アニマルセラピーで猫の癒やしがうつ病などに効果? 資格、犬との違いも

アニマルセラピーで猫の癒やしがうつ病などに効果? 資格、犬との違いも

アニマルセラピーで活躍する動物といえば、イルカや馬、犬が思い浮かぶ方が多いと思いますが、猫が主役となるアニマルセラピーがあることをご存じでしょうか。それは「キャットセラピー」、活躍する猫は「セラピーキャット」と呼ぶこともあります。読者の皆さんも猫の見た目や振る舞いに癒やされた経験がある方が多いと思います。人はなぜ猫に癒やされるのでしょうか。今回は猫のセラピーについて解説します。

アニマルセラピーとは

「アニマルセラピー」とは、動物との触れ合いを通して人の心を癒やしたり、時には医師が治療の一環として用いたりするセラピー手法のことを指します。それぞれ
  • 動物介在活動(AAA=Animal Assisted Activity)
  • 動物介在療法(AAT=Animal Assisted Therapy)
と呼ばれ、一般的に情緒水準が高いとされる犬・猫・馬・イルカ・うさぎ、モルモットなどが参加しています。

動物介在活動では動物との触れ合いによる癒やしだけでなく、動物の世話をすることで自信を持たせたり、生きる意欲を高めたりといった生活の質(Quality Of Life)の向上が目的とされます。日本では犬と一緒に授業を受けたり、子どもたちが犬の世話をする「動物介在教育」を行っている小学校もあります。


動物介在療法は、医療者が治療を目的として計画的に動物との触れ合いを行う点が動物介在活動と異なります。障がい者やうつ病患者などの治療に利用されることがあり、乗馬療法や自閉症患者へのイルカセラピー(イルカ介在療法)などが知られています。山口県の岩国医療センターでは、動物介在療法に近い動物介在活動として、がん患者の緩和ケアに活用されています。


アニマルセラピーについて、詳しくは以下の記事もご覧ください。


キャットセラピーとは

寝そべる猫

アニマルセラピーの中でも、猫が主役となるセラピーは「キャットセラピー」と呼ばれ、アニマルセラピーを行う猫のことを「セラピー猫」や「セラピーキャット」と呼ぶのが一般的です。

ドッグセラピーとキャットセラピーの違い

ドッグセラピーとキャットセラピーでは、セラピーを行う動物が異なります。従順で飼い主によく懐く犬に対して、猫は気まぐれで一人での行動を好みます。キャットセラピーでは猫が自由な振る舞いの「お手本」を患者に見せてくれるため、患者が自己を解放しやすくなります。

キャットセラピーに資格はある?

日本にはアニマルセラピーに関する公的な資格はありませんが、NPO法人「日本アニマルセラピー協会」は、犬を対象とした「アニマルセラピスト」資格の認定を行っています。

公益社団法人「日本動物病院協会」(JAHA)は、「人と動物のふれあい活動」(CAPP=Companion Animal Partnership Program)としてアニマルセラピーを推進しており、こちらは猫も参加可能です。認定基準として、
  • 見知らぬ人に出会ったときでも落ち着いていられるか。
  • 人ごみの中でも落ち着いて歩くことができるか。
  • 全身を触られても落ち着いていられるか。
などが挙げられています。


また、帝京科学大学生命環境学部にはアニマルセラピーコースがあり、動物介在活動や動物介在療法、動物介在教育などの研究が行われています。

死期を教えるセラピー猫「オスカー」

アメリカでは老人ホームで飼われているセラピー猫「オスカー」が有名です。この老人ホームでは、もともと入居者の癒やしのために猫が飼われていて、オスカーもそのうちの1匹でした。オスカーはアルツハイマー病やパーキンソン病などの患者がいるフロアにおり、まるで回診するように患者たちを見て回るのが日課でした。

そして老人ホームのスタッフは次第に、オスカーは死期が近い患者に気付き、その患者の近くで丸くなることに気付きます。オスカーが何か匂いを嗅ぎ取って判断しているのか、もしくは別の判断基準があるのか定かではありませんが、オスカーが気付いた患者は数時間以内に亡くなったそうです。

猫がもたらす3つのセラピー効果

猫の飼い主さんであれば、「かわいさ」「適度な距離感」「かわいらしさを凝縮したような見た目」からさまざまな癒やし効果があるのは実感していると思います。

落ち込んでいるときやストレスがたまっているときなど、猫をなでているだけで心が落ち着くはずです。しかし、猫のセラピー効果はもっとすごいかもしれません。まだまだ研究段階ではありますが、さまざまな病気に対して良い影響を与えるのではないかと考えられています。

1. 猫のセラピー効果でで血圧が安定する?

キャットセラピーで猫と触れ合うことで、人にはさまざまな効果がもたらされます。そのうちの一つに、血圧の安定や低下があります。ペットの飼い主は、ペットを飼っていない人よりも血圧や心拍数が安定していたり、ペットを飼っていることが血圧低下につながっているという研究結果が出ています。


2. 猫の「ゴロゴロ音」は免疫力やうつ病に効果的?

くつろぐ猫

猫が喉から鳴らす「ゴロゴロ音」には人間の免疫力を高める効果があるとされています。これには、ゴロゴロ音の周波数が低いことが関係しているのだといいます。この周波数は人間に幸福感を与える効果があり、うつ病の症状を改善させることもできるとされています。


3. 猫の存在は発達障害に良い効果がある?

キャットセラピーをはじめとしたアニマルセラピーは、発達障害を持った人にも効果があると言われています。発達障害を持っている人は対人コミュニケーションに悩まされているケースが多くみられますが、動物は、障害の有無や言葉の壁に関係なく、信頼関係を築いてくれる存在です。そのような存在と接することで、純粋な癒やし効果の他にも、障害そのものや二次障害などの改善ができるといわれています。

猫に癒やされる方法

触られている猫

猫と触れ合って猫に癒やされるためには、さまざまな方法があります。

猫の触り方

猫はとてもデリケートな動物です。好き放題に触ってしまうと猫にとってストレスになってしまう場合があります。猫に触る時は、食事や毛づくろいなど他のことをしていないタイミングで、やさしく頭や顔の周りを触りましょう。猫によって触られたい場所は異なりますが、しっぽや足などを嫌がる猫は多いようです。なお、いきなり触ると猫を驚かせてしまうので、絶対にやめましょう。

猫を迎える

「OMUSUBI」トップページ
自分の家に猫を迎えることも、猫に癒やしてもらうための一つの手段です。保護犬・保護猫の里親募集サイト「OMUSUBI」では、様々な保護団体で里親を待っている子たちの情報を掲載しています。「保護猫から飼う」ことを、選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

ですが、里親を待っている子たちを迎えることは、家にもう一つの命を迎えることです。「癒やし」だけでは乗り越えられないものがある可能性も十分に考慮して、責任を持った判断をするようにしましょう。

猫の飼い方については、ペトことの記事「猫の飼い方|迎えるまでの準備や費用、注意点などについて紹介」も参考にしてみてください。

猫カフェで

猫とは、猫カフェでも触れ合うことができます。しかし、不特定多数の人との触れ合いにより、猫カフェの猫たちが多くのストレスにさらされてしまうことが問題にもなっています。

猫カフェの中には、里親募集中の保護猫のみで営業している「保護猫カフェ」もあります。猫カフェに興味がある方は、そちらを訪れてみてはいかがでしょうか。


癒やしに向いている猫種

猫には、声が小さい・大人しい・抜け毛が少ないなどの理由から、一般的に「飼いやすい」といわれている猫もいます。

ペトことの記事「飼いやすい猫の種類って? マンション向け・抜け毛が少ないなどタイプ別に紹介」では、初心者や一人暮らし、マンション暮らしの人などに向いている猫種を紹介しています。

この記事で紹介されている猫種の中でも、穏やかな性格をしているペルシャ猫ラグドールなどは、比較的癒やしに向いているといえるかもしれません。

心が疲れたら、猫に助けを求めても……?

猫は、ペットとして家庭で愛されているだけでなく、セラピストとしても各所で活躍しています。心の疲れを感じたら、まさに「猫の手を借りる」気持ちで猫に助けを求めるのも、一つの方法かもしれません。


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