【ペットの防災:災害発生編】災害に備えよう!ペットを守るために取るべき行動や準備を紹介

【ペットの防災:災害発生編】災害に備えよう!ペットを守るために取るべき行動や準備を紹介

Share!

いつ起こるかわからない地震や台風といった災害。大切な愛犬・愛猫を守るなら「そのとき」に考えては手遅れになります。実際に災害が起こったらどんな行動を取るべきか、そのための必要な準備などを紹介します。

災害が起こったら

抱っこされる犬

まずは自分とペットの安全を確保

災害が発生したとき、まずは飼い主自身の身の安全を第一に、落ち着いてペットの安全を確保しましょう。

災害時にペットを守るためにはまず飼い主自身が無事でいることが大切です。

突然の災害でペットもパニックになり、いつもと違う行動をとる恐れがあります。ペットに優しくいつものように声をかけて落ち着かせながら、脱走やケガに気をつけましょう。

災害発生時、すぐにリードをつけたり、ケージに入れたりすることで、ペットを脱走やケガのリスクから守ることができます。

地震の場合
大きな揺れは短時間です。ガラス面や大型家具から離れ、丈夫なテーブルや机の下にペットと身を隠し、クッションなどで頭を保護するようにしてください。

揺れが収まったら火の始末をして、ドアを開けて避難経路を確保しましょう。

避難指示が出たら同行避難

避難指示が出たら、速やかに避難しましょう。避難をする際はペットと一緒に避難する「同行避難(※)」が原則です。

※同行避難:避難所までの避難行動(行為)のこと

犬の場合
避難前にリードをつけ、首輪が緩んでないか確認しましょう。小型犬の場合はリードをつけた上で、キャリーバッグやクレートに入れるのも良いでしょう。
猫の場合
避難前にキャリーバッグやクレートに入れましょう。キャリーバッグやクレートの扉が開いて脱走することがないように、念のためガムテープなどで固定することをおすすめします。


避難指示が出ていない場合

避難指示が出ていない場合は、必ずしも避難所へ避難する必要はありません。

自宅に危険性がない場合は、自宅で避難生活を送る「在宅(自宅)避難」、自宅に不安がある場合は避難生活に自家用車を使用する「車中泊避難」も選択肢のひとつです。

在宅(自宅)避難と車中泊避難の共通のメリットとして、ペットのストレスが少ないことが挙げられますが、それぞれデメリットもあります。

在宅(自宅)避難のデメリットは十分な備蓄品が必要なこと、ラジオやテレビなどがない場合、適切な情報収集がしにくいことが挙げられます。

「車中泊避難」のデメリットは「車内の温度管理」「快適性」「排泄処理」です。特に狭い車内で同じ体勢で生活することが増えるためエコノミー症候群に注意しましょう。

留守中に災害が起こったら

外を眺める犬と猫

災害発生時に外出していてペットと離れた場所にいた場合は「自分自身の被災状況」「周囲の状況」「自宅までの距離」「避難指示」等を踏まえて検討し、ペットを避難させることが可能かどうかの判断を飼い主さん自身が行う必要があります。

災害時にペットとはぐれてしまったら

屋外にいる猫

万が一、ペットとはぐれた場合にはペットについての情報や避難時のペットの状況について、自治体の動物担当部署、警察等に届けましょう

やむを得ずペットと一緒に避難できなかった場合には、自治体の動物担当部署に相談することをおすすめします。

ペットの迷子対策
保護された際に飼い主の元に戻れるように所有者明示をしておく必要があります。

誰でもすぐにわかる迷子札をつけるとともに、脱落の可能性が低く、確実な身分証明となるマイクロチップを装着し、AIPO(※)に登録するといった対策をしておくことで、再会できる可能性を高めることができます。

※AIPO:Animal ID Promotion Organization(動物 ID 普及推進会議)の略称。マイクロチップ自体には15 桁の数字が記録されているだけで、飼い主の住所・電話番号などの情報は入っていないため、マイクロチップを装着した場合には、飼い主のデータと照合するためのデータベースへの登録が必要となります。


在宅(自宅)・車中泊避難生活

車に乗っている犬

在宅(自宅)・車中泊避難生活には十分な備蓄品が必要になります。

猫の場合は環境の変化に大きなストレスを感じる動物のため、猫と暮らしている方は在宅避難を想定して備えることをおすすめします。

以下の表を参考に、ご自身とペットにあったものを準備しておきましょう。

必需品 ペットの非常食 5日分以上
ペット用の水 5日分以上
フードボウル 1点
薬・療法食 5日分以上
リード・ハーネス 1つずつ
ペット用キャリー 1点
ペット用トイレグッズ 5日分以上
ビニール袋・マナーポーチ 1点ずつ
防災手帳 1点
迷子札 1点
ペットの写真 1枚
あると役立つもの 布類 1枚以上
1点
お気に入りのおもちゃ 1点以上
ボディシートや水のいらないシャンプー 1点以上
アルミシート 1枚以上
ガムテープ 1点以上

定期的にペット用防災グッズの点検や補充を行い、災害への備えを万全にしてください。

\ペトコトおすすめの非常食/
PETOKOTO FOODS非常食

ペトコトフーズの非常食は、栄養学の専門獣医師が作ったレシピをもとに、国産食材を使った人も食べられる品質の犬の総合栄養食。

冷凍庫が使えない停電時や避難所でもご利用いただけるように、常温で2年間保存ができるレトルトタイプを開発。水分量の多いウェットタイプのため、飲み水が不足しがちな避難生活の環境下でも効率よく水分補給が可能です。

PETOKOTO FOODSでは、常温で2年間保存できる犬用の非常食も用意しています。まだ準備できていなければご検討ください。

犬用非常食を購入する


避難所・仮設住宅での避難生活

猫と犬

避難所・仮設住宅ではペットが苦手な方、動物アレルギーを持つ方、ペットに不用意に手を出しかねない幼い子どもなど、さまざまな人が集まり共同生活をするため、飼い主は普段よりも周りに配慮することが求められます。

起こり得るトラブル

これまでの災害では、ペットがいることによってつらい避難生活の中での「心の安らぎや支えとなった」という声がある一方、咬傷事故や鳴き声への苦情、体毛や糞尿処理など衛生面でトラブルになることがあります。

また、人間用の物資でさえも不足するのが災害時です。避難所にいたとしても、ペット用の物資は人間用の物資よりも手に入りにくくなります

水などの人と共有できる物資は、人の分も足りていないときに「ペットに分け与えるのか」という避難者同士のトラブルは過去の震災でもみられ、議論を呼びました。


避難所・仮設住宅で役立つトレーニング

被災時に大切なのは「必要以上のストレスを与えないこと」「安心できる環境を与えてあげること」です。

想定される事態への耐性をつけておくことで、必要以上のストレスを回避することができます。

犬猫共通 クレートの中で落ち着いて過ごせる「クレートトレーニング」
人や環境に慣れさせる
名前を呼んだら戻ってくる「呼び戻し」
リードやハーネスに慣れさせる

「クレートトレーニング」と「呼び戻し」のトレーニング方法は、以下の関連記事をご覧ください。


飼い主が心がけたいこと

避難所では、ペットの世話やフードの確保、ペットの生活場所の管理は飼い主の責任の下に行うことになります。

衛生的な飼養管理を行うことはもちろん、周りの人に配慮したルールを作り、飼い主同士が協力して助け合いましょう。

仮設住宅への入居に先立って、動物と一緒にができるエリアと飼養禁止のエリアを分けておくことができれば後の飼養にかかわるトラブルも少なくなります。

またペットはストレスから体調を崩したり病気が発生しやすくなるため、飼い主はペットの体調に気を配り、不安を取り除くように努めましょう

避難所や仮設住宅でのチェックポイント
  • 「ペットの会」をつくるなどして、飼い主同士が協力しましょう
  • ペットフードなどの支援物資の配布といった情報を共有しあいましょう
  • 災害ボランティアによる支援を活用しましょう
  • 鳴き声や排泄物の処理など、周囲の方への気配りを忘れないようにしましょう

まとめ

振り返る柴犬

私たち人間はこれから起きるであろう出来事が予想でき、言葉で多くの情報を理解できますが、ペットたちは先に起こる出来事を予想することも、人の言葉を理解することもできません。

だからこそ、非常時に安心してもらうため飼い主の冷静な行動や日頃のトレーニングや大切です。家族でしっかりと防災について考えましょう。


参考文献