犬が食欲不振かも? 考えられる原因と病気を獣医師が解説

犬が食欲不振かも? 考えられる原因と病気を獣医師が解説

愛犬の食欲が減ってきたなど、食欲不振を感じることはありますか? 食欲は生き物の生命維持活動において最後の最後になくなるものなので、甘くみてはいけません。ご飯自体に問題がある場合もあれば、何かしらの病気を患っている可能性があります。特に、食欲不振だけでなく、下痢や嘔吐をしていたり、水ばかり飲んだりする場合など、食欲不振以外にも気になる点があれば病気の可能性が高いでしょう。今回は、犬が食欲不振の場合に考えられる原因・病気について目黒アニマルメディカルセンター/MAMeCの顧問獣医師の佐藤が解説します。

犬が食欲不振の場合に考えられる原因と病気

ジャーマンシェパード

食欲不振の場合、原因として以下の7点が考えられます。

  • 食事自体の問題
  • 口の中の異常
  • のどの炎症など
  • 消化管の運動機能の低下
  • 異物
  • 腫瘍
  • その他

食事自体の問題

フードの粒が大きすぎるなど、種類を変えた直後の変化であれば、病気ではなく単に食事の問題で食べにくくなっていることが考えられます。

口の中の異常

重度の歯周病や歯が折れたことによる痛み、口の中の異物などが原因の可能性があります。

私たちが口内炎の痛みでご飯が食べられないのと一緒です。この場合、「口からの出血が見られる」「よだれが増える」「片側だけ(痛くない側)だけでものを噛んでいる」「食べている時に痛そうに声を上げる」といった症状が同時に見られる場合もあります。


のどの炎症など

のどの炎症などによる痛みによって、ものを飲み込むのを嫌がっている可能性もあります。人間でいうと、のどカゼでご飯を飲み込みづらい時と同じような状態です。

鼻炎や口の中の炎症が波及していることも多く、鼻炎を併発している時には膿のような鼻汁やくしゃみが見られることもあります。

のどが痛い場合、食事の時以外にも、生唾を飲み込むような仕草やえずくような仕草が見られることもあるため、注意して見てあげてください。


またブルドッグやボストンテリア、シーズーなどの短頭種では軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)という、のどに膜のような粘膜が伸びてしまう病気もあります。

消化管の運動機能の低下

口、のど、食道および胃などの上部消化管の運動機能の異常も考えられます。「飲み込みたいけど、うまく動かなくて飲み込めない」という状態です。

異物

おもちゃなどの異物による閉塞も考えられます。特に活発な子や若齢の子は異物を飲み込んでしまい食道や胃の出口、腸などに詰まらせてしまうことが多いです。異物による閉塞の場合、比較的急な症状が見られる場合もあります。

腫瘍

消化器官などに腫瘍ができることで、食べ物の通り道が閉塞し、結果的に飲み込みづらい仕草を見せることもあります。

その他

食欲不振はさまざまな原因が考えられます。上記のような原因だけではなく、上記以外の可能性もありますので、検査してもらうに越したことはないでしょう。

食欲不振か疑わしい場合

シベリアンハスキー

「ご飯は食べてないのにお腹が張ってる」「老犬だから食欲不振は生理現象?」「ご飯は食べないけどおやつは食べる」など、食欲不振か悩むケースもあるかと思います。

ご飯に対する好みの問題もあるかと思いますが、いずれのケースも病院での診察をおすすめします。特に「お腹が張っている」状態は病気が潜んでいる可能性が高いです。

また、老犬の場合は確かに身体機能が低下しているため食欲が多少なくなることは仕方ありませんがどの程度が生理的な減少かというと判断は難しいところです。「体重の急激な増減はないか」や「元気があるか」など、総合的に見ていく必要があります。

最後に「ご飯は食べないけどおやつは食べる」場合は好みの問題もありますが、病気が絡んでいる可能性もあります。おやつだけでは栄養が不足するため今後のためにも動物病院での受診をおすすめします。


犬が食欲不振の場合の治療法

ヨークシャーテリア

食欲不振を引き起こした原因を突き止め、その病気を治療することが第一歩です。長期間、食欲不振だったがために栄養失調を起こしていたら点滴で一時的な治療を行うこともあります。

軽度の場合は皮下点滴を行いますが、重度の場合は静脈点滴を行い、入院も必要になります。

気になることがあれば病院へ

眠そうなパグ

食欲は生命維持活動において、最後の最後になくなるものなので、それが続くようであれば何かしらの病気を疑いましょう。

ペットである犬や猫は言葉を話すことができません。すなわち、具合が悪くても早期に症状を訴えることができず、重症化し食欲不振や元気消失に陥り、ようやく飼い主さんが気づくケースがほとんどです。

でも、実は愛犬もちょっとしたサインを出しているものです。ふとした仕草だったり、肉体の微かな変化だったり。少しでもいつもと違うなと心配することがあればかかりつけの獣医師への相談をおすすめします。

第3稿:2020年3月10日 公開
第2稿:2017年8月1日 公開
初稿:2016年1月23日 公開

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