【獣医師執筆】犬が食べてはいけない危険な植物・観葉植物25選|食べた場合の対処法やしつけ
室内に飾る観葉植物から庭や散歩中に出会う花まで、実は犬が食べてしまうと中毒症状を引き起こす危険な植物はたくさんあります。犬が食べてはいけない植物を獣医師の佐藤が解説します。
目次
- 01【犬に危険な植物・観葉植物】ポトス
- 02【犬に危険な植物・観葉植物】アイビー
- 03【犬に危険な植物・観葉植物】アサガオ
- 04【犬に危険な植物・観葉植物】モンステラ
- 05【犬に危険な植物・観葉植物】ドラセナ
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01【犬に危険な植物・観葉植物】ポトス
ポトスは、育てやすく観葉植物としても人気の植物です。
しかし、サトイモ科のポトスにはシュウ酸カルシウムが含まれています。シュウ酸カルシウムは、刺さってしまった部位に炎症を起こす毒であり、全ての部位に存在しています。
茎や葉の汁液に触れると、皮膚が炎症を起こします。飲み込んでしまうと最悪の場合、呼吸困難になることもあるため、非常に注意が必要です。
02【犬に危険な植物・観葉植物】アイビー
ポトスと同じく、アイビーも丈夫で育てるのが楽であることから、人気のある観葉植物です。
しかし、アイビーの葉と茎には有毒なサポニンが含まれており、間違って食べてしまうと大量のよだれ、嘔吐・下痢、口腔の痛みなどがおこる可能性があります。
万が一目に入ってしまった場合は、流涙(涙が出ること)や目の痛みを訴えることが多いです。かなりまれですが、大量摂取した場合、神経症状や呼吸困難、頻脈などが起こる場合もあるため、こちらも注意が必要な植物です。
03【犬に危険な植物・観葉植物】アサガオ
子供にも馴染みのある夏の風物詩アサガオも、犬にとっては注意が必要な植物です。
アサガオの種類によって含まれる毒の種類も異なりますが、アサガオの種には有毒な成分が含まれ、摂取してしまうと嘔吐・下痢、血便、動悸が起こります。
04【犬に危険な植物・観葉植物】モンステラ
モンステラも観葉植物で人気な植物です。
モンステラも、ポトスと同じくサトイモ科であり、シュウ酸カルシウムが含まれています。シュウ酸カルシウムは、刺さってしまった部位に炎症を起こす毒であり、全ての部位に存在しています。
茎や葉の汁液に触れると、皮膚が炎症を起こします。飲み込んでしまうと最悪の場合、呼吸困難になることもあるため、非常に注意が必要です。
05【犬に危険な植物・観葉植物】ドラセナ
ドラセナは、「幸福の木」とも呼ばれる、人気のある観葉植物です。
ドラセナは、スズラン亜科に属し有毒成分が含まれるとされていますが、有毒成分は不明です。食べてしまうと嘔吐・下痢・流涎(よだれ)がおこり、大量に摂取すると死亡することもあるため、注意が必要な植物です。 、
06【犬に危険な植物・観葉植物】アロエ
私たち人間には健康効果もあるアロエも危険な植物です。アロエには、サポニン、バルバロイン、アントラキノンなどの毒性成分が含まれていて、消化不良、下痢、嘔吐などの原因になります。中にはアレルギーを持っており皮膚炎を引き起こす場合もあります。
07【犬に危険な植物・観葉植物】ポインセチア
クリスマスシーズンになると目に触れる機会が多くなるポインセチアも注意が必要な植物です。
全草にフォルボールという毒を持っており、摂取してしまうと嘔吐や下痢、皮膚に触れると皮膚炎や水ぶくれができることがあります。大量に食べてしまった場合は命にかかわる事態になることもあるため、注意が必要です。
08【犬に危険な植物・観葉植物】チューリップ
チューリップも注意が必要な植物です。ユリ科のチューリップは、ツリピンという毒で花や葉にも含まれますが、特に球根には多くの毒が含まれています。球根は甘いため、犬が間違えて食べてしまうと、皮膚炎や口内炎、心不全を起こす可能性があります。
09【犬に危険な植物・観葉植物】ウルシ
ウルシの樹液にはウルシオールと呼ばれるアレルギー反応があり、皮膚の炎症の恐れがある成分が含まれています。
10【犬に危険な植物・観葉植物】セイヨウヒイラギ
クリスマスのリースでも使用されるセイヨウヒイラギも注意が必要な植物です。セイヨウヒイラギの赤い実には、サポニンが含まれ中毒症状の原因となり、嘔吐や下痢を起こす可能性があります。
11【犬に危険な植物・観葉植物】アジサイ
梅雨の時期の観光地としても人気のアジサイですが、葉や花にはクマリン誘導体と、品種によっては青酸配糖体という毒を含んでいます。
間違って摂取してしまうと呼吸数の増加、興奮、痙攣などが起こり死亡する場合があり、注意が必要な植物です。
12【犬に危険な植物・観葉植物】ユリ
ユリは、植物全体(花、花粉、花弁、葉、茎、根、球根)に毒性があります。特に球根には、シュウ酸カルシウムが多く含まれ、嘔吐、下痢、口腔内の炎症、不整脈が起こる可能性があります。
ユリの種類によって毒性が異なりますが、腎不全を3日以内に起こす可能性があります。腎不全が進行すると尿毒症を引き起こし死亡する場合もあり、注意が必要な植物です。
13【犬に危険な植物・観葉植物】ナンテン
年末年始の代表的な植物であるナンテンですが、全草にドメスチン、ナンテニン、ヒゲナミンと呼ばれる毒を含み、特に赤い実には毒が多く含まれます。
摂取すると嘔吐、よだれ、呼吸困難、意識障害、痙攣などが起こり、場合によっては突然死することもあります。
14【犬に危険な植物・観葉植物】ヤツデ
冬の寒い時期に白い花を咲かせる植物でもあるヤツデも注意が必要な植物です。葉や根には、サポニンという毒成分が含まれ、嘔吐や下痢を起こす可能性があります。
15【犬に危険な植物・観葉植物】スイセン
ユリ目ヒガンバナ科の植物であるスイセンも、リコリン、タゼチンなどのアルカロイドを毒性成分として含みます。
特に球根には毒が多く含まれ、犬が食べてしまうと流涎(よだれ)、嘔吐・下痢、血圧低下、心不全などを起こします。症状が重くなると、昏睡、麻痺などの神経症状が起こり死亡する可能性もあるため、注意が必要な植物です。
16【犬に危険な植物・観葉植物】シクラメン
冬の代表的な植物であるシクラメンには、シクラミンという毒が全草に含まれており、特に球根部分に多いといわれています。
毒性はかなり強く、摂取すると嘔吐や下痢、胃腸炎などを引き起こし、大量に摂取すると不整脈、けいれんを起こし死亡する可能性もあります。
17【犬に危険な植物・観葉植物】パンジー、スミレ、ビオラ
パンジーやスミレ、ビオラには、ビオリンなど複数の毒成分が種、茎、根に含まれます。食べてしまうと、嘔吐や神経麻痺などの症状が現れます。
18【犬に危険な植物・観葉植物】藤
藤の葉、樹皮にはウェスタリン、豆やサヤにはシチシンという毒が含まれています。食べてしまうと嘔吐、下痢、胃腸炎などを起こしますが、死亡する可能性もあり、注意が必要な植物です。
19【犬に危険な植物・観葉植物】ツツジ・アザレア・シャクナゲ
ツツジやアザレア、シャクナゲには、アンドロメドトキシンなど数種の毒を葉や蜜に含み、少量摂取では嘔吐・下痢、ふらつきなどを起こす可能性があります。
20【犬に危険な植物・観葉植物】スズラン
スズランには、コンバラトキシンという猛毒を草全体に持っており、ほんの少量でも危険といわれています。摂取してしまうと、嘔吐や頭痛、血圧低下、心臓麻痺などを引き起こす可能性があります。
また、花瓶に生ける場合も、毒成分が水に溶け出しており、水を飲むだけでも危険のため、注意が必要です。
21【犬に危険な植物・観葉植物】ワラビ
ワラビには、全ての部位に毒成分が含まれ、血尿、不整脈、ビタミンB1欠乏症を引き起こす可能性があります。アク抜きをしていない生のワラビには発ガン性物質も含まれるため、注意が必要です。
22【犬に危険な植物・観葉植物】クリスマスローズ
ガーデニングで人気のクリスマスローズは、ヘレブリン、プロトアネモニンという毒を全草に持っている危険な植物です。樹液が皮膚につくと炎症やただれが起こり、間違って摂取してしまうと口内炎、めまい、吐き気、下痢などの症状を引き起こします。
23【犬に危険な植物・観葉植物】ヒガンバナ
秋の代表的な花であるヒガンバナ。ヒガンバナにはリコリンというアルカロイドの一種である毒が含まれており、特に球根には多くの毒が含まれています。リコリンを摂取すると、嘔吐・下痢、呼吸困難を引き起こし、死亡する可能性もあるため、注意が必要です。
24【犬に危険な植物・観葉植物】ヨウシュヤマゴボウ
子供の頃、学校の散歩道で遊んだことも多いこの植物。ヨウシュヤマゴボウには、フィットラッカトキシンという毒が全草に含まれており、特に種には多く含まれています。食べてしまうと、嘔吐・下痢、昏睡状態になり、死亡する可能性もあるため、注意が必要です。
25【犬に危険な植物・観葉植物】ハイビスカス
南国の代表的な植物であるハイビスカス。犬にとっては危険な植物で、下痢・嘔吐、食欲不振などの中毒症状が現れます。
犬が危険な植物を食べてしまった時の対処法
前述した植物を愛犬が誤って食べてしまった場合、すぐに動物病院へに連絡をしましょう。
直後に症状が出てこなくても、後から重症化する可能性もあります。
診察時に獣医師が的確な判断ができるように、できるだけ詳しく説明することが大切です。「何を、いつ、どのくらいの量」食べたのかが治療の際、非常に重要な情報となります。
食べてしまった植物(あるいは残っていた物質)を持って行くと尚良いです。少しだからと軽く考えず、少しでも食べた場合は念のため動物病院に相談しましょう。
また、危険でない植物でなくても、下痢や嘔吐の消化不良を起こす場合もありますので、注意してあげましょう。
犬にとって毒性を持たない安全な植物
犬が植物で健康を壊さないように大切なしつけ
散歩中に道にある草やゴミを食べる場合があります。最近では、毒のあるクッキーを食べてしまって亡くなってしまう悲しいニュースもあります。拾い食いをして誤飲することで、手術や最悪の場合、亡くなってしまう可能性もあるので、必ずトレーニングするようにしましょう。
また、トレーニングが十分であっても、美味しいごはんなどが落ちていた場合は食べてしまうこともあるため、注意してして見てあげるようにしましょう。
犬が食べてはいけない植物・観葉植物を知って素敵な空間を
犬にとって危険な植物を食べてしまった場合はすぐに動物病院へ相談しましょう
直後に症状が出なくても、後から重症化する可能性もある
「何を、いつ、どのくらいの量」食べたのかが治療の際、非常に重要な情報になる
食べてしまった植物を持参すると尚良い
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