水産省)
2. 馬肉アレルギーに注意
馬肉は牛肉や豚肉に比べて低アレルゲンの食品といわれていますが、馬肉アレルギーの子もいます。初めて与える場合は少量からにして、以下のような症状が出ないか確認してください。- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚の痒み
- 元気がない
- 目の充血
気になる症状がある場合は、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
馬肉の与え方
馬肉を総合栄養食にトッピングしたりおやつとして与えたりする場合、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量は「PETOKOTO FOODS」の「フード診断」(無料)で簡単に計算することができます。無料フード診断を受ける

まとめ

生の馬肉は冷凍処理したものを選ぶ
馬肉は低カロリーでたんぱく質・糖質が豊富
嗜好性の高い食材なので、日常的に与えると普段のご飯を食べなくなる恐れがある
馬肉アレルギーに要注意
気になることがあれば専門家に聞いてみよう!

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