猫が雷を怖がる理由は?パニックを落ち着かせる方法や雷のストレスによる行動などを解説

猫が雷を怖がる理由は?パニックを落ち着かせる方法や雷のストレスによる行動などを解説

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猫は雷を怖がると震えたり逃げたりするだけではなく、ストレスによる嘔吐や下痢、時には過呼吸や最悪の場合はショック死を引き起こすこともあります。雷恐怖症の猫には怖がるレベルに応じた対策をしてあげる必要があり、原因なども知っておくと愛猫に合った対策が見つかるかもしれません。今回は猫が雷を怖がる理由やその対処法を紹介します。

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猫が雷を怖がる理由とは?音や光だけではない要因

ハンモックに隠れる猫

雷が鳴ると、猫が驚いて飛び跳ねたり、隠れたりする様子を目にする飼い主さんも多いでしょう。猫が雷を怖がる理由は、主に雷の大きな音突然の光ですが、それだけではありません。実は、猫が感じる恐怖の要因は多岐にわたります。

猫によって何に恐怖心を抱いているのかは異なるため、飼い主さんは愛猫をよく観察して、不安材料を取り除いてあげることが重要です。

大きな雷鳴

猫の五感の中で最も優れている感覚は聴覚。音に対する感度が非常に優れており、人間よりも遥かに広い音域を聞き取ることができます。

そのため、人間にはただの「ゴロゴロ」という音でも、猫にはそれがまるで大砲のような恐怖の音として聞こえることがあります。この音の強さが猫の神経を緊張させ、パニックを引き起こす原因となります。


雷の光

雷のピカッとした光も、猫にとっては驚きの要因です。光の後に大きな音が続くという連鎖を学習すると、光だけでも恐怖心を引き起こすようになります。特に、夜間の雷は周囲が暗いため、突然の強い光に対する驚きは倍増します。

静電気による不快感

雷が発生する時には、静電気が増加します。この静電気が猫の被毛に影響を与え、毛が逆立つなどの物理的な不快感を生むことがあります。猫にとっては、この感覚もまた雷への恐怖を増幅させる一因となります。


気圧の変化

雷が発生する時は、急激な気圧の変化が伴います。猫は気圧の変化に敏感で、これが原因で頭痛や耳鳴り、不安感を引き起こすことがあります。特にシニア猫や持病を抱える猫にとって、気圧の変化は身体的な負担にもなり得ます。

猫が雷を怖がる時に見せる行動

ソファで丸まる猫
猫が雷に恐怖を感じた時、どのような行動をとるかは個々の性格や過去の経験によって異なりますが「隠れる」「震える」などの行動をする場合があります。

隠れる

雷が鳴ると、多くの猫が本能的に狭くて暗い場所に隠れます。これは、危険を感じた時に自分を守ろうとする自然な反応です。隠れる場所として、家具の隙間やクローゼット、キャットタワーのボックスなどが選ばれることが多いです。

震える、唸る

恐怖や緊張が高まると、猫は震えたり低く唸ることがあります。これは恐怖を外部に表現する一方で、自己防衛の一環として威嚇行動を取ることもあります。

爪とぎや過剰なグルーミング

猫がストレスを感じた時、爪とぎや過剰な毛づくろいを行うことがあります。これらの行動は、ストレスを発散しようとする行動であり、猫が雷に対する不安を紛らわせようとしている証拠です。

脱走を試みる

強い恐怖を感じた猫は、家の外に逃げ出そうとすることがあります。これは、恐怖から逃れるための行動ですが、外の世界はさらに危険が多いため、飼い主としては事前にしっかりと脱走対策を行う必要があります。

愛猫が脱走しないように戸締りをしっかりとして、万が一に備えて迷子札は常に着けておきましょう。


攻撃的になる

パニック状態に陥った猫は、普段は温和でも攻撃的になることがあります。これは、恐怖心が極限に達した結果であり、家族や他のペットに対して突然攻撃を仕掛けることもあるので注意が必要です。

猫の雷恐怖症とは

飼い主を見上げる猫

雷恐怖症とは、雷の発生によって猫が異常なまでに恐怖反応を示してしまう状態を指します。

恐怖反応の度合いは個体差があり、症状もさまざまです。

飼い主さんが雷恐怖症の猫に対し怒ったり、過剰にかまったりする行為は猫の恐怖反応を助長させることにつながります。

雷恐怖症を理解し、愛猫にあった対応をしましょう。

猫の雷恐怖症の症状

雷恐怖症の症状は猫によって異なります。症状の度合いによっては個人での対策では限界があるため、動物病院で相談するようにしましょう。

雷恐怖症の症状として、以下のような反応が見られます。

症状の程度と詳細
症状の程度 症状の詳細
軽度の症状 耳を後ろに倒したり、目を大きく見開いたりする程度で、隠れるだけで済む場合。
中程度の症状 鳴く、唸る、震えるといった行動が見られ、食事や水を取らなくなることがある。これが数時間続くと、猫の健康に影響を与えることも。
重度の症状 嘔吐や下痢、過呼吸を伴うことがあり、最悪の場合はショック状態に陥る可能性も。このような場合は、即座に獣医師に相談し、適切な対応が必要。

猫は隠れることが多く、飼い主さんが症状に気づきにくいかもしれません。注意して観察しましょう。

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雷恐怖症になりやすい猫

以下のような場合、恐怖症になりやすくなります。

  • 幼少期に雷で恐怖経験をした
  • 飼い主さんが雷に驚く様子を見た
  • 高齢期になった

雷が鳴っても平気で寝ている猫もいますが、幼少期のトラウマだったり、大人になってから恐怖症を引き起こす可能性もあります。

雷に怖がる猫を落ち着かせる方法

ブランケットに隠れる猫

まずは猫の恐怖心が、個人で対処できるものなのかを判断する必要があります。

雷が鳴っている間はいくら呼びかけても耳に入っていない様子の猫もいます。

恐怖心が嘔吐や過呼吸にまで発展するようであれば、獣医師(特に行動診療科)に相談することがオススメです。

1. 安心できる場所を作る

猫が恐怖を感じている時は、猫自身が安心できるよう自由に逃げ込める環境を作ってあげるとよいでしょう。

飼い主さんのベッドの隙間や、普段から使っているケージにブランケットをかけておくなど工夫してあげると猫も安心して身を隠すことができます。

\ Attention!/
雷が鳴って、猫がケージに逃げ込んだ時は扉を閉めず、いつでも移動できるようにしておきましょう。

扉を閉められ行動が制限されてしまうと、さらにパニックになってしまう恐れがあります。

2. 飼い主さんは平然とする

猫は飼い主さんの様子に非常に敏感です。飼い主さんが雷に怖がっていると「やっぱり怖いものなんだ!」と余計に恐怖心をあおる恐れがあります。

反対に安心させようと必死に抱っこしたり、かまったりするのも「いつもと違う!」と思わせてしまうため、飼い主さんはなるべく平然とし、優しく声をかけるようにしてあげてください。

3. 雷の音が聞こえにくくなるようにする

雷の音は猫にとって非常に恐怖を感じる要因の一つです。雷が鳴る前に、家の中の全ての窓やドアをしっかりと閉め、音を遮断することが重要です。さらに、防音効果のある厚手のカーテンを使用することで、雷の音を軽減できます。

また、家の中心部に猫を移動させることも効果的です。雷の音が直接届かないよう、できるだけ静かな場所を確保してあげましょう。

4. 雷が見えないようにする

雷の光も猫にとって大きなストレスとなります。雷が光るたびに猫が驚いてしまわないよう、カーテンや雨戸を閉めて、光を遮ることが大切です。特に、厚手のカーテンを使うと、光と音の両方を効果的に遮断できます。

万が一、雷の光が見えないようにするのが難しい場合は、部屋の照明をつけて、雷の光を相対的に和らげる工夫をするのも有効です。

5. 雷から気をそらす

雷が鳴っている時に、猫の注意を別のものに向けることは、恐怖を和らげる一つの方法です。例えば、猫が好きなおやつを与えることで、雷の音と良い経験を結びつけさせることができます。

また、おもちゃを使って一緒に遊ぶことで、雷の存在を忘れさせることができるかもしれません。

6. フェロモン製剤を使用する

フェリウェイなどの猫専用フェロモン製剤は、猫のストレスを軽減する効果が期待できます。もちろん個体差はありますが、これによって落ちつく猫もいるかもしれません。

猫が普段過ごす部屋にスプレーしたり、コンセントに差し込むタイプのディフューザーを使用してみたりし、雷による恐怖感を緩和できるか試してみるのもいいかもしれません。

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猫の雷恐怖心の克服・緩和方法

見上げる猫

系統的脱感作と逆条件付け

一般的に犬のトレーニングに利用されるものとして「系統的脱感作」と「逆条件付け」という行動療法があります。二つの療法を組み合わせて少しずつ苦手克服を目指します。

<系統的脱感作(けいとうてきだつかんさ)>

系統的脱感作とは、猫が苦手なものを最小限の刺激から与えて徐々に慣らしていく方法です。

雷が苦手な猫に対して系統的脱感作を行う場合、雷の音を小さく流し少しずつ音量を上げるなどして行うことができます。

<逆条件付け>

逆条件付けとは、苦手なことが起こっている時に猫にとって嬉しいことをすることで、苦手意識を払拭する方法です。

雷が鳴っている間はおやつがもらえたり、おもちゃで遊んでもらえたり嬉しいことが起こることを教えると、雷へのイメージが変わります。

系統的脱感作と逆条件付けは同時に行うことで効果が出ます

例えば雷の音が苦手な猫の場合、CDなどで雷の音を消音で流しておやつを与えたり優しくなでてあげたりします。少しずつ音量を上げながら繰り返すことで、雷の反応が変わってくるでしょう。

ただしこれはあくまで雷の音に対してのイメージに限るため、静電気や気圧の変化による不快感が主な原因の場合は効果的とはいえません。

薬事療法

飼い主さんができる範囲の対策では、恐怖心を改善できないほどの症状を抱える場合もあります。そのような時は獣医師に相談してアドバイスをもらいましょう

トレーニングで改善できる範囲なのか、薬によって不安症状を軽くするのがよいのかを判断することが大切です。

実際に重度の雷恐怖症を抱えている場合は飼い主さんが声をかけても効果がないため、嘔吐や下痢、ショック死の危険性を考えると薬事療法が有効な対策になります。

猫が雷でも安心できる環境を作るのが大事

飼い主を見つめる猫

猫が雷を怖がる理由はさまざまです
雷恐怖症になる猫もいます
愛猫が雷を怖がる場合、安心できる場所をつくってあげましょう
個人で対処できない場合は、獣医師に相談しましょう

雷を怖がる猫は決して少なくありません。恐怖や不安がどのような行動に現れるかも猫によって異なり、適した対策も試行錯誤してあげることが必要です。

しっかり対策をしてあげて、愛猫と楽しい暮らしを送ってください!