犬は春菊(菊菜)を食べても大丈夫? アレルギーによる下痢や嘔吐に注意

犬は春菊(菊菜)を食べても大丈夫? アレルギーによる下痢や嘔吐に注意

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鍋の具材やおひたしによく使われる春菊は犬が食べても大丈夫なのでしょうか? 犬用の手作りご飯レシピで見かける機会は多いですが、実は懸念点もあります。実際に多くの人が与えているものなので一概に「ダメ!」と言い切ることはできませんが、与える際は最低限の懸念点を理解した上で食べさせるようにしましょう。

犬は春菊を食べても大丈夫。ただしアレルギーに要注意

春菊

犬は春菊(菊菜)を食べても大丈夫ですが、積極的に与える必要はありません。

実際に愛犬の手作りごはんとして春菊を使う方もいるため、一言で「有害だ」とは言い切れませんが、キク科の春菊は嘔吐や下痢を引き起こす可能性があると言われています。

また、アレルギーにも注意が必要です。

アレルギーに注意して、少量からスタート

犬によってはアレルギー反応を引き起こす可能性があるので、初めて与える際は少量にし、摂取後に様子を見られるときに与えましょう。

初期症状として皮膚の疾患が現れる可能性が高いので、フケが出たりずっと肌をかゆがっていたりしていたら、早めに病院に相談してください。

以下は主な症状です。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 肌をかゆがる
  • 目の充血

食物性アレルギーの場合、原因となるものを取り除いてあげれば問題ありませんが、アレルギーは摂取後すぐに症状が現れる訳ではなく1カ月後という場合もあります。そのため何の食材が原因か分かりづらいことが多いので、アレルギー症状が疑われたら動物病院で検査をすることをおすすめします。


皮膚炎の原因に?

春菊やよもぎなど、キク科の食物はアレルゲン物質のセスキテルペンラクトンという物質を含んでいます。この物質は接触皮膚炎を引き起こす原因物質の一つともされているので、アレルギーを持っている犬が接触をすると皮膚炎の原因になってしまう可能性があります。

しかし春菊によって愛犬に重い炎症が起きたという臨床報告は現在のところ見受けられないので、過度に心配する必要はないでしょう。

春菊の主な成分

収穫後の春菊

春菊はキク科シュンギク属の野菜で、高い抗酸化作用が期待できるため、がんや動脈硬化などの予防に効果的だとも言われています。

βカロテン

「目のビタミン」とも言われ、白内障の予防や角膜の健康維持に重要です。また、皮膚や被毛の健康状態を保つ効果もあります。

カリウム

カリウムはミネラルの一つで、細胞内の浸透圧を維持したり、細胞の活性を維持したりする役割があり、体内の不要なナトリウムを輩出してくれます。疲労回復にも良い効果を与えてくれ、欠乏すると「低カリウム血症」を発症することも。とても大事な成分であることに間違いはないのですが、過剰に摂取すること「高カリウム血症」の原因にもなるので、注意が必要です。

ビタミンK

健康な血液と骨の維持に欠かせない成分です。この成分が欠如すると血が止まりづらかったり、骨が弱くなってしまったりします。

クロロフィル

春菊の緑の色素成分です。コレストロール値を低下させ、血栓を予防する効果が見込まれます。

まとめ

犬

アレルギーと皮膚炎に注意して少量からスタートしましょう
消化しやすくするため細かく刻んであげましょう
正しい知識と与え方で、愛犬との食事の時間を楽しみましょう。


本稿は以下の情報を参照して執筆しています。

日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会 「ジャパニーズスタンダードアレルゲン 2008 解説
農業環境技術研究所「シュンギクにおけるダイオキシン類に関する研究


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