猫が雷を怖がる理由!パニックを落ち着かせる方法や雷によるストレスを解説

猫が雷を怖がる理由!パニックを落ち着かせる方法や雷によるストレスを解説

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猫は雷を怖がると震えたり逃げたりするだけではなく、ストレスによる嘔吐や下痢、時には過呼吸や最悪の場合はショック死を引き起こすこともあります。雷恐怖症の猫には怖がるレベルに応じた対策をしてあげる必要があり、原因なども知っておくと愛猫に合った対策が見つかるかもしれません。今回は猫が雷を怖がる理由やその対策を紹介します。

猫が雷を怖がる理由は音だけではない

ハンモックに隠れる猫

個体差はありますが、雷の大きな音が鳴ると飛び跳ねて逃げる猫は少なくないと思います。

猫は雷の音に驚いていると思われがちですが、実は驚く要因はさまざまあります。

猫によって何に恐怖心を抱いているのかは異なるため、飼い主さんは愛猫をよく観察して、不安材料を取り除いてあげることが重要です。

猫が雷を怖がる際に考えられる要因

猫が雷を怖がる理由として、以下の4つが挙げられます。

  • 大きな雷鳴
  • 雷の光
  • 静電気による不快感
  • 気圧の変化

雷を怖がる猫は実際に多く、誤って家を飛び出してしまうことも。

愛猫がパニックになっても、脱走しないように戸締りをしっかりとして、万が一に備えて迷子札は常に着けておきましょう。


猫の雷恐怖症とは

飼い主を見上げる猫

雷恐怖症とは、雷の発生によって猫が異常なまでに恐怖反応を示してしまう状態を指します。

恐怖反応の度合いは個体差があり、症状もさまざまです。

飼い主さんが雷恐怖症の猫に対し怒ったり、過剰にかまったりする行為は猫の恐怖反応を助長させることにつながります。

雷恐怖症を理解し、愛猫にあった対応をしましょう。

猫の雷恐怖症の症状

雷恐怖症の症状は猫によって異なります。症状の度合いによっては個人での対策では限界があるため、動物病院で相談するようにしましょう。

雷恐怖症の症状として、以下のような反応が見られます。

  • パニックになる
  • 怯えて耳が垂れる
  • 鳴く、唸る
  • 小刻みに震える
  • ご飯や水に口をつけない
  • 隠れる
  • 嘔吐や下痢
  • 逃避、破壊行動
  • 爪とぎをする
  • 攻撃的になる
  • 最悪の場合ショック死

猫は隠れることが多く、飼い主さんが症状に気づきにくいかもしれません。注意して観察しましょう。

雷恐怖症になりやすい猫

以下のような場合、恐怖症になりやすくなります。

  • 幼少期に雷で恐怖経験をした
  • 飼い主さんが雷に驚く様子を見た
  • 高齢期になった

雷が鳴っても平気で寝ている猫もいますが、幼少期のトラウマだったり、大人になってから恐怖症を引き起こす可能性もあります。

雷に怖がる猫を落ち着かせる方法

ブランケットに隠れる猫

まずは猫の恐怖心が、個人で対処できるものなのかを判断する必要があります。

雷が鳴っている間はいくら呼びかけても耳に入っていない様子の猫もいます。

恐怖心が嘔吐や過呼吸にまで発展するようであれば、獣医師(特に行動診療科)に相談することがオススメです。

1. 安心できる場所を作る

猫が恐怖を感じている時は、猫自身が安心できるよう自由に逃げ込める環境を作ってあげるとよいでしょう。

飼い主さんのベッドの隙間や、普段から使っているケージにブランケットをかけておくなど工夫してあげると猫も安心して身を隠すことができます。

\ Attention!/
雷が鳴って、猫がケージに逃げ込んだ時は扉を閉めず、いつでも移動できるようにしておきましょう。

扉を閉められ行動が制限されてしまうと、さらにパニックになってしまう恐れがあります。

2. 飼い主さんは平然とする

猫は飼い主さんの様子に非常に敏感です。飼い主さんが雷に怖がっていると「やっぱり怖いものなんだ!」と余計に恐怖心をあおる恐れがあります。

反対に安心させようと必死に抱っこしたり、かまったりするのも「いつもと違う!」と思わせてしまうため、飼い主さんはなるべく平然とし、優しく声をかけるようにしてあげてください。

3. フェリウェイ スプレーを使用する

フェリウェイとはビルバック社から販売されている猫専用のフェロモン製剤のことをいいます。もちろん個体差はありますが、これによって落ちつく猫もいるかもしれません。

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猫の雷恐怖心の克服・緩和方法

見上げる猫

系統的脱感作と逆条件付け

一般的に犬のトレーニングに利用されるものとして「系統的脱感作」と「逆条件付け」という行動療法があります。二つの療法を組み合わせて少しずつ苦手克服を目指します。

<系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)>

系統的脱感作とは、猫が苦手なものを最小限の刺激から与えて徐々に慣らしていく方法です。

雷が苦手な猫に対して系統的脱感作を行う場合、雷の音を小さく流し少しずつ音量を上げるなどして行うことができます。

<逆条件付け>

逆条件付けとは、苦手なことが起こっている時に猫にとって嬉しいことをすることで、苦手意識を払拭する方法です。

雷が鳴っている間はおやつがもらえたり、おもちゃで遊んでもらえたり嬉しいことが起こることを教えると、雷へのイメージが変わります。

系統的脱感作と逆条件付けは同時に行うことで効果が出ます

例えば雷の音が苦手な猫の場合、CDなどで雷の音を消音で流しておやつを与えたり優しくなでてあげたりします。少しずつ音量を上げながら繰り返すことで、雷の反応が変わってくるでしょう。

ただしこれはあくまで雷の音に対してのイメージに限るため、静電気や気圧の変化による不快感が主な原因の場合は効果的とはいえません。

薬事療法

飼い主さんができる範囲の対策では、恐怖心を改善できないほどの症状を抱える場合もあります。そのような時は獣医師に相談してアドバイスをもらいましょう

トレーニングで改善できる範囲なのか、薬によって不安症状を軽くするのがよいのかを判断することが大切です。

実際に重度の雷恐怖症を抱えている場合は飼い主さんが声をかけても効果がないため、嘔吐や下痢、ショック死の危険性を考えると薬事療法が有効な対策になります。

猫が雷でも安心できる環境を作るのが大事

飼い主を見つめる猫

猫が雷を怖がる理由はさまざまです
雷恐怖症になる猫もいます
愛猫が雷を怖がる場合、安心できる場所をつくってあげましょう
個人で対処できない場合は、獣医師に相談しましょう

雷を怖がる猫は決して少なくありません。恐怖や不安がどのような行動に現れるかも猫によって異なり、適した対策も試行錯誤してあげることが必要です。

しっかり対策をしてあげて、愛猫と楽しい暮らしを送ってください!