【獣医師執筆】犬はいちじく(無花果)を与えてはダメ!食べてしまった際の注意点や対処法を解説

【獣医師執筆】犬はいちじく(無花果)を与えてはダメ!食べてしまった際の注意点や対処法を解説

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夏から秋にかけて旬を迎えるいちじく。古くから「不老長寿の果物」として重宝されてきたいちじくですが、犬にとって中毒症状を起こす成分が含まれているため絶対に与えてはいけません。今回は、いちじくにどんな成分が含まれ、何が中毒症状を引き起こすのか、間違って犬が食べてしまった場合の対処法について解説します。

犬にいちじくを与えないで

いちじく

いちじくは、夏から秋にかけて旬を迎える果物です。熟した実はとろっとした食感で、ぷちぷちと弾ける種とともにみずみずしさもあり、生食やジャム、乾燥させてドライフルーツ(ドライフィグ)にしたりと食べ方もさまざまです。

整腸作用があるため古くから「不老長寿の果物」として重宝されてきました。「そんな健康的な果物なら、愛犬にも食べさせてあげたい」と思う人もいると思いますが、イチジクは犬にとって中毒症状を起こす「ソラレン」と「フィシン」という成分が含まれているため、犬に与えてはいけません

参照:Toxic and Non-Toxic Plants「Fig」(ASPCA)


犬がNGのいちじくに含まれる成分

いちじく

フィシン

フィシンはタンパク質分解酵素でいちじくの実や葉、茎に含まれます。肉を柔らかくするためにパイナップルやキウイが使われることがありますが、いちじくに含まれるフィシンも同様の働きをします。

人間にとっては整腸作用を持ちますが、犬にとっては強すぎる働きをしてしまうのです。いちじくの葉や茎を傷付けると乳白色の液体が出てきますが、その液体にフィシンが含まれますので、犬が間違ってなめてしまわないように注意が必要です。

ソラレン

ソラレンは紫外線の吸収率を高め、メラニン色素を生成し、シミやそばかすの原因となってしまう美容に大敵な成分です。犬がソラレンを摂取すると、下痢や嘔吐といった中毒症状を起こす場合があります。


ラテックスアレルギーに注意

天然のゴム製品に対するアレルギー「ラテックスアレルギー」に注意が必要です。ラテックスに対する抗原がいちじくなど一部の果物にも反応する場合があり(交叉抗原性)、アナフィラキシーショック蕁麻疹を引き起こす可能性があります。

犬でのアレルギー反応について正確な調査結果はありませんが、ゴム製品にアレルギー反応がある犬は念のためイチジクに触れないように注意してください。


犬がいちじくを少量でも食べてしまったら

イチジクを食べたい犬

犬が誤っていちじくを食べてしまったら、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。いちじくのヨーグルト、乾燥いちじく、いちじくの葉なども同様です。

致死量のエビデンスはありませんが、小型犬ほど大量に食べると危険です。

その際に、「いつ」「どのくらいの量」を食べたかを正確に伝えることで獣医師の診断がしやすくなります。いちじくを使った加工品を間違って食べてしまった場合は、袋や残りを見せることも重要です。

誤飲したことがわかった時点ですぐに動物病院に行くことが好ましいですが、時間帯や愛犬の様子によってはまず電話で獣医師の指示に従うことも良いでしょう。

決して素人判断で「大丈夫そうだから」と放置してはいけません。数日後に症状が現れる可能性もありますので、異変が無いか目を離さないようにしてください。

まとめ

犬
イチジクを犬に与えるのは絶対にNG!
中毒症状を引き起こしアナフィラキシーショックや蕁麻疹を引き起こす可能性がある
万が一、犬がイチジクを食べてしまったらすぐに動物病院へ
数日後に症状が現れる可能性もあるため決して素人判断はしないこと
人間にとって体に良い食べ物が、犬にとっても良いとは限りません。大切な愛犬を守るために、しっかりと確認して愛犬との食生活を楽しみましょう。


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