【獣医師執筆】犬は春菊を食べても大丈夫?栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】犬は春菊を食べても大丈夫?栄養成分や与える際の注意点を解説

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鍋の具材やおひたしによく使われる春菊は犬が食べても大丈夫なのでしょうか?犬用の手作りご飯レシピで見かける機会は多いですが、実は懸念点もあります。実際に多くの人が与えているものなので一概に「ダメ!」と言い切ることはできませんが、与える際は最低限の懸念点を理解した上で食べさせるようにしましょう。

犬は春菊を食べても大丈夫も注意は必要

春菊

犬は春菊(菊菜)を食べても大丈夫ですが、積極的に与える必要はありません。

実際に愛犬の手作りごはんとして春菊を使う方もいるため、一言で「有害だ」とは言い切れませんが、キク科の春菊は嘔吐や下痢を引き起こす可能性があると言われています。

犬が食べても良い春菊に含まれる栄養成分

収穫後の春菊

春菊はキク科シュンギク属の野菜で、高い抗酸化作用が期待できるため、がんや動脈硬化などの予防に効果的だとも言われています。

βカロテン

「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防や角膜の健康維持に重要です。また、皮膚や被毛の健康状態を保つ効果もあります。

カリウム

カリウムはミネラルの一つで、細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があり、体内の不要なナトリウムを輩出してくれます。疲労回復にも良い効果を与えてくれ、欠乏すると「低カリウム血症」を発症することも。とても大事な成分であることに間違いはないのですが、過剰に摂取すること「高カリウム血症」の原因にもなるので、注意が必要です。腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまう可能性があるため摂取量に注意が必要です。

ビタミンK

健康な血液と骨の維持に欠かせない成分です。この成分が欠如すると血が止まりづらかったり、骨が弱くなってしまったりします。

クロロフィル

春菊の緑の色素成分です。コレストロール値を低下させ、血栓を予防する効果が見込まれます。

犬に春菊を与える際の注意点

01【犬に春菊を与える際の注意点】与え過ぎ

前提として、犬は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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02【犬に春菊を与える際の注意点】アレルギー

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。




03【犬に春菊を与える際の注意点】生はNG・加熱を

犬に春菊を与える場合は、生のままだと消化不良になるため、茹でるなどで加熱し、細かく刻んであげましょう。

04【犬に春菊を与える際の注意点】皮膚炎

春菊やよもぎなど、キク科の食物はアレルゲン物質のセスキテルペンラクトンという物質を含んでいます。この物質は接触皮膚炎を引き起こす原因物質の一つともされているので、アレルギーを持っている犬が接触をすると皮膚炎の原因になってしまう可能性があります。

しかし春菊によって愛犬に重い炎症が起きたという臨床報告は現在のところ見受けられないので、過度に心配する必要はないでしょう。

まとめ

犬

アレルギーと皮膚炎に注意して少量からスタートしましょう
消化しやすくするため細かく刻んであげましょう
正しい知識と与え方で、愛犬との食事の時間を楽しみましょう。


本稿は以下の情報を参照して執筆しています。

日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会 「ジャパニーズスタンダードアレルゲン 2008 解説
農業環境技術研究所「シュンギクにおけるダイオキシン類に関する研究




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