犬は馬肉を食べても大丈夫!与えるメリット・デメリットを解説
馬肉は犬に与えても大丈夫な食材です。低カロリーでたんぱく質・グリコーゲン(糖質)が豊富に含まれているため、疲労回復にも効果的です。犬にも嬉しい成分が多く含まれている馬肉ですが、与え方を一歩間違えてしまうとデメリットにもなり得る食材です。また、嗜好性の高い食材のため、日常的に与えると普段のドッグフードを食べなくなる恐れがあります。今回は犬に馬肉に与える際の注意点や栄養素、馬肉アレルギーの可能性などについて紹介します。
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犬は馬肉を食べても大丈夫

馬肉はタンパク質やカルシウム・鉄などミネラルが多く、犬が食べても大丈夫な食材です。タンパク質の量は牛、豚、鶏と同程度ですが、脂質が少ないのが特徴です(部位によって異なります)。
肉食に近い雑食性の犬にとって、タンパク質は重要なエネルギー源。皮膚・被毛などの健康維持や、老犬の筋肉維持としても積極的に与えるとよいでしょう。
犬に馬肉をあげる際の注意点

馬刺しがポピュラーな理由
牛肉や豚肉は感染症のリスクなどから、生肉で食べることは危険とされています。一方、馬肉は牛肉や豚肉に比べると、O157(腸管出血性大腸菌)やサルモネラ属菌などの大腸菌が検出されにくいという特徴があり、これが他の動物の刺身よりも馬刺しが一般的な理由です。
「馬肉は加熱するより生の方がおいしい!」という人が多くいるほど、馬刺しは日本人にとって非常に親しみのある料理の一つです。
生肉には酵素が多く含まれているため犬にあげると、老犬でも毛艶がよくなる効果が期待できます。また、生肉は嗜好性が高く、ご飯に対する食いつきがよくなることもあり、犬にとってもメリットのある食材です。
総合栄養食にトッピングしたり、おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトことオリジナルのドッグフード「PETOKOTO FOODS」の「フード診断」で簡単に計算することができます。

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馬肉の生肉の危険性と選び方
生肉を犬に与えるメリットがあるからといって、加熱用の馬肉を犬に生であげることは良くありません。生肉には、大腸菌による食中毒だけでなく、ザルコシスティス・フェアリーという寄生虫の危険性もあります。<ザルコシスティス・フェアリーとは>
主に犬と馬に寄生する寄生虫です。人間に対しては感染はするものの、寄生はしません。国内では馬刺しを食べた人がザルコシスティス・フェアリーに感染し、下痢や嘔吐などの症状を訴えたという事例もあります。
この寄生虫は以下のように冷凍処理をすることで死滅することが分かっています。
- −20度(中心温度)で48時間以上
- −30度(中心温度)で36時間以上
- −30度(中心温度)で18時間以上(急速冷凍装置を用いた場合)
- −40度(中心温度)で18時間以上
- 液体窒素に浸して1時間以上
犬に生の馬肉をあげる際は、冷凍処理されている商品を選ぶようにしてください。
馬肉アレルギーの可能性
食物アレルギーには生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることにより発症する後天性アレルギーがあります。馬肉は牛肉や豚肉に比べると、低アレルゲンの食品といわれていますが、馬肉アレルギーを持っている子もいるので最初は少量を食べさせることからスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚の痒み
- 元気がない
- 目の充血
上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。
たんぱく質の過剰な摂取を推奨しない場合
腎不全や慢性腎臓病など腎臓に疾患がある場合や、肝臓病で高アンモニア血症や腹水がみられる場合、たんぱく質をあまり過剰に摂取しないほうが良いでしょう。まとめ

生の馬肉は冷凍処理したものを選ぶ
馬肉は低カロリーでたんぱく質・糖質が豊富
嗜好性の高い食材なので、日常的に与えると普段のご飯を食べなくなる恐れがある
馬肉アレルギーに要注意
基本的に馬肉だけですと、栄養に偏りが出てしまうので、ドッグフードのトッピングやおやつとして適量をあげることをオススメします。
人間にとって美味しい食材でも、犬にとっては危険な食べ物もたくさんあります。それらをきちんと理解した上で、楽しいペットとの食ライフを過ごしてくださいね!