
和食の材料として欠かせない食材の一つである、ごぼう。ごぼうは犬に与えても大丈夫な野菜です。しかし、生で与えたり、大きいまま与えたりすることはNGです。今回は、ごぼうの栄養素をはじめ、犬に与える際の注意点などをご紹介します。
犬はごぼうを食べても大丈夫

ごぼうはカリウムや食物繊維が豊富で、犬が食べても大丈夫な野菜です。漢方薬としても使われ、カリウムの利尿作用から熱を冷ます効果があります。アミノ酸も多く、アルギニンやアスパラギン酸は疲労回復の効果があります。
ごぼうの食物繊維は不溶性の「リグニン」と水溶性の「イヌリン」があり、リグニンは水分を吸収して便通を良くしたり、コレステロールを下げたりしてくれます。イヌリンはゲル状になって血糖上昇を抑えるダイエット効果や、腸内細菌のエサになって腸内環境を整える効果が期待されます。
| ごぼう(茹で) | バナナ | 納豆(ひきわり) | さつまいも(蒸し) | |
|---|---|---|---|---|
| エネルギー | 50kcal | 86kcal | 185kcal | 46kcal |
| カリウム | 210mg | 360mg | 700mg | 390mg |
| アルギニン | 260mg | 45mg | 970mg | 34mg |
| アスパラギン酸 | 170mg | 100mg | 1900mg | 170mg |
| 水溶性食物繊維 | 2.7g | 0.1g | 2.0g | 1.0g |
| 不溶性食物繊維 | 3.4g | 1.0g | 3.9g | 2.8g |
犬にごぼうを与える際の注意点
犬にごぼうを与える際の注意点01:アレルギー
アレルギーは、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることにより発症する可能性がある後天性アレルギーがあります。ごぼうを初めて与える際は、少量からスタートしましょう。以下の症状が見られた場合は、アレルギーの可能性があります。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚のかゆみ
- 元気がない
- 目の充血
ごぼうを食べた際に上記のような症状が現れた場合は、獣医師に相談しましょう。
犬にごぼうを与える際の注意点02:生はNG
犬はからだの構造からして、ごぼうなどの根菜を消化するのが得意ではありません。生のまま与えると消化しにくいのはもちろんのこと、火を通していても人間が食べる時のサイズ(細切りや笹がきなど)だと、犬にとっては負担になる可能性があります。そのため、与える際は加熱して細かく刻んであげるか、すり潰してあげると、効率的に栄養を摂取できるでしょう。
犬にごぼうを与える際の注意点03:与え過ぎない
ごぼうを与え過ぎると消化不良を起こし、下痢や嘔吐の原因になる可能性があるため、与え過ぎないようにしましょう。総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
犬にごぼう茶は飲ませても大丈夫?

美容と健康に良い飲み物として注目されているごぼう茶。ごぼう茶は基本的にごぼうを煮出しただけですので、犬に飲ませても問題ありません。
しかし、ごぼうの風味が苦手な人が飲みやすいように加工されていたり、添加物が入っていたりするものもありますので、犬に与える場合は原材料を確認してからにしましょう。
また、ごぼうチップスは無添加なら大丈夫ですが、塩などの添加物が入っている場合は与えないようにしましょう。
まとめ
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この記事の監修者
ニック・ケイブ(Nick Cave)獣医師
米国獣医栄養学専門医・PETOKOTO FOODS監修
マッセー大学獣医学部小動物内科にて一般診療に従事した後、2000年に獣医学修士号を取得(研究テーマ:犬と猫の食物アレルギーにおける栄養管理)。
2004年にはカリフォルニア大学デービス校で栄養学と免疫学の博士号を取得し、小動物臨床栄養の研修を修了。同年、米国獣医師栄養学会より米国獣医栄養学専門医に認定。
世界的な犬猫の栄養ガイドラインであるAAFCOを策定する WSAVA の設立メンバーであり、2005年より小動物医学および栄養学の准教授としてマッセー大学に復帰。
家族とともに犬2匹・猫・ヤモリと暮らしながら、犬猫の栄養学の専門家として研究・教育に携わっている。