【獣医師執筆】犬はヨーグルト(人間用)を食べても大丈夫!効果や与える量など注意点を解説
犬はヨーグルトを食べても大丈夫です。ヨーグルトには整腸作用があり、便秘や下痢を改善してくれることはよく知られていますが、犬にも効果があるといわれています。今回は犬にヨーグルトを与える場合のメリットやアレルギーなどの注意点、ヨーグルトを使ったレシピについて獣医師の佐藤が解説します。
ニック・ケイブ(Nick Cave)獣医師
ニュージーランド・マッセー大学獣医学部准教授、米国獣医栄養学専門医
マッセー大学獣医学部小動物内科にて一般診療に従事した後、2000年に獣医学修士を取得(卒業論文は『食物アレルギーの犬と猫の栄養管理』)。2004年よりカリフォルニア大学デービス校で栄養学と免疫学の博士号を取得し、小動物学臨床栄養の研修を修了。同年、米国獣医師栄養学会より米国獣医栄養学専門医に認定。2005年より小動物医学および栄養学の准教授、獣医栄養学の専門医としてマッセー大学に戻る。家族、2匹の犬、猫、そしてヤモリと暮らしている。
ニュージーランド・マッセー大学獣医学部准教授、米国獣医栄養学専門医
マッセー大学獣医学部小動物内科にて一般診療に従事した後、2000年に獣医学修士を取得(卒業論文は『食物アレルギーの犬と猫の栄養管理』)。2004年よりカリフォルニア大学デービス校で栄養学と免疫学の博士号を取得し、小動物学臨床栄養の研修を修了。同年、米国獣医師栄養学会より米国獣医栄養学専門医に認定。2005年より小動物医学および栄養学の准教授、獣医栄養学の専門医としてマッセー大学に戻る。家族、2匹の犬、猫、そしてヤモリと暮らしている。
犬はヨーグルトを食べても大丈夫
犬はヨーグルトを食べても大丈夫です。ヨーグルトには腸内にある善玉菌を助け、腸内環境を整える働きをしてくれる乳酸菌が豊富に含まれています。便秘や下痢、口臭の改善が期待できます。
牛乳と同じ乳製品なのに与えて大丈夫なのか心配な方もいると思いますが、ヨーグルトは乳酸菌が牛乳で問題になる乳糖を発酵の際に分解し、消化の際も分解を促進してくれるため下痢になりにくいのです(※)。
※参照:「牛乳を飲めない人のために-乳糖不耐症について-」(農畜産業振興機構)
ヨーグルトに含まれる栄養素
ヨーグルト(全脂無糖) | ヨーグルト(低脂肪無糖) | ヨーグルト(無脂肪無糖) | |
---|---|---|---|
エネルギー | 56kcal | 40kcal | 37kcal |
水分 | 87.7g | 89.2g | 89.1g |
タンパク質 | 3.6g | 3.7g | 4.0g |
脂質 | 3.0g | 1.0g | 0.3g |
糖質 | 4.9g | 5.2g | 5.7g |
カリウム | 170mg | 180mg | 180mg |
カルシウム | 120mg | 130mg | 140mg |
リン | 100mg | 100mg | 110mg |
※各100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)
カリウム | 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。 |
---|---|
カルシウム | カルシウムは骨や歯の材料になるだけでなく、神経の情報伝達にも重要な役割を持ちます。カルシウムは不足したときだけでなく、過剰摂取でも整形外科疾患のリスクを高めます。 |
リン | 骨や歯の形成、エネルギー代謝に重要な役割を果たしています。腎臓病の犬猫ではリンの排出が正常に行われず腎臓病を悪化させてしまうため制限が必要です。 |
乳酸菌&ビフィズス菌
口から摂取することで犬にとって良い効果を与えてくれる微生物を「プロバイオティクス」と呼び、代表的なのが乳酸菌とビフィズス菌です。乳酸菌から産生された乳酸は腸内で大腸菌などの過剰増殖を防ぎ、腸内細菌のバランスを取る働きをします。ビフィズス菌は乳酸と乳酸よりも殺菌力の強い酢酸を産生し、乳酸菌の増殖を助けます。犬にヨーグルトを与えることは肝臓や腸内環境の改善の効果が期待できます。
犬にヨーグルトを与える頻度や適量
犬に人間用の市販ヨーグルトを与える際は加糖ではなく、無糖のヨーグルトを選び、初めてから2〜3回目までは少しにして、アレルギー反応で下痢などの症状が出ないか様子を見てあげてください。
おやつとして与える場合は、毎日でも良いですが、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトコトオリジナルのフレッシュドッグフード「ペトコトフーズ」の「フード診断」(無料)で簡単に計算することができます。
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犬にヨーグルトを与えるときの注意点
乳製品アレルギーの可能性
デメリットとして、犬によっては食物アレルギーで乳製品に反応してしまう子がいます。初期の症状として皮膚の疾患が現れる可能性が高いので、フケが出たりずっと肌をかゆがっていたりしていたら、早めに病院に相談してあげましょう。
冷やし過ぎに注意
ヨーグルトは冷蔵庫の中で冷やしておくのが一般的ですが、冷たすぎるものは犬のお腹を冷やす原因になります。犬に与える際は少し常温に戻してから与えるようにしましょう。キシリトールなどの人工甘味料に注意
無糖やカロリーオフを謳う商品の中には砂糖よりもカロリーの低いキシリトールなどが含まれている可能性があります。キシリトールは犬にとって非常に危険な成分です。犬に与える時は、キシリトールが入ったヨーグルトは必ず避けましょう。
肥満に注意
犬は基本的にヨーグルトは大好きですので、与えすぎて肥満にならないようご注意ください。犬にヨーグルトをあげるときのレシピ
フルーツと一緒に
ヨーグルトとフルーツの組み合わせは人間にとっても最高です。スイカやバナナ、メロンなどと一緒に混ぜておやつとして出してあげると嗜好性が高くなるので、食欲のない犬でも喜んで食べてくれます。
ただおやつとしてはカロリーが高めなので特別なときに出してあげるようにしましょう。
ドライフードにトッピング
普段のドライフードに少しヨーグルトをかけてあげると食いつきがよくなります。そしてヨーグルトが混ざったドライフードを噛みながら食べることで、ヨーグルトの乳酸菌も口内に残りやすくなるでしょう。クリスマスカップケーキ
クリスマス以外でも愛犬に喜んでもらえること必至の一品です。
▶材料
- バナナ
- さつまいも
- ヨーグルト
- 卵
- 豆乳
- 薄力粉
- ベーキングパウダー
- はちみつ
- オリーブオイル
▶作り方
- 薄力粉とベーキングパウダーを合わせてふるう。ヨーグルトはザルにクッキングペーパーをのせ水切りをしておく。
- バナナをフォークでよく潰す。
- ボウルに卵を割りほぐし、泡立て器でよく混ぜる。
- 3の中に、豆乳とはちみつと、潰したバナナを加えてよく混ぜる。
- 4に1の粉を少しずつ加えて、ゴムベラでさっくり混ぜ、さらにオリーブオイルを加えてヘラで生地に馴染ませる。
- 5をカップに流し込み、180℃に予熱したオーブンで25分くらい焼く。
- 焼いている間に5mmくらいの厚さに切ったさつまいもを蒸して、星型で抜き、抜いた残りは小さく切っておく。
- 7が焼けて冷めたら、1のヨーグルトをのせ、さつまいもをトッピングして出来上がり。
レシピ動画や詳細は関連記事をご覧ください。
愛犬にヨーグルトは与え過ぎに注意
乳糖不耐症による下痢・嘔吐を引き起こしにくい食材です
犬にとって整腸作用など嬉しい効果があります
与え過ぎは肥満の原因に
冷やした状態やキシリトールが含まれるヨーグルトに注意
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